1974年秋 九州一周 3 鹿児島へ
天王寺から大阪に戻り,軽く食事を摂った後、18:36発の寝台特急「あかつき1号」21レで西鹿児島に向かいました。
20系ブルートレインに乗ったのはこのときが初めてで、三段寝台の中段でした。いまでもあの寝台独特のにおいを憶えています。牽引機はEF58でHMは付いていませんでした。「あかつき1号」21レは当時の関西ブルートレインでは唯一の20系で、客車は品川客車区所属で東京発のはやぶさ3/4レと共通運用でした。
だいぶくたびれていたとは言え、「動くホテル」と言われた車輌に初めて乗車したうれしさから、まずは車内をいろいろと見て回りました。洗面所の構成とか、食堂車も覗きに行ってみました。
カニ21を先頭に2両目と9両目にナロネ21が入り、ナシは6両目、1~8両目までが基本編成で西鹿児島行き、9~15両目は付属編成で長崎行き、鳥栖で分割されたあとは付属編成に簡易電源車のマヤ20が付きサービス電源が供給されます(その付属編成は同じ旅行で博多から長崎まで「はやぶさ」で乗車しました)。8両目は後で写真が出てくるナハネフ23、最後尾はナハネフ22で、あとはすべてナハネ20でした。基本編成のB寝台は水俣から自由席でした(当時の時刻と編成に関してはRail Art様のページのデータが大変参考になります。1974年夏のあかつきはこちらです)。
なかなか寝付かれなかったため翌朝、目覚めたのはも博多を過ぎてからでしたが、熊本を過ぎてからは乗客も殆どいなくなり、先頭の電源車カニ21まで探検にも行きました。カニ21の荷物室は客車から入れる構造になっており、座席もなにもないがらんどうの空間があったように記憶しています。
<<西鹿児島>>
9:13 定刻に西鹿児島に到着した特急「あかつき1号」21列車,牽引機はED761004号機でした。
機回しで牽引機が去った後にはカニ21の顔が現れました。
一方、客車の最後尾はピンクの地のサインをつけたナハネフ23でした。
21レの客車が回送された後、続いて9:38に同じホームに特急「あかつき2号」が到着し、こちらはED761009号機の牽引で客車は14系寝台車した。
客車区に引き上げる23レの編成
<寝台特急「あかつき」の歴史>
1965年10月1日:新大阪駅 - 西鹿児島駅・長崎駅間で寝台特急「あかつき」が運行開始。20系客車が使用され、ブルートレインとなった。
1968年10月1日 新大阪駅 - 西鹿児島駅・佐世保駅間で「あかつき」が1往復増発され、2往復になる。.従来からの新大阪駅 - 西鹿児島駅・長崎駅間の「あかつき」のうち、長崎駅発着の編成は、東京駅 - 西鹿児島駅・長崎駅間の「はやぶさ」と共通運用になる。
1972年3月15日:.「あかつき」に新大阪駅 - 熊本駅・長崎駅間の1往復(下り3号・上り1号)が増発され3往復になる。これにより、従来の西鹿児島駅・長崎駅発の上り2号は上り3号に、西鹿児島駅・佐世保駅発上り1号は上り2号に変更。
「あかつき」(下り)1号・(上り)3号の西鹿児島編成の使用車両が向日町運転所から、品川客車区(のちの品川運転所)所属車両に変更。「はやぶさ」と完全に共用運用になる。
10月2日:新大阪駅 - 熊本駅間の「あかつき」1往復(下り2号・上り3号)が増発され、4往復になる。同時に4往復中3往復に14系客車を投入する。西鹿児島駅・長崎駅発の上り3号は上り4号に、西鹿児島駅・佐世保駅発下り2号は下り3号に変更する。また、同日長崎本線の新線区間(市布駅経由)が完成したため、従来の旧線(長与駅経由)経由から新線経由に変更となる。
1973年10月1日:「雲仙」「西海」の季節列車の各1往復が「あかつき」に統合され、「あかつき」は新大阪駅 - 西鹿児島駅(2往復)、新大阪駅 - 西鹿児島駅・長崎駅、新大阪駅 - 長崎駅・佐世保駅、新大阪駅 - 長崎駅、新大阪駅 - 佐世保駅間の計6往復になる(佐世保駅発着列車は「彗星」と新大阪駅 - 門司駅間で併結運行)。「あかつき」に24系客車が投入される。
1974年4月25日:新大阪駅 - 熊本駅間で「あかつき」が1往復増発され、7往復になる。また、一部列車に新製の24系25形客車が投入され、これが2段B寝台のデビューとなった。
1975年3月10日:.「あかつき」の西鹿児島駅・熊本駅発着列車が「明星」として系統分割され、「あかつき」は新大阪駅 - 長崎駅・佐世保駅、新大阪駅 - 長崎駅(「明星」と併結運転)、新大阪駅 - 佐世保駅(「明星」と併結運転)間の計3往復になる。下りの長崎駅・佐世保駅行き、上りの佐世保駅始発の列車は大阪駅発着に変更。「あかつき」全列車が14系・24系客車の運転になる。
新大阪に到着したEF587牽引の特急「あかつき」 1975/3の改正後の写真で牽引機のHMは省略されていた時代
1978年10月2日:「明星」との併結運転が終了されたのに伴い、1・2号は大阪駅 - 長崎駅・佐世保駅間、3・4号は新大阪駅 - 長崎駅・佐世保駅間運転の2往復に統合(長崎駅、佐世保駅に2往復ずつ乗り入れること自体は変更なし)。基本編成は1・4号は佐世保駅発着、2・3号は長崎駅発着。また2・3号の佐世保駅発着編成は筑豊本線経由での運行とする(両編成の分割・併合は門司駅で行う)。 「あかつき」の全列車が14系15形客車での運行となる。
