1976/3 関西へ 8 阪和線貨物 ED61について
昨日のED60に続いて今回は兄弟機ED61です。
ED61形は1958年に25パーミル(1000分の25)の急勾配が連続する中央本線八王子 - 甲府間の輸送力増強をはかり、同時に私鉄買収機関車や大正時代の輸入機関車など、保守点検の困難な雑形機関車を置き換える目的で製造された直流用電気機関車です。
試作機として1号機は日立製作所、2号機は東京芝浦電気により製造され、1959年に量産機として日立、東芝、川崎電機製造・川崎車輛により3 - 18号機が製造されました。
ED60形と異なるのは急勾配区間を走行するため、抑速ブレーキとして電力回生ブレーキが装備されていることで、ED60形より車体が1.3m長くなっています。
駆動方式は当時の新形式電気機関車に多く採用されたクイル式でした。1959年に東芝で落成した15号機の台車は、他の車両のDT106形とは異なり東芝製の空気バネ装置を組み込んだ試作台車DT900形を装着していました。
新製配置は甲府機関区と八王子機関区で、主に甲府以東の中央本線で貨物列車牽引用に使用されました。走行試験のため、一時期米原機関区や福島機関区に貸出されたことがあるそうですが、ほぼ中央本線一辺倒で使用されました。
中央線八王子~甲府で重連で働くED61 トップナンバー本務機はED61 12 1975/11 八王子
甲府機関区で休む15号機16号機 1977/9/23
熊取駅に入線するED61 18号機牽引 貨物列車 1976/3
和歌山で出発を待つ18号機牽引貨物列車 1976/3
回生ブレーキの動作、特にタイヤ厚の異なる2両を連結して重連運転した際の車輪の回転数差=発生電圧差に由来する制動力の不均等、あるいは中央本線の列車運行密度と変電所の整流器特性に起因する回生失効の多発などで問題を抱え、ED61が重連で充当されていた運用を単機で代替可能なEF64形が登場すると、順次運用が置き換えられていきました。17・18号機については、1972年(昭和47年)の大糸線へのED60形2・3号機の転出による所用数の不足を補うべく竜華機関区に転じ、阪和線でED60形などと混用されました。
飯田線で使用されていた旧型電気機関車取替えのため、1974年から1979年にかけて18両すべてがED62形に改造され、形式消滅しました (以上Wikipediaの記事を参考に記述しました)。
ED62に関しては、一度飯田に出張した際に走っているのは目撃したのですが、写真は撮れずじまいでした。大宮工場に一両保存してあり、年によっては公開の際に見ることが出来るようですので、機会があれば撮影しようと思います。
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コメント
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こんにちは。
ED60に姉妹機のED61・・・D級電機はとても好きなので、楽しませていただきました。
さらに改造機ED62と、これらの電機は貨物がお似合いですが、
一度客車を牽くところも見てみたかったなあと思います。
一族の中にはシールドビームの二つ目玉化された車両があったのですね。
飯田線ではしぶとい活躍を見せましたね。
直流機といえばF級電機が主流で、どちらかというとマイナー的存在・・・
JR化されてもしばらく活躍していたとは近ごろ知ったことでした。
投稿: やぶお | 2012年12月10日 (月) 18時48分
ED16について調べていたときも、青梅線等でED16が長生きしたのは代替となる新型機の機数不足していたとのことで、意外なことにED60からのED型直流機はこれで終わってしまいましたね。私鉄の電機ではその後も長きにわたって使われましたが、今となっては私鉄の貨物輸送用に新造も考えにくくなりました。
SLはまさに保存機のブームですが、電機をきちんと保存して行こうという流れはないものですかね。
投稿: B767-281 (クハ415-1901) | 2012年12月11日 (火) 09時27分