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2013年4月27日 (土)

1974,1975 北海道へ 7 DF200形 その1

昨年10月25日に開始した当blogも半年が過ぎました。2月末から続けている北海道シリーズも最後に残ったテーマはJR貨物のDF200です。今回はまずその基本番台の写真を紹介したく思います。

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札幌貨物ターミナルを目指して南千歳駅に進入するDF200-2牽引コンテナ貨物列車 2002/8/27

<DF200形ディーゼル機関車について>

幹線における電化区間の割合が低い北海道において、無煙化以降の貨物輸送は電化・非電化区間の別なく本blogでも紹介致しましたDD51形ディーゼル機関車が主力として活躍してきました。しかし、JR移行後の輸送量増大や貨物列車の高速化に対し、DD51形では恒常的に重連での運用を要したことにと、北海道の厳しい気候風土による車両の老朽化も顕在化してきました。このため重連運転の解消と老朽車両の置換えを目的として1992年に開発された電気式ディーゼル機関車がDF200です。

JR貨物の公募により"ECO-POWER RED BEAR"という愛称がつけられ、車体側面にロゴが描かれています。1994年には鉄道友の会からローレル賞(第34回)が授与されています。

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車両限界一杯まで車高を確保しているためか背の高さを感じるスタイルです。 記憶が正しければ隅田川に朝到着する3056レを牽引する3号機 2008/3/21 上野幌

<構造>

車体は前面を傾斜させた20m級の箱型で、重連運転は想定していないため、正面の貫通扉はありません。屋根高さを車両限界いっぱいに高くして機器類の艤装空間を確保しています。側面より見て車体中央部に放熱器・冷却ファンなどの冷却系統、その両隣に動力源となる機関と発電機のセットを搭載し、主変換装置・補助電源装置など電気系統機器は運転台の真後ろに各々配置されました。機器配置は概ね前後対称です。乗務員扉は側面向かって左側のものは車体中央付近に設けられ、右側のものは運転室に設ける点対称の配置です。外部塗色は濃淡グレーと朱色の組み合わせです。

Df2004_080321

パワーがあるせいか、同じ場所でDD51の重連貨物を撮ってますが、接近の速度などはこちらがかなり速かったように感じました。 2008/3/21 上野幌

動力伝達方式はDF50形以来の電気式です。これは増大した出力に対応する大容量液体変速機の研究・開発がDE50形の試作を最後に中止sれてしまったことと、VVVFインバータ制御など、長足の進歩を遂げた電気機器を採用することで駆動系の小型化と保守の軽減が図れるためです。

駆動機関として、V型12気筒ディーゼル機関を2基搭載しました。初期の車両はドイツ・MTU社製の機関(定格出力1,700PS/1,800rpm)が採用されましたが、50番台以降はコマツ製SDA12V170-1形(定格出力 1,800PS/1,800rpm、最大出力 2,071PS/2,100rpm)に変更されています。

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遠路貨物列車を牽引し、終点五稜郭に進入する5号機 2003/9/28

発電機も2基搭載されており、全車が東芝製FDM301形、自己通風冷却回転界磁式ブラシレス同期発電機(定格出力1550kVA/1,800rpm)となっています。

主電動機はかご形三相誘導電動機FMT100形(320kW)を6基搭載しました。1個のインバータで1個の主電動機を制御する1C1M方式の個別制御システムにより、定格の動輪周出力はDD51形の1.5倍となり、平坦線で110km/h以上の均衡速度(800t牽引時)を維持することができます。

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6号機牽引のコンテナ貨物が南千歳に接近 2008/3/23

6軸駆動となったことで、起動時の粘着安定性も向上しました。主電動機の装架方式は国鉄・JRの電気機関車で汎用的に用いられる「吊り掛け式」で、動軸への動力伝達は主電動機回転子軸の小歯車と車軸側の大歯車の係合による1段歯車減速方式です。

ブレーキ装置は電気指令式を採用し、抑速機構として発電ブレーキを併設しました。台車は空気バネを用いた軸梁式台車FDT100形(両端)FDT101形(中間)で、低い位置に設けられた心皿を介して牽引力を伝達します。基礎ブレーキ装置は片押し式踏面ブレーキで、ブレーキシリンダ・ブレーキテコと一体化して台車に装架するユニットブレーキです。

耐寒・耐雪構造としては運転室では気密対策、暖房能力を向上させ前面窓ガラスは熱線入り、温風式デフロスタを装備しました。エンジンは低温環境の起動を考慮し給気予熱のフレームトーチを装備し、冬期長時間停留を考慮し潤滑油、蓄電池を保温するために外部電源による冷却水保温ヒーターを装備しました。台車では砂撒管の目詰り防止のために電動機の排気熱による温風ヒーターを装備しました。ブレーキ装置では車輪踏面と制輪子間に雪が噛込むのを防ぐために耐雪ブレーキ制御を行います。ブレーキ制御装置、除湿装置に保温ヒーターを装備しました。

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五稜郭にて次の仕業に向けて準備する8号機 2003/9/28

試作機 (901)

1992年9月、川崎重工業で落成しました。冬季の耐寒・耐雪を中心に各種試験に供されました。

前照灯は正面窓上に4個設置され、運転台直下には標識灯のみを装備してます。正面デザインは3面構成で、窓の傾斜角や塗り分けパターンも量産車とは異ります。排障器(スカート)は赤色です。

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夕暮れの札幌貨物ターミナルを出発し、新札幌駅に接近する9号機牽引貨物列車
2008/3/22

基本番台(1~12)

1994年9月から1998年3月にかけ、12両が製造されました。

901号機の試用結果を踏まえ製作された量産機です。

前照灯は正面窓上2個+運転台直下2個(標識灯と一体で設置)、正面は2面構成となり、塗り分けの変更とも相まって外観は大きく変化しました。
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短めのコンテナ編成を牽引して北広島を通過する10号機 2008/3/20

落成時、スカートは赤色、側面のJRFロゴは赤紫色でしたが、10号機以降の新製機はスカートは灰色、JRFロゴは白色となりました。近年は工場入場時にスカートの赤色化・JRFロゴの白色化が施工されています。台車に設置される空転防止用の砂箱は、セラジェット方式対応として小型化されました。これは粒径約0.3mmのセラミック細粒と珪砂の混合物を用いるもので、従来の天然砂に比べ使用量と材料費を節減できます。4号機から設置され、既製機も順次換装されました。

本区分まではMTU製エンジンを搭載するが、10号機は、後に50番台で採用されるコマツ製エンジンを先行して搭載しました。

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終着、札幌貨物ターミナルまであと僅か新札幌を通過 11号機牽引のコンテナ貨物 2008/3/21

DF200がデビューしてからの北海道訪問で積極的に貨物列車は狙って撮影しているのですが、まだまだ未撮影機が多い状態でした。そんな中で先日もお伝えしたように56号機が早々と事故廃車になってしまったのは残念でなりません。

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