2023年晩夏の関西旅行、早朝の阪急、午前の嵐電に続いて訪れたのは大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の路線のひとつである中央線でした。
2018/12/1 谷町九丁目駅柱 大阪メトロ路線図
大阪の地下鉄は第7代大阪市長で都市計画学者でもあった關 一 (せきはじめ)(1873年9月26日~1935年1月26日)(東京高等商業学校(現、一橋大学)の教授から大阪市役所幹部に転身、20年間市助役を務めた後、市長に「大大阪時代」を実現し、「大阪の父」と慕われるも、在職中に死去)が大阪市高速度交通機関計画を策定し、1933年5月20日、日本初の公営地下鉄として御堂筋線梅田(仮駅)~心斎橋間が開業しました。
1号線 御堂筋線 路線記号M:江坂~中百舌鳥間 20駅 24.5km 軌間1435mm 第3軌条方式 DC750V
1933年5月20日 梅田~心斎橋間開業
1970年2月24日 江坂~新大阪間の開業、北大阪急行電鉄と相互直通運転開始
1987年4月18日 我孫子~中百舌鳥間が開業し全通
3号線 四つ橋線 路線記号Y:西梅田~住之江公園 11駅 11.4km 軌間1435mm 第3軌条方式 DC750V
1942年5月10日 大国町~花園間開業
1972年11月9日 玉出~住之江公園間が開業し全通
4号線 中央線 路線記号C :コスモスクエア~長田 17.9km 軌間1435mm 第3軌条方式 DC750V
1961年12月11日 大阪港~弁天町間開業
1986年10月1日 近鉄東大阪線(現、けいはんな線)長田~生駒間開業で大阪港~生駒間で相互直通運転開始
1997年12月18日 大阪港~コスモスクエア間開業で現在の中央線が全通
2号線 谷町線 路線記号T:大日~八尾南 26駅 28.1km 軌間1435mm 第3軌条方式 DC750V
1967年3月24日 東梅田~谷町四丁目間開業
1983年2月8日 大日~守口間が開業し全通
5号線 千日前線 路線記号S:野田阪神~南巽 14駅 12.6km 軌間1435mm 第3軌条方式 DC750V
1969年4月16日 野田阪神~桜川間開業
1981年12月2日 新深江~南巽間が開業し全通
6号線 堺筋線 路線記号K:天神橋筋六丁目~天下茶屋 10駅 8.5㎞ 軌間1435mm 架空電車線方式 DC1500V
阪急千里線の前身、新 京阪鉄道は1925年10月25日に天神橋(天神橋筋六丁目)~淡路間を開業していました。
1969年12月6日 天神橋筋六丁目~動物園前 阪急千里線、京都本線と相互直通運転
1993年3月4日 動物園前 - 天下茶屋間が開業し全通
ニュートラム南港ポートタウン線 路線記号P:コスモスクエア~住之江公園 10駅 7.9㎞ 自動案内軌条式旅客輸送システム (AGT)
三相交流600V
1981年3月16日 中ふ頭~住之江公園間開業
1997年12月18日 OTSニュートラムテクノポート線コスモスクエア~中ふ頭間開業、相互直通運転開始
7号線 長堀鶴見緑地線 路線記号N:大正~門真南 17駅 15.0km 軌間1435mm 架空電車線方式 DC1500V
1990年3月20日 鶴見緑地線 京橋 - 鶴見緑地駅が開業
1997年8月29日 大正 - 心斎橋駅、鶴見緑地 - 門真南間が開業し、全通
8号線 今里筋線 路線記号I:井高野~今里 11駅 11.9㎞ 軌間1435mm 架空電車線方式 DC1500V
2006年12月24日 井高野 - 今里駅 が開業
2018年3月31日、84年の歴史に幕を下ろし、市営地下鉄事業を大阪市高速電気軌道へ譲渡
大阪の地下鉄の特徴は路線が南北は新大阪-梅田-難波-天王寺を結ぶ御堂筋線から始まり、東西は中央大通りの地下を走る中央線を嚆矢に東西・南北一定間隔に碁盤の目のように路線が増えて行き、現在のネットワークが形成されていることで、東京のように中心部に皇居があるためそれを迂回する形で銀座周辺に過度に路線が集中しているのとは異なっているのが最大の特徴かと思います。設備的には東京の地下鉄に較べ、標準軌、第3軌条方式が多いこと、そのため国鉄・JR線との相互乗り入れは無く、民鉄線との相互乗り入れも少ない(阪急千里線と堺筋線、近鉄けいはんな線と中央線のみ)ことです。長堀鶴見緑地線(7号線)、今里筋線(8号線)は鉄輪式リニアモーター方式でこれらも既存の民鉄車両の乗り入れは不可能となっています。
それぞれの路線にラインカラーが1975年から導入されており、
御堂筋線は大動脈で臙脂色(赤、クリムゾンレッド)、
谷町線は沿線に寺院が多いことから高僧の袈裟の色で京紫(紫、ロイヤルパープル)、
四つ橋線は御堂筋線の静脈的存在で青縹色(はなだいろ、青、ビクトリアブルー)、
中央線は大阪城公園の側を通ることから木々の緑(スペクトリウムグリーン)、
千日前線は夜の繁華街の下を通るので桃色(紅梅色ピンク、チェリーローズ)、
堺筋線は相互直通運転を行う阪急電鉄に合わせて茶色(ビビッドブラウン)、
南港ポートタウン線は海と空を模して水色(セルリアンブルー)、
長堀鶴見緑地線 - 鶴見緑地で開催された国際花と緑の博覧会のテーマカラーである黄緑(萌黄色)、
今里筋線 - 朝に東から昇る太陽の様な暖かさをイメージした色ゴールデンオレンジ(柑子色)に決められたそうです。
西院駅から阪急京都線で淡路駅へ、千里線に乗り換え、天神橋筋六丁目から堺筋線へ、堺筋本町から中央線を西へ進み、コスモスクエアまで行きました。今回の訪問の目的は2023年6月25日から供用が開始された400系電車や老朽化で置き換えが進む20系、他線への転用が決まっている24系、2022年から運転が始まった30000A系、そして近鉄けいはんな線から乗り入れてくる7000系、7020系の撮影でした。
2023/8/29 駅名標 堺筋本町
2023/8/29 駅名標 コスモスクエア
個人的には大阪の地下鉄は東京のように東京メトロと都営地下鉄のように営業主体が複数存在しないこともすっきりしていると思います。ただ、御堂筋線に対してほぼ平行に南北に走る四ツ橋線のようにほとんど利用したことの無い路線もあります。
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