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2013年4月25日 (木)

1974,1975 北海道へ 9 カートレイン

今回はクルマを積んで走る列車「カートレイン」の話題です。

1985年頃から1990年代にはカートレインが日本でも運行されておりました。

最初に走り出したのは汐留~東小倉間(後のカートレイン九州)で、その後、東京・名古屋 - 広島・九州間、東京 - 北海道間、北海道相互間で運行されました。しかし、積載するにあたり、いろいろな制約、例えば積載出来るクルマのサイズは全長4,600mm×全幅1,600mm×全高1,900mmまでで、当時大流行した3ナンバー車積載できないとか、5ナンバー車でも一部不可のクルマがあったとかで最初は指定券を取るのが大変なほど人気があったのですが、1990年代中盤を過ぎると乗客が減少し、廃止されてしまいました。欧米では後述のように今でも結構走っているようですが、在来線の線路幅が狭軌であったことが禍したのかも知れません。

Cartrain_910819
白石駅で休むカートレイン編成 1991/8/20

カートレイン北海道 恵比寿駅(後に浜松町駅) - 白石駅間に運行されいました。特急列車扱いで24系客車4両(電源車を含む)とワキ10000形9両で運行されていました。

<ワキ10000形貨車について>

国鉄が高速貨物列車用として最高速度 100 km/h で運用可能な貨車として開発した車両で、1965年から製作されました。 30 t 積の貨車(有蓋車)で、類似の仕様を有するコキ10000系コンテナ車・レサ10000系冷蔵車とともに「10000系高速貨車」と総称されます。

電磁弁を用いた CLE 方式(応荷重装置付電磁自動空気式)ブレーキ装置、空気バネ台車など種々の新技術を実装し、これら新装備を検証する試作車として1965年3月に1両が製作され、試用結果に基づき翌1966年からコキ10000形・レサ10000形とともに量産されました。

1968年までに191両が製作され、主に東海道・山陽 - 九州地区各方面の主要都市間を連絡する高速特急貨物列車にコンテナ車との併結で運用されました。通運業者が扱う混載貨物を主とする小口輸送が本来の用途でしたが、1970年以降は営業体制の変化に対応し客車と共通運用可能な荷物車との兼用車に一部が改造されました。1975年頃からは小口貨物のコンテナ移行や輸送需要自体の減少もあって稼働率は漸次減少し、国鉄末期の1985年には旅客の乗用車を同時に付帯輸送する「カートレイン」用として一部が転用されました。

ワキ50000形への改造車を除いて国鉄時代に貨物列車への用途を喪失し、1987年の国鉄分割民営化では乗用車輸送対応車のみ25両がJR東日本、JR西日本の旅客2社にのみ承継されました。引き続き「カートレイン」に使用され、JR東日本とJR北海道では廃車を復活整備して需要に対応しましたが、列車の廃止で用途を喪失し2007年までに全車が除籍されました。

カートレイン専用車

旅客の移動手段としての自動車を同乗者とともに輸送する「カートレイン」に使用するため、1985年から合計36両が改造されました。改造対象はすべて後期形で、車両番号の変更はありません。改造時期・使用条件により以下のとおり仕様の差異があります。

初期改造車

汐留駅 - 東小倉駅間に設定された「カートレイン」に使用する車両で、1985年に8両が改造され、翌1986年に「カートレイン九州」編成増強用として17両が改造されました。施工は国鉄大宮工場です。
乗用車の積卸を側面から行うため、室内の側柱1組を撤去し、残存の側柱を移設して等間隔の3室構造に改装しました。側柱の減少に伴い、強度確保のため台枠の側梁に補強部材を追加しています。床面には専用パレットの固定金具を、妻面上部には通風孔を設けました。20系客車との併結運用となるため、連結面の配管・ジャンパ栓は客車にあわせ配置を変更しました。 外部塗色は種車の黄緑6号を青15号(濃青色)に変更し、側面には「カートレイン」のシンボルマークが表示されました。 積卸は専用のパレットに乗用車を自走で積載・固定し、パレットごとフォークリフトで荷役を行います。改造した本形式1両に乗用車3台を積載できます。

