1975/11 奥羽南線電化と特急「つばさ」の電車化 5
皆さま、開けましておめでとうございます。
昨年10月にスタートしたblogですが、本年も昔の写真をアップしつつ、鉄道、航空機の話題を綴って行きたく思います。どうか宜しくお願い致します。
今回は、1985年ダイヤ改正以降の奥羽本線、「何でもあり」の特急と化した「つばさ」の様子です。
「何でもあり」というのは言い過ぎかも知れませんが、「つばさ」と言えば、福島~秋田間の特急というイメージがありましたが、この頃になると先日の記事(1975/11 奥羽南線電化と特急「つばさ」の電車化 1)の歴史にもありますように、
.「つばさ」の福島駅発着列車が増発され、上野駅 - 秋田駅間で1往復、福島駅 - 秋田駅間で3往復、福島駅 - 横手駅間で1往復、福島駅 - 新庄駅間で1往復、福島駅 - 山形駅間で1往復、山形駅 - 青森駅間で1往復の計9往復となる。編成も上野駅発着の1往復と福島駅 - 秋田駅間の1往復にはグリーン車連結の485系9両編成が使用されたが、ほかは485系普通車のみの6両編成(一部列車は繁忙期等に9両で運転)となった。
ということで、なんと東能代付近では、山形発の「つばさ」、盛岡からの「たざわ」、さらに秋田~青森で運転された「むつ」といずれも485系6連のミニ特急ではありましたが、3種類の昼行特急が通過することになり、さらに「いなほ」が名前変更した「鳥海」は1985年3月の改正で秋田までに短縮されたものの、新潟~青森の新生「いなほ」や伝統の「白鳥」もありましたから昼行特急銀座となっていました。さらに夜行特急の「日本海」「あけぼの」なども通過しており、ちょっとびっくりの状態だったと記憶しております。
東能代付近を通過する山形~青森間の特急「つばさ1号」31M です。盛アオの車輌を運用していたのか、青森よりのクハは-300番台、山形よりのクハは-1500番台でした。
続いて同じタイプの編成を利用した特急「むつ」2041Mです。
最後尾のクハが前照灯の形から1500番台と分かって振り向いて撮りましたが、電柱に邪魔されたという写真です。 鹿渡
この秋田~青森間に登場した「むつ」ですが、急行時代からの歴史をみると、
1960年:秋田駅 - 青森駅 - 八戸線鮫駅間の準急列車「白鳥」の運転開始。
1961年:「白鳥」の名称を大阪駅 - 青森駅間運転の特別急行列車の名称に変更。この際に、青森駅で系統分離を行い、秋田駅 - 青森駅間に「岩木」の名称を与えられる。
1965年:「岩木」が仙台駅 - 青森駅間運行の急行列車「むつ」に統合し、「むつ」は仙台駅 - 青森駅 - 秋田駅間運行の列車となる。
1968年:「むつ」の運行区間を秋田駅 - 青森駅間に変更。
1972年10月1日:「むつ」が2往復に増発。
1982年11月15日:「むつ」が1往復増発。3往復で運行。
1985年3月14日:急行「むつ」の1往復を特急列車に格上げ。2往復は盛岡駅 - 秋田駅間運転のエル特急「たざわ」を青森駅まで延長する形で統合される。
1986年:「たざわ」の1往復を青森駅まで延長したことから、「むつ」を廃止。「むつ」の名称は定期特急としては1年8か月で消滅した。
その「むつ」を吸収した「たざわ」です。
二ツ井~前山間を行く青森発上り「たざわ」
クロハと改造クモハの3連で運行される「たざわ」 青森駅 1991/11/12
「たざわ」も新幹線盛岡開業後、盛岡~秋田を結ぶ特急としてデビューしましたが、1985年頃には2往復が盛岡~秋田~青森と延長されていました。
その「たざわ」の歴史は
1966年:田沢湖線開業により、盛岡駅 - 秋田駅間を結ぶ急行列車として「南八幡平」が設定される。設定当初は2往復。
1968年:「南八幡平」の名称を「たざわ」に変更。この際、仙台駅発着の列車を1往復設定。
1982年11月15日:東北新幹線開業に伴い、「たざわ」は盛岡駅 - 秋田駅間を結ぶ特急列車(エル特急)とに変更し、新幹線連絡特急の役割を担う。運転本数も6往復に増加。なお、車両に関しては485系1000番台が使用された。
1985年:「たざわ」の2往復を青森駅まで運転区間を延長。
1986年:先頭車を半室グリーン車化改造。「たざわ」は9往復に増発し、このうち3往復が青森駅発着。
1988年:「たざわ」が13往復に増発。このうち1往復が東能代駅まで延長。
1989年:「たざわ」が14往復に増発。
1996年3月30日:秋田新幹線建設工事による田沢湖線全線運休のため、1.「たざわ」の運転区間を、秋田駅 - 青森駅間に変更し、2往復運転。 2.北上駅 - 秋田駅間で特急「秋田リレー」が運転開始。
1997年3月22日:秋田新幹線開業により「秋田リレー」廃止。「たざわ」を「かもしか」に統合し、廃止。
「たざわ」を統合した「かもしか」の姿で、485系3連です。2010/10/23 弘前
東北新幹線新青森開業で廃止になる直前の姿です。 青森
そして「かもしか」の歴史です。
1997年3月22日:秋田新幹線開業に伴い「かもしか」の名称で運転開始。「たざわ」のダイヤを踏襲する。
1999年12月4日:「かもしか」の自由席車両が3号車(禁煙車)から1号車の半室(禁煙車)と2号車(喫煙車)になる。
2001年3月3日:従来「いなほ」として運行されていた列車の秋田駅以北を分離、「かもしか」は3往復体制化する。
2002年12月1日:「かもしか」の全列車が碇ヶ関駅に停車、同時に1往復停車していた早口駅は全列車通過となる。
2004年:寝台特急「あけぼの」が新潟県中越地震災害による運休となり、秋田駅 - 青森駅間を「かもしか」91・92号にて代替輸送を行う。運行ダイヤは「あけぼの」のダイヤを利用。ただし、車両運用の関係で一時期ディーゼル車による快速列車として運転していた。
2010年(平成22年)12月4日:秋田駅 - 青森駅間の特急列車は「つがる」に統一され、「かもしか」は消滅。
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