長崎客車区で昼寝中の14系15形二段ハネ客車。銀の下帯の廻し込みのパターンはオハネフ25 200番台と同じパターンに。 1979.12.21
1984年2月1日:「あかつき」1・2号を新大阪駅発着に変更(再び全列車新大阪駅発着に統一される)。.1・4号の佐世保駅発着編成を、西鹿児島駅発着の「明星」に変更し、新大阪駅 - 鳥栖駅間での併結運転とする。「あかつき」は佐世保駅発着列車のみ2往復から1往復に減少。
1984/2のダイヤ改正からブルートレイン牽引機に全国的にHMが復活し、EF651095号機が牽引する「あかつき」でもその姿を見ることができました。
1985年3月14日:「あかつき」2・3号の佐世保駅発着編成を筑豊本線経由から博多駅経由に変更。これにより、筑豊本線を経由する本州直通列車は消滅した。
EF651094号機に牽引された「明星・あかつき」併結列車の大阪駅到着シーン
1986年11月1日:「明星」・「あかつき1・4号」が20系客車による臨時列車に格下げ。「あかつき」は新大阪駅 - 長崎駅・佐世保駅間1往復の運転となり、号数表記がなくなる。「あかつき」の佐世保駅発着列車に普通車座席指定席が連結。583系寝台電車のグリーン車以来の寝台列車の座席車であった。
1990年3月10日:普通車座席指定席車両として、長崎駅発着編成に「レガートシート」が連結開始。従来佐世保駅発着編成に連結されていた座席車はB寝台に変更。
11月21日:臨時の「あかつき81・82号」は、車両の陳腐化によりこの日の発車分から急行「雲仙」として運行されるようになる。
1991年3月16日:「あかつき」が新大阪駅発着から京都駅発着に延長。
夜行高速バス対抗措置として導入されたオハ14-301 京都駅 2005/8/21
長崎到着後、客車区に引き上げたオハ14-303 2002/3/22
1992年3月14日:長崎駅発着編成にB寝台個室「ソロ」を連結開始。
1995年1月17日:阪神・淡路大震災の影響により、当分の間運休になる。
1月30日:臨時寝台特急の「あかつき81・82号」として運行再開。JR神戸線の復旧工事が完了していないことから、大阪駅 - 姫路駅間は福知山線・山陰本線・播但線経由での迂回運行を行う。
4月1日:JR神戸線の開通により「あかつき」としての運行再開。
1998年10月3日:この年7月に「サンライズ出雲」の運行開始により廃止された「出雲2・3号」で使用されていた1人用A寝台個室「シングルデラックス(DX)」、2人用B寝台個室「ツイン」・「シングルツイン」を長崎駅発着編成に連結開始。従来長崎駅発着編成に連結されていた「ソロ」は佐世保駅発着編成への連結とする。
特急「あかつき」 長崎到着後、牽引機ED761010の機回しの様子
2000年3月11日:「あかつき」は佐世保駅発着列車を廃止の上で、南宮崎駅発着の「彗星」との併結運行となる。これにより、佐世保線に乗り入れる夜行列車、JR他社管内直通列車は消滅した。 これに伴い、従来新大阪駅発着だった「彗星」は「あかつき」に合わせて京都駅発着となった。また「彗星」は三ノ宮駅ではなく神戸駅に停車していたが、これも「あかつき」に合わせて三ノ宮駅への停車に変更された。「あかつき」のヒルネ扱いは廃止された。
編成としては、従来の「あかつき」の佐世保駅発着編成がそのまま「彗星」となり(ただし閑散期の車両数は5両から4両に減車)、長崎駅発着編成は組み換えと一部車両の方向転換が行われたが、車両数自体は単独運行時代と変更はない。
ED7669号機に牽引されて諫早駅に到着する寝台特急「あかつき」 2002/4/4
山崎のカーブを行くEF6648号機牽引特急「彗星・あかつき」 2005/7/8
2005年10月1日:「彗星」が廃止され、京都駅 - 鳥栖駅間で「なは」との併結運行を開始。 6両編成に短縮されたが、廃止された「彗星」に使用されていた1人用B個室寝台「ソロ」が再び連結されるようになり、代わりに簡易4人用B寝台「Bコンパートメント」が外れた。
彗星の廃止後、なはと併結になったあかつき EF6649号機牽引 2007/3/10 千里丘
2008年3月15日:「あかつき」が廃止。これにより、長崎本線に乗り入れる夜行列車、JR他社管内直通列車は消滅した。 廃止された「あかつき」に代わり、博多駅 - 長崎駅間で特急「かもめ」を1往復増発している。
これにより本州対九州のブルートレインは「富士」「はやぶさ」の1往復のみとなり、京阪神対九州の夜行列車は臨時の「ムーンライト九州」のみとなった。
9月30日 まずは観光と云うことで駅前に出ると鹿児島市電が南国カラーで走っていました。市内観光バスに乗り、島津邸、尚古集成館など島津藩ゆかりの観光地を見学し、桜島にフェリーで渡ったと思います。夜は鹿児島駅近くの国家公務員共済の宿泊施設に泊まりましたが、けっさくだったのが、客が少なく風呂はひとつしか沸かさないから男女共用で時間を違えて入ってくれとのことでしたが、確かに男の時間帯に私がひとりで入浴していたら、若い女性の3人組ががやがやと入って来そうになり、大慌てで食い止めたのを憶えています。
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