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2013年3月18日 (月)

1974,1975 北海道へ 4 我が国初の交流電車711系 その2

昨日の記事に続き、711系です。 

711902_910820
1991/8に北海道に行ったとき、711系の塗装が大きく替わっているのに驚きました。そして試作編成が3両化されてはいましたが、依然健在だったのには安心しました。

<試作車>

1967年に製作されました。クモハ711形+クハ711形の2両編成とされ、仕様の異なる2本が用意されました。
クモハ711-901+クハ711-901(S-901編成)
汽車会社製で、客用扉は4枚折戸両開き式、客室窓は16mm厚複層ガラス(1重)2段式のユニット窓でした。

クモハ711-902+クハ711-902(S-902編成)
日立製作所製で、客用扉は一般的な片開き式引戸、客室窓はキハ56系と同様の開閉可能な1段上昇式二重窓でした。 クハ711-902はディスクブレーキ装備のTR208Y形台車を装備し、室内天井には電気ヒーターを組み込んだ温風式送風機を設置しました。クモハ711-902の床下には防雪のため全体を覆う機器カバーを設けました。

1980年の第3次量産車製造時にクハ711形100番台を追加して3両編成とし、クモハ711形は編成の中間車として使用することとなりました。1999年10月までに運用を終了し、2編成とも廃車されました。S-901編成のみが苗穂工場構内に残存するそうです。

<第1次量産車>
モハ711形(1 - 9)
クハ711形(1 - 16)


函館本線の小樽 - 滝川間電化開業用として、1968年に製作されました。 3両編成を基本単位とし、運転台をもたない中間電動車モハ711形が新たに設定されました。電気機器類は軽量化と製作価格低減のため仕様を変更し、主変圧器はTM13A形に、主制御器はCS35形に形式を変更しました。パンタグラフは下枠交差式のPS102B形です。「雪切室」は点対称配置に変更され、車体側面向かって左側(2 - 3位)に配置しました。
モハ711-9は2両編成の試作車を3両で使用するための増結用として製作され、主に901編成に組み込んで使用されました。同車は 1980年にクハ711-118 - 218と編成を組成し、以後は通常の3両編成として使用しました。
クハ711形は試作車の902とほぼ同一構造とされたが、屋根上の通風器は一般の押込式に変更され、洗面所窓の形状も変更された。車両間の引き通しは「両渡り」構造に変更されました。台車は密封コロ軸受・ディスクブレーキ装備のTR208形です。

<第2次量産車>

モハ711形(51 - 60)
クハ711形(17 - 36)

函館本線の旭川電化用として、1969年に製作されました。
モハ711形は誘導障害対策のため各電気機器の仕様を変更し、主変圧器は2次側巻線を2分割したTM13B形、主制御器は主電動機の直並列接続化に対応したCS38形を装備しました。車両番号は50番台を付番して区別しています。
クハ711形は循環式汚物処理装置の準備工事がなされた程度で大規模な仕様の変化はなく、番号は第1次量産車の続番とされた。

711s056_910819
S056編成 1991/8/19 まだ千歳空港駅だった頃の現在の南千歳駅 

<第3次量産車>

モハ711形(101 - 117)
クハ711形(101 - 120、201 - 218)


千歳線 - 室蘭本線(札幌 - 苫小牧 - 室蘭)電化用として、1980年に製作されました。各部の仕様が変更され、100番台に番号区分されました。 車体は難燃化構造とされ、客用扉はステンレス製です。側面に字幕式行先表示器を装備したため、その位置の窓は固定式となりました。クハ711形では当初から前照灯を4灯構成とし、正面上部にホイッスルを装備しました。車体前部の雨樋は40系気動車同様、ステンレス製の外付式に変更しました。 本区分では車両間の引通しが「片渡り」とされ、クハ711形は奇数向き(100番台)・偶数向き(200番台)で仕様が異なります。100番台はトイレ・洗面所を設けず、定員は96名(うち座席70名)に増加しました。200番台にトイレ・洗面所を装備し、循環式汚物処理装置も当初から装備します。
クハ711-119・120は2両編成の試作車を常時3両編成で使用するために製作され、クモハ711形の前位に追加組成して使用されました。 モハ711形は電気機器類が781系電車と同様のPCB不使用構造とされ、主変圧器・主整流器をそれぞれTM13D形・RS39B形に変更しました。主制御器は水銀不使用構造のサイリスタを搭載するCS48形です。
711_s108_910819
S108編成 1991/8/19

