1977/3 山陰、九州、そして瀬野八へ 11 421系
今回は常磐線の401系と同時にデビューした421系についてみてゆきたく思います。
急行用475系電車と並んだ421系低運転台クハ421(1-16)を先頭としたA-3編成
421系は交直両用近郊形電車として1960年に、60Hz専用として登場した形式であり、423系はその出力増強形として1965年に60Hz専用として登場した形式です。所謂、111系から113系、あるいは451、471系から453、473系の流れと同じ主電動機をMT46からMT54に換えて出力アップする流れですね。50Hz、60Hz別のため、20番号が違うのも451と471と同様です。
車体構造は153系を基本としており、全金属製セミモノコック構造で、車体幅を2.9mとし裾を絞った断面形状であり、車体長も同様に中間車で19.5mです。ただし近郊形として通勤使用を考慮し70系同様のデッキなし片側3ドアとした上、新たに101系と同じ1.3m幅の両開き扉を採用しました。座席配置も70系のものを改良したセミクロスシートで、中間車の場合、扉間は扉近くの2人掛けロングシートに4人掛けボックスシ-トが4組挟まれ、車端部には3人掛けロングシートに4人掛けボックスシ-トが2組で、座席定員は76人(70系は車端部ロングシートのみで、座席定員は72人)、153系と比較して通路幅は540mmに対して860mmと広くとられ、座席は幅が狭く窓側の肘掛けが省略されています。便所は70系同様クハに設けられ、これらの構造は、以後長らく新性能近郊形電車の標準となりました。
白いHMは折り返すと「マイタウン電車」となる 1985/4/19 博多
クハ421形の前面は、153系と同様に併結運転の便を図って貫通路を設けたデザインで、初期製造車はクハ153形0番台と同様に運転室のフロントガラスが大きい低運転台構造でしたが1961年11月製造のクハ421-17以降から、クハ153形500番台と同様、踏切事故対策である高運転台に変更され、以後長らく近郊形電車で使われ続けるデザインとなりました。
貫通扉からの隙間風対策で目張りをした車輌を結構見ました。 1979/12/18 筑前新宮
台車は電動車用が101系と同一のDT21B形、付随車用がDT21B形をベースに台車枠形状などを付随車用に変更したTR64形としました。ブレーキ機構は価格的な面からディスクブレーキを使用せず踏面制輪子としました。なおクハ421-41以降はクハ111形と同様にディスクブレーキ付きのTR62形とし、ブレーキ容量増大を図りました。
1961年6月、既電化区間の関門トンネルを挟んだ山陽本線小郡駅(現・新山口駅) - 下関駅間の直流電化および鹿児島本線門司港駅 - 久留米駅間の交流電化に伴い新製された系列です。1966年までの間に4両編成23本計92両が製造されました。
4両編成を3本連結した12連での運用 1986/2/20 小倉
1960年に量産先行試作車から製造が開始された。60Hzで電化されていた北陸本線で試運転が行なわれた後、九州での試験運転を行ないました。関門トンネル通過時や海岸線沿いを走行した時に付着した海水による塩分や塵害による汚損などにより碍子の閃絡事故が相次いで発生したため、一部列車を客車や気動車で代走させる事もありました。ここまでWikipediaの記事を参考に纏めています。
かつては九州の415系が山陽本線、宇部線まで運用されることがありました。 1985/4/19 小倉
1977年3月、あるいはその後の1985年4月の時点でも初期タイプの低運転台クハ(クハ421-1~16)を先頭とする編成は結構頑張っており、記録することが出来ました。
クハ421-17以降の高運転台車 日豊本線の運用 1985/4/19 押し込み式で円錐形
高運転台のクハも形態的に区別が可能で、423系と同時期に製造されたタイプ(41以降)は先頭部屋根上の通風器が角形で大形の押し込み式に、37~106は架線電圧検知器のアンテナの取り付け台が円錐形に、17~36は準備工事を施し、取り付け台は箱形をしていました。
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