安中貨物とEF81 その1
本Blogで安中貨物の話題を取り上げるのは昨年11月4日のEF510-500番台全機制覇以来、2度目のこととなります。
今回は「旅行シリーズ」の切れ目でもありますので、これまで撮った安中貨物列車の写真を牽引機ごとに分け、時代を追ってご紹介できればと思います。
<安中貨物とは>
東邦亜鉛の小名浜製錬所(福島県いわき市) - 安中製錬所(群馬県安中市)間において、亜鉛の鉱石、および金属亜鉛の精錬過程で生成する「亜鉛焼鉱」を輸送するために設定されている貨物列車で、当初は鉱石輸送用にトキ25000形(JR貨物所有車)、粒状の「亜鉛焼鉱」輸送用にタキ15600形が用いられて来ました。
鉱石輸送用としてはJR貨物の汎用無蓋車淘汰方針を受けて、代替輸送手段が検討され、コンテナ化・トラック転換などとの比較がなされましたが、荷役や運用方の変更回避・総合的な輸送コストの低廉性を考慮した結果、トキ25000形(JR貨物所有車)の取替用として、1999年3月に日本車輌製造で東邦亜鉛所有のトキ25000形12両 (25000-1 - 25000-12) が製作されました。
焼鉱輸送用はタキ15600形の老朽化に伴い、日本車輌製造にてタキ1200形の2010年に量産先行車1両が落成し、各種試験が行なわれ、2011年3月に量産車19両(2 - 20)がわずかな仕様変更を受けて製造されました。こちらも全車が東邦亜鉛株式会社所有の私有貨車で、日本貨物鉄道(JR貨物)の車籍を有します。開発に際して、最高速度を95km/hにすること(タキ15600形は75km/hです)を主眼にしており、基本的な形状や仕様などはタキ15600形を踏襲しています。
東日本大震災の影響もあり、量産車の落成後数ヶ月は目立った動きがありませんでしたが、2011年6月25日から26日にかけ、全両数となる20両を1本の編成にまとめての試運転が熊谷貨物ターミナル駅 - 川崎貨物駅間で行われました。(営業運転時の組成両数は最大12両の予定)その後、試運転などを兼ねて定期の精錬所間輸送列車にも組み込まれ、10月頃からタキ15600と混結する形で使用が開始されました。
毎日運行される貨物列車で経路は往路(宮下→安中)は田端信号場駅まで常磐線を南下、東北本線(東北貨物線)・高崎線・信越本線を経由します。空車の返送(返空)となる復路(安中→宮下)は大宮操車場から別所信号場を経て武蔵野線を経由、南流山駅から貨物支線を経て北小金駅付近で常磐線に合流し北上します。
当初は水戸線・両毛線経由で運行されましたが、2000年12月のダイヤ改正で上記経路に変更されています。機関車運用はダイヤ改正ごとに変化することが多く、以前は常磐線貨物で北上した機関車がいわき・泉から安中貨物を担当して田端経由で安中を往復し、いわき・泉でバトンタッチする運用行路のこともありましたが、2013年現在は田端から運用が始まり、5781レで安中まで行き、5782レで大宮へ、大宮から5387レとなって泉、いわきへ、再びいわきから5388レで田端までの2日掛かりの行路となっています。使用された機関車はEF81形(2010/12/2まで)、EF510-500番台(2010/12/3から2013/3/16まで)、EH500形(2013/3/16から)となっています。
私も2002年頃から撮影していますので、その写真を紹介します。
EF81 57号機が牽引する安中貨物 2003/8/30 荒川沖~土浦間
今は圏央道(首都圏中央連絡自動車道)とのクロスポイントとなっている牛久~ひたち野うしく間を行くEF8190牽引の安中貨物 2002/3/16
91号機牽引で佐貫~牛久間の有名撮影ポイントを通過する安中貨物 2010/3/23
93号機牽引で我孫子を通過する安中貨物 2008/12/30
98号機牽引で南柏を通過する安中貨物 2011/1/22
桜満開の頃、川口を通過する85号機牽引の安中貨物 2007/4/7
87号機牽引で大宮を通過する安中貨物 2011/1/9
次回は色物EF81牽引による、安中貨物です。
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