青函トンネル通過対応車

青函トンネル開通に伴って設定された津軽海峡線経由の「カートレイン北海道」に使用する車両で、1988年に18両が改造されました。所属の内訳はJR東日本が9両(うち廃車復活2両)JR北海道が9両(すべて廃車復活)です。 乗用車積載に対応する基本仕様は初期改造車と同一で、青函トンネル区間の通過規制に対応して、室内天井に煙感知器とスプリンクラーを設けています。

自走荷役対応車

「カートレイン北海道」の廃止後、JR北海道が1997年から運行した「カートレインくしろ」に使用中の車両について、対応車種拡大のため再改造を施した車両です。1998年に苗穂工場で6両が改造されました。 車両寸法の大きい RV を積載可能とするため、積卸方式を自走式に変更しています。編成の端から乗用車を乗り入れ、連結された車両間を走行させて所定の位置に積付けするもので、車運車ク5000形と同一の荷役方式です。 妻面に出入口となるシャッター付の開口部を設け、床面には乗用車走行用の鋼板製車輪ガイド・隣車への通り抜けに用いるアルミ合金製の渡り板を追設しました。車内側面には運転者用の通路も設けています。これら追加改造のため、1両あたりの積載能力は2台に減少しています。

Ed75300_750305

再掲ですが、ED75300番台が牽引するク5000形車運車貨物列車 1975/3/5 小倉

<海外におけるカートレインの現状>

ドイツなどでは今でもカートレイン(Autozug)が盛んに運行されています。

私も2009年4月にベルリンに出張した際にWannsee駅でその到着からクルマが降ろされる風景を目撃しました。

Wannsee駅はベルリンの南西の端、ポツダムのそばにありAutozugのターミナルになっています。https://www.dbautozug.de/autozug/buchung_und_verbindungen/terminals/deutschland/berlin.html 

まずは、かつて日本でも存在した車載車を連結した列車です。

Autozug_090419_savignylplatz

ベルリン中心部に向かう列車にぶら下がって走る自動車積載貨車 2009/4/19 Savignylplatz         Audiらしきクルマが一台乗っていました。

以下は、Wannsee 駅 Autozugターミナルで写した写真です。2009/4/21

列車の到着からクルマが降りてゆく様子を纏めました。

Autozug_090421_wannsee_2
客車7両に車輌積載貨車を連結した列車が到着します。

Autozug_090421_wannsee_3
客車編成にはちゃんと食堂車も組み込まれています。

Autozug_090421_wannsee
列車が到着すると客車と車輌積載車が分離されます。

Autozug_gate_090421_wannsee
車輌積載貨車は日本のク5000のような構造で、クルマもカバーなど掛けずに乗せてあります。貨車は入れ換え機によってゲートのあるホームに据え付けられます。ホーム側にもバッファ-付きの連結器が装備されていました。

Autozug_090421_wannsee_4
貨車の台車のクローズアップ 空気バネ台車にディスクブレーキ装備です。

Autozug_090421_wannsee_6
クルマは自走で貨車から出すために貨車の接続部に渡り板をセットします。

Autozug_090421_wannsee_5

クルマを預けた乗客が貨車を伝わってそれぞれのクルマに向かいます。

Autozug_gate_090421_wannsee56
乗客がそれぞれ各々のクルマを運転して貨車から離れます。

Autozug_gate_090421_wannsee4
2階式のゲートからクルマは出て参ります。

Autozug_gate_090421_wannsee3
地上側の構造は、貨車を据え付けるホームとゲートだけで極めてシンプルな構造でした。

以上、カートレイン、ワキ10000の情報等はWikipediaの記事を参考に纏めました。

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