1981/11 北陸へ 2 EF81 その4 登場から今日まで
これまで3日間に渡って交直流電機機関車EF81基本番台の誕生を発注ロット別に見て参りましたが、新製配置後、彼らがどのように移動して今日に至ったかを調べて見ると非常に興味深い歴史が見えてきますので、今回はその点について触れようと思います。
1.終生、富山を働き場にしたEF81
EF81は1969年の北陸本線北部と信越本線の電化による新たな交直セクションの通過を可能とする交直両用機として登場し、富山がその基地となり、EF81にとって富山は発祥の地にあたる基地でありました。その富山に新製配置され、、廃車、あるいは現在まで富山から動かずにいる集団がいます。
1~10、19~39ですね。昭和46年度第1次債務で発注された3両(39~41)のうちの1両39号機のみがこのパターンというのも面白く思います。
千里丘に進入する8号機牽引の貨物列車
2.縦貫線で生まれ首都圏に活躍の場を移したEF81
このパターンは11~18、55~61、78~81、95~100、133
その製造時期に先輩交直流機EF80が老朽化によるリタイアの時期を迎え、そのリプレイスで活躍の場を日本海縦貫線から首都圏に移した機関車達ですね。
常磐線で活躍した16号機
安中貨物を牽く、在りし日の58号機 佐貫~牛久間
かつて常磐線を朝上ったワム八列車を牽く在りし日の61号機 北小金
3.縦貫線生まれの縦貫線育ち
EF81が配属された日本海縦貫線の基地は富山、酒田、長岡、敦賀、東新潟、青森とありますが、終生この基地間で移動はしたものの働きの場を縦貫線とした機関車達で、
43~48、62~74、101~127、129、134~152 が該当します。
晩年、長岡で過ごした機関車は夭折組が多いように感じます。電車や気動車の投入で機関車牽引の客車列車が早々と廃止となり、運用を失ったのも多いかと思いますが。因みにEF81の最初の廃車は1992年9月1日の70号機で455号機誕生の1週間後のことでした。
酒田に新製配置後、敦賀、富山、敦賀と移動しつつ、現在は「日本海」牽引でも頑張る45号機
4.首都圏生まれの首都圏育ち
田端、内郷等、東北、常磐の輸送を担当して生涯を送ったEF81は
82~94号機がこれらに属しますね。殆どのEF81が田端配置後、動いていない中で82号機は田端配置後、敦賀、富山への移動経験を持ちますが、1985年以降は田端に戻っています。
越谷レイクタウンを行く82号機牽引のコンテナ貨物列車
5.最後は九州へ
国鉄末期に財政事情の悪化から、本来だったらEF30の淘汰のために、EF81 300番台としてステンレスボディとして増備されるはずだったところ、本州内から運用等の減少から余剰になったEF81が門司、大分に転属になり、その後400番台に改造となるといったパターンを経た機関車達です。
いずれも正式には酒田配置からスタートしていますが、九州に至る過程で田端を経ているグループと直接、九州に行っているグループとがあります。下のうち、下線付きが田端経験組です。田端経験組はEF80の淘汰に貢献し、さらにEF30の淘汰に貢献したことになりますね。
40, 41, 42, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 75, 128, 130, 131, 132
=> 401, 402, 407, 408, 409, 410, 411, 412, 413, 414, 405, 403, 404, 406
といった具合に改造を受けています。これらの中にはJR化後、富山時代を経験している404, 406, 407, 408などもいます。
最近の運用では鹿児島まで足を伸ばす門司区の401号機
6.縦貫線から首都圏へ、そして縦貫線へ
酒田機関区は縦貫線のEF81配置機関区の中では大量新製配置があったにもかかわらず後年機関区自体がなくなるという運命を辿った機関区ですが、その酒田に配置された機関車で一旦、首都圏運用に配置換えになったものの最後は縦貫線に戻ったのが 76, 77の2機です。
76号機はなんと重連総括制御改造を受けずに門司に転属になり、北九州~福岡ターミナル間の運用を受け持った経験もあります。
香椎中線を通過する76号機牽引のコンテナ列車 2005/12/9
76号機は門司区時代、単独でこの運用に投入されました。
富山区に戻り、北陸路の運用に戻った76号機 2008/9/6
JR東日本時代の名残、異色の赤2号で大阪岸辺駅付近を行く77号機 2006/6/22
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