1976/3 関西へ 5 関西本線
阪和線の旧形、新性能、気動車と来たので、貨物列車にしようかあるいは関西本線の電車に使用か迷いましたが、旅客を先に済ませておこうと云うことで関西本線にしました。
関西本線といえば本来は名古屋から亀山、奈良を経て湊町(JR難波)に至る路線ですが今回の対象は通勤電車が走る加茂までの区間です。といっても1976年3月や1981年頃の旅で訪れたのは奈良までで写真に出てくるのは、天王寺、久宝寺、奈良などです。
例によって、Wikipediaの関西本線の記事から、今回の対象区間の歴史を抜粋しますと、
1888年3月1日:大阪鉄道に免許交付。
1889年5月14日:大阪鉄道 湊町駅 - 柏原駅間が開業。
1890年9月11日:柏原駅 - 亀瀬仮停車場間が延伸開業。12月27日:奈良駅 - 王寺間が開業。
1891年2月8日:王寺駅 - 稲葉山仮停車場間が延伸開業。
1892年2月2日:亀瀬仮停車場 - 稲葉山仮停車場間が延伸開業し、湊町駅 - 奈良駅間が全通。
1900年4月23日:関西鉄道への路線の譲渡の契約が成立。6月6日:大阪鉄道が関西鉄道に路線を譲渡。
1907年10月1日:関西鉄道が国有化。
1909年10月12日:国有鉄道線路名称制定により、名古屋駅 - 奈良駅 - 湊町駅間が関西本線となる。
1952年9月1日:貨物支線(阪和貨物線)八尾駅 - 竜華操車場 - 杉本町駅間 (11.3km) が開業。
1956年3月15日:貨物支線 浪速駅 - 大阪東港駅間 (3.0km) が開業。
1965年3月1日:阪和貨物線 八尾駅 - 杉本町駅間が旅客営業開始。名古屋駅 - 東和歌山駅間に阪和貨物線経由で気動車特急「あすか」が運転開始。
1967年10月1日:特急「あすか」が廃止。
1973年10月1日:奈良~湊町間電化開業 101系運用開始
1982年8月1日:台風10号と集中豪雨の影響により、王寺駅・王寺機関区が浸水する被害を受ける。首都圏から急遽、廃車予定だった車輌を送り込み。
1983年3月:103系転入開始。
1985年1月:101系の置き換え完了。
1986年11月1日:竜華操車場が信号場に変更され竜華信号場が開設。
1989年3月11日:大阪環状線に直通する区間快速(環状線内各駅停車)が運転開始。大阪環状線との直通運転を夕方以降にも拡大。郡山駅・大和小泉駅停車の快速および和歌山線・桜井線直通の快速が区間快速に変更。4月10日:大和路快速で221系電車が運用開始。
2003年4月1日:日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(木津駅 - 平野駅間 40.6km、竜華信号場 - 杉本町駅間 10.5km)が廃止。
2004年7月1日:貨物支線(阪和貨物線) 八尾駅 - 杉本町駅間が休止。
2008年3月15日:おおさか東線の開業により奈良駅 - 尼崎駅間をおおさか東線・JR東西線経由で運転する直通快速が運転開始。
2009年3月14日:名古屋駅 - 亀山駅間で日中の快速が増発。3月31日:貨物支線(阪和貨物線) 八尾駅 - 杉本町駅間 11.3kmが廃止。
といったようになります。
101系の投入は1973年10月1日のことで、大阪環状線に大阪の国電としては最初の冷房付き103系72両を投入し、そこから捻出された同数の101系を関西線に転出させたのでした。72両は6両編成12本に組成され、塗色もオレンジ色からウグイス色に黄色の警戒色に変更されました。
二枚の写真はまだ竜華操車場のあった頃の久宝寺駅 1976/3
最後尾のクモハ100のパンタはPS13形です。
1979/12/23 天王寺 尾灯の形からこのクモハは1960年以降のタイプと分かります。
1981/12/2 今からちょうど31年前ですね。
1981/12/2 外板にかなり疲れの見えるクモハ101 天王寺駅
これら1981年以前に撮影した101系クモハの写真を見ると、後部標識灯の形から1960年以前の製造車輌であることが推察されます。12/3のBlog記事にある大阪地区の新製配置車輌はすべて1960年以降の車輌なので、城東線で101系が走り始めた時に、関東から転属したクモハであることが想像できます。
