1975年 新潟の旅 8 115系 3000番台
115系シリーズ、新造車の最後のグループは3000番台です。
1982年に広島地区で使用されていた153系を置き換える目的で製造されました。これまでの6連から、フリークエントサービスを目指した(ひろしまシティ電車)4連とし、宮島などの観光地も控えていることから2扉クロスシートとし、それまで配備されていた111系とも混結可能としました。その結果、3000番台単独の編成6本と4連化で捻出された111系モハユニットに連結されるクハが15組30両製造されました。
3000番台登場の頃の塗色。手前の4両は3000番台の第一編成。すべて3000番台から組成される4連です。 1985/4/18 広島
一方、こちら側の4連は、当初、111系モハユニットと組むために製造された3000番台クハと湘南色のモハユニットから構成されていました。
主要機器類は2000番台から踏襲されましたが、車体内外は117系電車に近い構造となったため。以下の設計変更が実施されました。
1) 保守省力化を図ったDM106ブラシレス式MG(容量190kVA)をモハ114形に搭載。
2) 短編成化に伴う1ユニット運転における冗長性確保の観点から、パンタグラフはモハ114形に2基搭載とし、制御用電源はモハ115形に搭載するバックアップ用SIVから供給されました。
クハ115形は以下の設計変更が行われました。
1) 先頭形状は在来車と同じですが、ガラス支持方法をHゴムから金属押え式に変更。
2) 運用線区が広島地区であることから新製当初よりスノープロウは未装備。
3) 下関方偶数向き車(3000番台)にトイレを設置したほか、111系との混結時にモハ110形のCPだけでは容量不足となるためC-1000形CPを搭載。
4) 閑散区間・時間帯での車掌業務に配慮し、扉の開閉は編成中どの乗務員室からでも操作を可能としました。
111系と編成を組成するクハ115形は以下の変更も追加。
1) 電動車ユニットが非冷房かつ電源用大型MGが搭載されないため冷房準備車として製造。ただし、老朽化による淘汰に伴う編成変更で冷房車との再組成を考慮し、天井風道を設け一部に凹みを設けて扇風機を設置。運転台後部の押込式通風器も大型に代えて一般型にするなどの変更を実施。1983年から1985年にかけてMM'ユニット本区分追加製造車や冷房改造施工基本番台車へ組替る際に、全車冷房搭載工事を施工。
2) 運転台に111系・本系列の制御回路切替スイッチを搭載し、抑速ブレーキ・客用扉半自動扱いなどに対応。
1983年6月に本系列最終増備車となるMM'ユニット6組x12両 (モハ115・114-3007 - 3012)が追加製造され、本グループの総数は66両となりました。
モハ115-3001 - 3012
モハ114-3001 - 3012
クハ115-3001 - 3021・3101 - 3121
登場から30年経過した現在の3000番台は、下関総合車輌所(広セキ)所属のN編成、O01,O02編成のクハとして全車両健在です。当初から4連で製造された車輌と後で増備されたモハユニット6組による4連はN01~N12編成を組成し、クハのみで製造された車輌は117系の4連化で捻出されたモハ117ユニットを115系化した-3500番台と4連を組成し、N14, N16~N21編成となっています。
今はなくなってしまった「広島快速色」で活躍するN01編成 2002/3/29 倉敷
現在の塗色のN01編成 2012/12/22 新山口
N編成にも黄色化は来ており、N11,N12、N19編成等が既に黄色化されているようです。 2013/3/22 海田市
元117系のモハユニット、3500番台を組み込んだN17編成 2002/3/29 倉敷
117系由来のモハユニットのため、パンタの位置の違い、側面の行き先表示の位置の違い、さらに車体の曲線の違いが分かります。
N19編成の塗色変更される前の姿 2010/8/7 下関
3000番台に関してはやはり以前の塗装の方が似合っているように感じますが。 2013/3/22 海田市
にほんブログ村 最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村に飛ぶことができます。
« 1975年 新潟の旅 8 115系 2000番台 | トップページ | 1975年 新潟の旅 8 115系 改造 500番台 2両編成 »
「電車115系」カテゴリの記事
- 広島~下関間の山陽本線直流区間で活躍した近郊形電車 その2 115系の時代(2023.09.20)
- 2023年 北九州旅行 その46 下関地区で活躍するJR西日本の115系 その3 前後非対称の2連 T編成(2023.09.12)
- 2023年 北九州旅行 その45 下関地区で活躍するJR西日本の115系 その2 117系由来のモハ115/114-3500番台組込編成(2023.09.11)
- 2023年 北九州旅行 その44 下関地区で活躍するJR西日本の115系 その1 オリジナル3000番台で構成される編成(2023.09.07)
- 連休中の臨時列車、連休明けの集約臨に活躍するE257系5000,5500番台 part3 ホリデー快速鎌倉(2022.05.19)
« 1975年 新潟の旅 8 115系 2000番台 | トップページ | 1975年 新潟の旅 8 115系 改造 500番台 2両編成 »
コメント