1974,1975 北海道へ 6 室蘭本線 D51牽引貨物列車 5
室蘭本線のD51牽引貨物列車、今回は566号機、744号機、767号機の3機を紹介致します。
そもそも室蘭本線、特に苫小牧~岩見沢間は北海道内陸部の産炭地から太平洋岸の港まで石炭を運び出すための路線として当時は非常に重要な路線で、軌道も運炭列車のために重軌条化された複線区間でした。
石炭産業が衰退した現在では、札幌を通らないことや、栗山駅で接続していた夕張鉄道の廃線に伴い、千歳線列車の乗り入れのある苫小牧駅 - 沼ノ端駅間をのぞけば、普通列車が運転されているのみです。3 - 4時間ほど運行がない時間帯があるようで、ほかに本州から道北・道東に直通する貨物列車がわずかに通過するのみです。
非常時に函館本線と千歳線のバイパスとして活用できるよう複線のまま残されていましたが、1990年4月に下り線の栗山駅 - 栗丘駅間にある栗山トンネルの明かり区間の一部が上部の法面と共に崩落したため、そのまま廃止されました。このため、この区間は旧上り線を使った単線運転となっているそうです。踏切などでレールが撤去されていますが、大半は道床・レールともにそのまま残されているそうで、現在使われている新栗山トンネルは、下り線とやや離れた位置に、上り線用の単線トンネルとして1969年に開通したものだそうです。
そんなわけでまず566号機牽引の貨物列車は当時さかんに走っていた運炭列車の返空版で、ロセキ3000による編成です。
1975/8 撮影の9173レですが、まさに専用貨物列車であり、黒い車体に黄色の帯の入った煤汚れたセキ3000形をD51が牽引して行きました。
D51 566号機の履歴は
川崎重工兵庫工場=2419 1940-12-15 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1940-12-15 製造→ 納入;国鉄;D51566→
1941-01-21 配属;札幌局→1941-01-16
配置[札鉄達950];函館→1944-10-11 五稜郭→1958-11-01 運転室特別整備→
1960-11-19 函館→1966-04-01 五稜郭→1967-04-05(4/4)追分→
1968-03-12 岩見沢→1976-03-01
廃車;岩見沢一→
保存;北海道赤平市「赤平公園」;D51566
この釜も新製配置から廃車まで、そして保存もすべて北海道で過ごしているのですね。
続いてはD51 744号機、
こちらは今では単機回送なのか、活性単機なのか不明ですが、機関車単独で走って行きました。
履歴は
日本車両名古屋工場=1186 1943-08-08 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1943-08-08 製造→ 納入;国鉄;D51744→
配属;? →1943-08-16 配置;? →1946-02-00 現在;吹田→1948-11-08
借入;宮原→1948-11-14 返却→1949-11-12 借入;福知山→1949-11-20 返却→1953-11-30 平→1958-04-12 水戸→1962-06-19 デフに検査窓設置;
郡山→1965-06-10 岩見沢→1965-07-28
耐寒工事施工→1966-12-15 踏段改造→196810-01 小樽築港→1974-00-00 岩見沢一→
1975-12-03
廃車;岩見沢一
そして、D51 767号機です。
当時の貨物列車を偲ばせる冷蔵車を中心とした単軸貨車編成の2350レを牽引してまず登別で出会いました。続いて、
追分でもセキやトキを含んだ編成の貨車を牽引する姿を見ました。どちらも絶気状態だったのが残念ですが。
履歴は
川崎重工兵庫工場=2766 1943-02-13 S77.60t1D1T(1067)
車歴;1943-02-13 製造→ 納入;国鉄;D51767→
配属;仙台局→1943-03-01 配置;一ノ関→1943-03-04
使用開始→1956-06-28 借入;金ヶ崎工事区→1956-06-29 返却→1957-06-28 借入;
金ヶ崎工事区→1957-06-29 返却→1957-07-14 借入;
金ヶ崎工事区→1957-07-15 返却→1957-08-27 借入;
金ヶ崎工事区→1957-08-28 返却→1957-09-03 借入;
真柴工事区→1957-09-04 返却→1958-09-01 借入;
折居工事区→1958-09-02 返却→1959-10-17 尻内→1963-08-09
左側旋回窓取付→1964-09-15 前灯予備灯取付→1968-10-06(10/5?)
新津→1969-09-20 酒田→1971-07-05 一休直江津区留置→1972-05-30
返却→1972-08-25(8/22?)追分→1972-10-05
耐寒工事施工・右側旋回窓取付・踏段改造・重油併燃装置取外→1976-03-19 廃車;追分
となっています。
今回はここまでです。(履歴データは沖田祐作氏の著作による機関車表からの引用しました。)
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コメント
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新シリーズであるD51アルバムを拝見しました。
D51といえば非鉄の方にもポピュラーな存在ですが、
当時北海道にいたのは、
標準的なスタイルあり、
ナメクジあり、
ギースルエジェクター装備ありとなかなかバラエティー豊かな布陣だったのですね。
しかしこれだけの番号のD51を撮影されているとは、
クハ415-1901さんのフットワークの軽さと、
広大な北海道の土地ならではですね。
私の渡道は1980年が初回なので、まったく間に合いませんでしたが、
あと5年早く訪問していればなあと思いました。
投稿: やぶお | 2013年4月 3日 (水) 19時10分
やぶおさま、ご自身の掲示板に続き、こちらにもコメントありがとうございます。
わたしも鉄道趣味を始めたのは高校2年のときですから、決して早い方ではないのですが、大学のクラブがたまたま北海道に夏旅行する企画を持っていたのが最後のSLにあうチャンスとなったように思います。
ただ、今から思えば私ももう少し早く鉄道趣味に目覚めていればC62重連とか九州のSLなどにも逢えたのかなと思っています。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2013年4月 3日 (水) 20時28分