1982年8月1日の深夜から未明にかけて台風10号が渥美半島付近に上陸し、静岡県を直撃し、東海道線の富士川橋梁の流出、関西線では王子駅付近を流れる葛下川が氾濫し、同駅が冠水したため.留置中の113系40両と101系60両が床上まで冠水してしてしまい、101系は使用不能となってしまいました。その頃、首都圏では101系から201系への置き換えの最盛期で廃車予定の101系を急遽、冠水車の代替とすることになりました。具体的に検討してみると同じATSのB形でも50Hzと60Hzで周波数が違っていたり、車内天井に貼ってある路線図を剥がさなくてはならなかったりと結構作業は大変だったようです。それでも8月7日に第一陣が武蔵小金井から西下、以降9月30日までに47両、計54両が首都圏から転属し、片町線から6両103系の置き換えで捻出された101系が投入され60両を補充することが出来たそうです。冠水した101系は機器が砂を被ったりしており、手の施しようがなく廃車となりましたが、113系40両は車齢も新しかったため復旧されたそうです(鉄道ピクトリアルNov 2002 No.724 特集101系電車 の記事を参考に記述しています)。
冠水事故廃車車号
形式
Mc 11, 28, 29, 50, 83, 84, 86, 88, 100, 103
M'c 11,27, 28, 29, 83, 87, 88, 91, 100, 151
M 14, 21, 27, 28, 29, 81, 83, 84, 87, 180
M' 14, 20, 21, 28, 29, 48, 80, 81, 82, 84
T 41, 42, 45, 54, 60, 64, 67, 75, 78
T' 41, 42, 45, 54, 60, 64, 72, 75, 76, 78, 79
鉄道ピクトリアル誌 1987.11 No487 <特集>101系通勤形電車 より
1984.12.3 103系と共存の時代 天王寺駅
1982年の冠水事故で比較的古い車輌が廃車になり、首都圏から車齢の若い車輌が転入したのは、標識灯の形態にも現れています。そして103系の時代へ。
1984,12.3 スカイブルー2つ目クハ冷房付き
1984/12/7 湊町終点で折り返す冷房付き103系
ウグイス色の2つ目の冷房付き103系を見たときは、1973年から1974年初め頃まで、山手線に在籍した最初の量産冷房車を思い出しました(黄色の警戒色はありませんでしたが)。
1987/12/4 この当時はまだ、非冷房の車輌も残っていたようですね。 天王寺
同日 東海道線からの転属直後なのかスカイブルーの車輌も走っていました。
一方、快速には春日色の113系が
1976/3 113系 関西線 新快速 大きめのHM
1979/12/23 大阪駅環状線ホームに入線中の関西線新快速 HMは小型に
1984/12/3 奈良駅にて
あれから30年以上の月日が流れていますが103系はまだ頑張っています。大阪環状線の103系も関西線を走っているようですね。
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コメント
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113系でなじみがあったのはこの現在の大和路快速の前身である「大阪(環状線)・奈良直通快速」のヘッドマーク付き電車ですね。
めったに奈良に行くことは少なく、よくあっても遠足で奈良方面に行ったときに乗ったかなというくらいですが、それでも基本的に大和路快速に至るまで、大阪環状線全線(天王寺起終点)をぐるっと1周して走りますので、天王寺~大阪の環状線エリアは各駅停車ですのでたまに用があると乗っていたなと思います。
今は昼間は大阪から西九条・新今宮に西下していく区間は、一部通過駅があり(それでも今は福島・西九条・弁天町・大正・新今宮には止まっているが)、それは「大和路快速」という名前、朝夕のラッシュ時、および深夜は環状線全線各駅停車ということで「区間快速」としていますし、区間快速と名乗る電車は、環状線仕様(昔は103,205。今は323)が乗り入れていますね。
投稿: マァ君 | 2020年9月 4日 (金) 22時19分
マァ君 さま、こちらにもありがとうございます。
いつからかは思い出せませんが、関西本線が湊町始発一本ではなくなり、環状線に乗り入れ、さらに1周して天王寺まで走る形態になりましたね。
そういった運用もまた時代の変化とともに変わってゆくかも知れませんね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2020年9月 7日 (月) 05時07分