1975年 新潟の旅 13 その後の183/189系 その2 松本運転所 後編
松本運転所で特急「あずさ」。「かいじ」で活躍した183系1000番台、189系にもその運用のための改造車が多数存在しました。
OM101編成 2008/6/28 新川崎
1)クハ183-1500番台
特急「とき」廃止にともなう房総地区転用に備えて、1982年3月から8月にかけて新津車両管理所(現・新津車両製作所)でクハ183形1000番台に1500番台と同様の機器室設置とATC搭載の改造を施工しました。定員が2名減って54名となり、車両番号を原番号+500の区分としました。1525・1528の2両は、1986年に幕張電車区から松本運転所に転属し、いわゆる「あずさ色」になりました。さらに1998年には長野総合車両所(現・長野総合車両センター)に再転属となり、旧「あさま色」に塗装を変更。またATCを京浜東北線・根岸線対応のATC-6形に換装し特急「はまかいじ」にも投入されました。機器室の隣の座席1脚を撤去して、定員はさらに2名少ない52名となりました。現在、N101編成の両先頭車として在籍していることは6月22日の記事で書いたとおりです。
2)サロ183形1050番台
1978年10月ダイヤ改正で特急「とき」は増発されましたが、新造コストを削減するためにグリーン車は余剰のサロ481形基本番台を編入することになり、新津車両管理所で改造施工されたのが当区分です。主に制御系統のみが変更されたため、485系の特徴であるドアステップも含め外観に変化はありません。
485系からの編入改造車は、485系が183系より床面が高く、客室窓が高い位置に設置されていたことにより、国鉄特急形電車の特徴である窓周りの赤色の塗装(赤2号)が編成を組む183系新製車と合わないなど、アンバランスな形態をしていました。
その後、グリーン車の連結両数削減によって余剰となり、1988年に新潟地区の485系用のグリーン車が不足したことから、2両がサロ481形に復元され、原番に復しました。
あくまで参考写真ですが、189系や183系1000番台に485系由来のサロが組み込まれているのではないかと思われるのがこの写真です。7両目のサロは台枠の高さが違うようです。
1989年、特急「ひたち」のモノクラス化にともなう中間付随車として、サロ183形1050番台のうち前節の改造にもれた2両が、座席を普通車用に交換して、サハ481形300番台に編入されました。
3)クハ182形
短編成化で余剰になった比較的経年の新しいサハ481形100番台に、長野工場でクハ183形1000番台に準じた運転台の取付改造を行いました。偶数向(新宿方)制御車。
後位側ドアには種車のステップが残存します。また1985年改造の0番台は後位出入台側の車販準備室を残しているが、1986年改造の100番台では座席定員確保のため撤去されています。また、側面行先表示器は183系と485系ではシステムが異なるため、種車のものは撤去し、0番台を除いて前位側出入台横に新設しました。
OM103編成に組み込まれたクハ182-102 2005/8/16 篭原
連結された大窓改造車と赤帯幅を揃えられていますが、183系オリジナル車の場合、窓の位置が帯の中心線より下側にあるのに対して、485系から改造車の場合はもともと窓の高さが高いため、窓下の帯の幅が広いことが特徴となっています。
4)クハ183形100番台
1985年と翌1986年にサハ489形およびサハ481形100番台を183系の奇数向(松本方)先頭車に改造して登場した番台区分で、改造施工は103のみが大宮工場、他が長野工場です。
サハ489形からの改造車の後位側は特徴的なドアステップが残存。サハ481形100番台からの改造車は、旅客定員の確保のため改造時に種車の車販準備室を撤去しました。また、行先表示器を前位側ドア横窓上に新設しています。高崎車両センターに2両在籍していたが、幕張車両センターからの転入車に置換えられて2005年に廃車となりました。
5)クハ183形150番台
1986年にサハ489形から改造した番台区分で、運転台ブロックがクハ183形1000番台仕様ではなくクハ481形1000番台仕様であり、全長が21250mmと他車より250mm長いことと前頭部に回り込んだ赤帯のデザインがクハ481形相当である等の特徴がある。改造施工は幡生工場(現・下関総合車両所)。またCPも他の先頭車改造車が1000番台と同じく運転台ブロック内に搭載されているのに対しMGとともに床下搭載、MGも160kVAであるなどの相違点がありました。
151・152の2両のみの存在で、中央東線に投入されグレードアップ改造も施工されたが、E257系への置換えにより2003年に2両とも廃車されました。
6)サロ110形1300番台
余剰となったグリーン車(1000番台)を、1987年から1988年にかけて113系(横須賀線)用に転用改造したものです。
今回、写真を紹介しているOM101~103編成は、松本運転所から新前橋電車区に2002年12月のダイヤ改正後、転属した6連3本が2006年3月に大宮に再転属したクハ182-101,102や幕張区から高崎に転属したものから構成されています。
OM103編成 2011/6/26 大宮
OM103+OM101併結による12両編成の初詣臨時列車 2011/1/15 さいたま新都心
今回登場した編成の構成メンバーです。
クハ183 モハ183-182 モハ183-182 クハ183
OM101 1529 1042 1049 2-101
OM102 1505 1028 1045 1012
OM103 1527 1054 1032 2-102
<追記>OM103編成は2013年夏、大宮から長野に転属し、N104編成となりました。回送は7月30日に行われたそうです。
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