1974,1975 北海道へ 6 室蘭本線 D51牽引貨物列車 3 D51 953, D51 1119
北海道でみたギースルエジェクター装備の蒸気、今回はD51 953号機と1119号機です。
D51の形態分類は諸説あるそうですが、ここでは臼井茂信氏の分類に従って記述しようと思います。その分類によると、
1)標準型Aタイプ 所謂、ナメクジスタイルで1~21、24~85、91~100がこのグループに属します。
2)標準型Bタイプ 先日、スーパーナメクジと言った、汽車製造の22,23号機がこのグループです。
3)第1次量産試作形 86~90、101~106 ナメクジが続々と落成しているころ、ナメクジの欠点であった軸重バランスの関係を改良しようとして試作された釜で鉄道省浜松工場と汽車製造から登場した11両がこのグループに属します。
4)第2次量産試作形 107~133 従台車が一体鋳鋼式のLT154B形から鋼板組み立て式のLT157形に変わり、テンダー台車も組み立て式になった27両で、川崎車輌と日立製作所で製造されたものです。
5)第3次量産試作形 199~211 動力逆転機を手動のねじ式に変更したタイプで、かつテンダー台車が第1次量産形までの鋳鋼側枠に戻った13両で、浜松工場と鷹取工場で落成した釜です。
6)量産型 134~198、212~745、748~845、950~954 当然のことながら702両が属する最大のグループで、軍需用として最大量産体制で大量製造されたグループです。950~954の5両は準戦時形が出揃った後に胆振縦貫鉄道から買収したもので、準戦時形のラストナンバーの続番が与えられたそうです。
7)準戦時形 746、747、846~949 次第に悪化する材料事情により、各部に代用品が使用され、ボイラーのドームがカマボコ形になったり、デフレクタ、テンダーの上部、ナンバープレートが木製となったり、メインロッドの大端部のブッシュが角形から円形になったり、前面のボイラー端上部を切り取ったりという変更が行われました。
8)戦時形 1001~1161 ボイラー圧力が14kg/cm2から15kg・cm2にアップして従来のD51とは性能面でも異なったため1000番台に分けられたそうです。代用品の使用は、銅部品に代わる鉛代用、鉛部品に代わる鋼代用、鋼部品にかわる木材代用といったように実施され、ボイラーは肉厚、溶接ともにレベルの低い粗悪品に、メインロッドは小端部も角形ブッシュから円形に変わりました。砂撒き管が3本から2本に、車体大枠の前後にコンクリートの死重搭載、給水温メ器の省略された釜も登場したそうです。テンダーも最低の強度を維持するために炭水槽の底を船底形に折り曲げ、台枠を省略した10-20形とし、直接貨車用のTR41形台車を履かせたとのことです。(データは蒸気機関車 形式D51 伊藤久巳著より引用)(文章は蒸気機関車 形式D51 伊藤久巳著を参考に纏めました。)
それではD51 953号機の履歴です。
汽車製造大阪工場=2234 1941-02-19/1942-07-17 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1941-02-19/1942-07-17 製造→
納入;胆振縦貫鉄道;D5104→1942-02-19 竣工→1944-07-01 買収配置;国鉄;
D5104;伊達紋別→1947-02-22 改番;
D51953;伊達紋別支区→1949-03-29 名寄→1952-01-30 缶をD51359 のものに交換→1952-09-12 旭川→1974-12-29 岩見沢一→1976-03-01
廃車;岩見沢一→保存;北海道豊浦町船見町公園「中央公民館前広場」;D51953
1975/8 登別で撮影していると中線で停車して特急列車などをやり過ごす1294レで953号機はやって来ました。
今だったらデジカメで撮り放題ですが、当時はフィルムの枚数を気にしながらですが、もう後は帰るだけの状態でしたから、いろいろな角度から写真を撮りました。
反対側からも撮影しました。
そして1294レを追い抜いていったキハ82系特急「おおぞら」とのツーショットも撮影しました。
当時、煙突の形態が変わっていることは気がつきましたが、この釜が胆振縦貫鉄道の買収機であったことは今回初めて知りました。ほぼ40年ぶりにBlogに纏めることで知り得た知見です。
続いてD51 1119号機の履歴です。
日本車両名古屋工場=1308 1944-08-26 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1944-08-26 製造→ 納入;国鉄;D511119→ 配属;
東京局→1944-10-20 配置;平→1948-03-20
給水温器取付→1949-08-12(8/13?)新鶴見→1953-12-27 借入;
国府津→1953-12-28 返却→1954-07-12 大宮→1955-02-13 借入;
甲府→1955-06-20 返却→1955-08-12 借入;
宇都宮→1955-08-20 返却→1958-04-17 稲沢一→1959-03-12 借入;
高山→1959-04-01 高山→1959-12-04 長野工場製製番3550 新缶に交換;
浜松工場→1962-01-30 特別塗装→1962-06-26 鷲別→1962-09-29 耐寒工事施工・旋回窓取付→1967-03-29 ギースルエジェクター取付→1967-04-01 発;
追分→1969-02-01 踏段改造→1976-03-01
廃車;追分→
保存;神奈川県厚木市「福祉会館」;D511119(若宮公園説?)
この履歴からも想像されるように戦時形として登場した際には給水温め器は省略されていたようですね。
こちらは写真1枚だけですが、追分で石炭列車5797レを牽引して接近してくる姿を写していました。
(履歴データは沖田祐作氏の著作による機関車表からの引用しました。)
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