<改造>

1.試作車の量産化改造

試作車(900番台)について、量産車と仕様を統一するための改造が2度実施されました。 1回目の改造は1968年に行われ、制御機器類の誘導障害対策・量産車との併結対応がなされました。客用扉横の戸閉スイッチは撤去、クモハ711形ではパンタグラフが量産車と同一の下枠交差式PS102B形に換装され、902の床下機器カバーは撤去されました。 2回目の改造は1970年度に行われ、S-901編成では冬季の取扱に難のあった4枚折戸を通常の引戸に変更しました。主回路の各機器も変更され、試作車特有の装備は二段窓を除き量産車とほぼ同一の仕様に改められました。

2. 前照灯増設

降雪時の視界確保のため、前照灯を増設する改造が行われました。 正面上位の種別表示器直上部に砲弾型外装のシールドビーム2灯を増設し4灯化するもので、1973年にクハ711-3・4に試験取付を行い、1977年からクモハ711形・クハ711形に施工されました。1979年に全車への対応を完了しています。

711_s059_020826_3
前照灯増設改造されたS-059編成 2002/8/26 札幌

3.主変圧器などの非PCB化改造

従来より変圧器の絶縁油として使用されてきたポリ塩化ビフェニル (PCB) は1972年に製造が禁止され、本系列の第3次量産車(100番台)や 781系電車では絶縁油にシリコン油を使用した非PCB仕様の主変圧器・主整流器が採用されました。本系列の第2次量産車までに使用されたPCBを使用する機器についても非PCB機器への取替えが検討され、1976年にモハ711-8 - モハ711-51に試験交換を実施しました。 試験結果を踏まえ、第1次・第2次量産車の全車を対象とする交換工事が1977年から開始された。1982年に全車の交換を完了しています。

4.客用扉増設改造

札幌周辺での乗降客の増加に対応するため、客用扉を増設する改造が行われました。クハ711形の車体中央部に同一仕様の片開き式扉を設けるもので、クハ711-1・2を1987年9月に先行改造の後、同年12月から第3次量産車のクハ711形を対象に改造が行われました。721系同様、中央扉にもきちんとしたデッキがあり、客室との間には両開きの仕切り扉が備わりました。 施工車は扉の帯上下に同色の細帯を付して区別しました。 クハ711-1・2・106・111・115 - 117・206・211・215 - 217
モハ711形は重量の関係で台枠強度の確保が困難なため、各番台とも客用扉の増設改造は行われていません。

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3両のうち、モハを除く両端クハが3扉改造されたS-106編成 2002/8/27 札幌

5.室内設備仕様検討用改造(S-112編成)

731系電車開発に伴う仕様検討のため、1995年に苗穂工場で1編成3両が改造された。 S-112編成(クハ711-112+モハ711-112+クハ711-212)全車を対象とし、室内諸設備の仕様変更(デッキの撤去・半自動装置・ドア開閉ボタン設置(後に撤去)・クールファンの設置・モハ711-112のオールロングシート化)が施工され、クハ711形では比較のため座席配置変更(一部ロングシート付き・ロングシート無し、片側ボックス席の1人掛け化)を施工しました。改造は座席等の接客設備が主で、外観上の差異はほとんどありません。 改造後は一般車と共通に使用されましたが、クールファン取付部から室内に水が侵入するなど、改造に起因する不具合が多発したそうです。2006年7月以降は使用されず、同年11月に廃車となりました。

6.冷房装置搭載改造

2001年より分散式冷房装置の搭載工事が苗穂工場で行われました。対象は後期製作の100番台で、客用扉増設未実施11編成33両のうち、S-110・S-114の2編成を除く9編成27両に施工されました。 モハ711-101 - 105・107 - 109・113
クハ711-101 - 105・107 - 109・113・201 - 205・207 - 209・213

711_s101_020827
冷房装置搭載改造がなされたS-101編成 2002/8/27 札幌
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同じくS-102編成 2008/3/23 上野幌

7.パンタグラフ換装

着雪による離線を防ぐためと補給部品を社内で統一する目的で、モハ711形のパンタグラフをシングルアーム式に換装する工事を2004年秋から2005年秋にかけて実施しました。

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シングルアーム式パンタグラフに換装されたS-114編成 2010/6/26 上野幌

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コメント

クハ415-1901さん、こんにちは。
やはり私は711系がいいですね。
現在息子二人が大学生となり、
資金が厳しいので北海道に行く余裕がありませんが、
いつかは一度撮影に行きたいです。
札沼線の電化が完成して今では711系はこちらがメインの活躍舞台のようですね。
国鉄電車新性能電車顔でありながら、
おでこのツインライトや、サイドの小窓など、本州の電車とは一味違う魅力がありますね。

やぶお さま、おはようございます。

コメントのお返事が遅くなりました。仰るように711系は、その後に登場してきた721系や731系に較べると重厚な感じがしますね。なんといっても北海道の真冬の寒さに耐えるだけの出来る限りの工夫を盛り込んだ感がありました。

札沼線が電化されて新しい車輌も登場してきているようですが、出来れば長く活躍して欲しいものですね。

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