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2013年5月 7日 (火)

2013/5/5 東京貨物ターミナル 一般公開 後編

東京貨物ターミナル公開イベントの続編です。

Hd300901_130505
HD300という機関車が数年前に登場していたことは知っていましたが、実物を見たのは今回が初めてでした。

<HD300-901について>

2010年に製造されたハイブリッド機関車で、試作機にあたる901号が、2012年鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。
DE10形ディーゼル機関車など、国鉄から承継された機関車の老朽化が進行しており、これらの車両を置き換えるため開発されました。また近年の環境問題に対しての取り組みとして、排出ガスを削減する新しいシステムによる車両の導入が検討され、ハイブリッドシステムを採用した車両の導入が検討され、JR貨物の長期経営計画に基づき、計画が進められています。

ディーゼル発電機を動力源とする電気式ディーゼル機関車と蓄電池(リチウムイオンバッテリー)を動力源とする蓄電池機関車の2つの要素を兼ね備えた、日本初のハイブリッド機関車です。具体的には「シリーズ・ハイブリッド」と呼ばれる、状況に応じて駆動力となるモーターの動力源についてディーゼル発電と蓄電池の両者を切り替える機構を備えています。これにより、ディーゼルエンジンを直接駆動力に用いるDE10形に比べて排出ガスでは30% - 40%、騒音を10デシベルと大幅に削減できるそうです。また、回生ブレーキの搭載により、排出ガスを削減することを目指しています。そのため、形式記号の頭文字にディーゼル機関車を指す「D」や蓄電池機関車を指す「A」ではなく、ハイブリッド (Hybrid) 方式の機関車であることを表す「H」を初採用し、動軸数4であることを表す「D」と組み合わせた「HD」となっています。

Hd300901_130505_3
側面には大きくHybridの表示が。

構造と機能

車体はセミセンターキャブタイプで、前位側から主変換機モジュール、蓄電池モジュール、運転室モジュール、発電モジュールと、車体を4ブロックに分割したモジュール構造とし、保守の簡略化を目指しています。

主電動機には、全密閉構造の永久磁石同期電動機を機関車として初採用し、センサレスベクトル制御(速度検出センサーなしに、予め設定したモーターの特性定数(抵抗値等)や電圧・電流からモーターの回転速度(すべり)を推定し、出力すべき電圧をベクトル演算で決定する制御方式)により駆動されます。 主電動機の仕様・諸元は、相数:3相、極数:6極、定格:連続出力62kW/電流90A、一時間出力80kW/電流117A、電圧440V、回転数550rpm、周波数27.5Hz、最高使用回転数1,244rpm(回送時3,040rpm)、重量1,246kgです。

リチウムイオンバッテリーは、ジーエス・ユアサコーポレーション製のLIM30H型を搭載し、電池構成は3並列、公称電圧750V、エネルギー容量は67kWhです。 寒冷地における経年劣化でも起動できるだけの出力容量を確保し、回生エネルギーを吸収可能な容量としました。またバッテリーは複数のバンクで構成し、異常時はバンク開放して走行継続可能となるような冗長性を持ちます。

エンジン発電機におけるディーゼル発電機は、エンジン出力は騒音や有害排出ガス低減のため、既存の50万台実績のある産業用325HPのエンジンを転用し275HPで使用しています。 エンジンの仕様は、定格出力325HP(242kW)-1,800rpm(エンジンラジエータ10HP含む)、定格回転数は1,600rpm、最高回転数は1,800rpmです。 主発電機の仕様は、軸直結駆動形、自己通風冷却方式の定格出力:170kW(一定)、定格電圧AC(線間)440Vです。

運用等について

2010年3月、試作機HD300-901が東芝府中事業所で落成し、3月25日に公開されました。2011年に入り1月下旬からは札幌貨物ターミナル駅構内で寒冷地試験が行われました。

その後も道内の別地域や東京貨物ターミナル駅、南松本駅等で試験走行を行い、様々な条件下における車両の性能の情報を収集しています。

試作機である901号機は、2011年7月11日から入換機として東京貨物ターミナル駅で運用を開始しました。

2012年1月には量産型1号機となるHD300-1が東芝府中事業所で落成、甲種輸送され、2012年2月8日より、東京貨物ターミナル駅構内で使用開始しました。量産車は警戒色塗装が施されている前面の排障器の幅が試作車より広まり、後部標識灯が前照灯下部にまとめられ、連結器灯にカバーが設けられる等の形状の差異が見られます。

2012年度以降についても、量産車を順次投入して、老朽化したDE10形機関車を置き換えていく予定としていますが、具体的な新製両数や投入駅については未定とのことです。また同車の成績を踏まえ、本線用ハイブリッド式機関車の開発を進めることが長期経営計画に明記されています。

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逆エンド側からの撮影です。
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世界初の貨物電車 Super Rail Cargo (SRC) 登場したのは2002年ですから、もう11年なんですね。 もっと便数が増えるのかと思っていましたが、依然一往復ですね。

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こういったシーンは一般公開でないと見ることが出来ないと思います。

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EF210-146号機、吹田機関区所属機ですが、同じ桃太郎でも関東ではお目にかかれるチャンスが少ない機関車ですね。

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反対側の21番ホームにはEF210-170号機を先頭にコンテナ編成が展示されていました。

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懐かしい国鉄色のコンテナを始め、カラフルなコンテナ搭載のコキが連結されていました。

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新鶴見までは来ているものの、東京ターミナルには乗り入れていないEH500,ミニチュアで会場を走っていました。

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会場の真ん中辺りには水陸両用車の展示が。

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懐かしの国鉄バス塗装のボンネットバスも走っていました。タイプはいすずTSD40改ですか。江戸東京たてもの園の動画に登場する車輌ですね。

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国鉄時代からの貨物輸送の歴史についてお勉強

あとは巨大なフォークリフトの展示や東京湾岸警察署によるパトカーの展示、大井消防署による消防車、はしご車の展示がありました。

天候にも恵まれ大盛況のイベントだったと思います。

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コメント

続けて失礼します。
貨物電車・・・かっこいいですが、
コンテナを降ろしてしまったあとのスタイルはまさに間の抜けた眺めで、
思わず笑ってしまいました。

EF210は正直見飽きていますが、
たから号のHMをつけると俄然引き立ちますね。
黄緑のコンテナもすばらしいです。
たから号のHMが国鉄時代のデザインというだけで反応してしまう私は、
単純だなあとつくづく思います。

驚いたのはボンネットバスです。
これは大いなるサプライズですね。
ボンネット中央のマークが動輪とはすばらしいですね。

やぶおさま、こちらにもありがとうございます。

私もボンネットバスは久しぶりに見た気がします。

昔、十和田湖に親に連れられて行った際に当時の国鉄バスがあの塗装だったのを思い出しました。

今回のイベント、40年目にして初のイベントだったようですが、盛況でしたのでこれからは毎年あるかも知れません。貨物系のイベントでは隅田川の公開もありますが、私はまだ行ったことがありません。秋だと思いますが今度は是非参加したく思います。

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