1975年 新潟の旅 20 485系特急「いなほ」 その2
今回は、1982年11月の上越新幹線開業後から今日に至る特急「いなほ」の歴史です。
1982年11月の上越新幹線大宮開業で、上野~青森間の特急「いなほ」は特急「鳥海」と名前を代え、一往復存続しましたが、特急「いなほ」は羽越線・奥羽本線(北線)の特急となりました。
雪の秋田駅に停車中の485系クハ481-300番台ラストの特急「鳥海」 1983/1/2
青森運転所 485系
←上野、新潟
TcM'MM'MTsTdM'MM'MTc×6 所要4
白鳥(1)、鳥海(1)
休
青森450-1825大阪‥向日町
向日町‥大阪955-2351青森
青森756-1834上野‥尾久
尾久‥上野1030-2113青森
TcM'MM'MTsM'MTc×11 所要8
白鳥(1)、いなほ(5)、はつかり(3)
休
青森955-2159福井‥南福井
南福井‥福井548-1803青森
青森453-715盛岡830-1105青森1302-1940新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟720-1124秋田1346-1740新潟1905-2306秋田
秋田829-1230新潟1515-1920秋田
秋田534-939新潟1205-1613秋田1720-2122新潟
新潟905-1550青森
青森740-1015盛岡1130-1405青森1440-1715盛岡1830-2105青森
M'M×9 Td×16
1985年3月14日:東北・上越新幹線上野駅開業に伴うダイヤ改正に伴い、「鳥海」の定期運行を廃止し、上野駅 - 秋田駅間の臨時列車となりました。車両は秋田運転区の485系7両編成に変更されました。「いなほ」1往復酒田駅発着列車の運行が開始。6往復体制となりました。 なお、これ以後「いなほ」の運行区間は羽越本線内が中心となりました。車両は青森運転所の485系6両編成に変更されました。
←盛岡、新潟
TcM'MM'MTc×15 所要12(臨時+1)
いなほ(6)(臨時+1)、はつかり(7)(臨時+0.5)、つばさ(1)、むつ(1)
休
青森1010-1640新潟1815-2212秋田
秋田544-940新潟1113-1518秋田1702-2056新潟
新潟852-1534青森1858-2153秋田
秋田930-1326新潟1527-1928秋田
秋田1452-1840新潟2014-2246酒田
酒田620-840新潟1012-1410秋田
秋田840-1230新潟1327-1724秋田
秋田806-1101青森1453-2057山形
山形715-1320青森1530-1803盛岡1836-2110青森
青森632-900盛岡1031-1305青森-1358弘前1539-青森1630-1903盛岡1931-2207青森
盛岡931-1157青森1330-1600盛岡2035-2306青森
青森829-1102盛岡1431-1702青森1733-2002盛岡
盛岡823-1057青森1133-1403盛岡1731-2005青森
Ts×3 Td×17
この2枚の写真は2012年11月16日の記事で紹介した奥羽本線二ツ井~前山間の藤琴川橋梁付近の君待ち坂からの俯瞰です。1983/8/7に同地を訪問し、坂の中腹から特急「鳥海」を狙ったところ、クハ481-1500番台をラストにした編成の写真を撮ることが出来ました。
1986年11月1日:「いなほ」2往復が酒田駅までの運行となりました。また、季節列車1往復を設定しました。
1988年3月13日:「いなほ」1往復を増発。季節列車を定期列車化し、8往復体制となりました。7月:新潟駅 - 村上駅間の臨時快速列車「胎内」を運行開始。
1991年3月16日:「いなほ」1往復の新潟駅 - 酒田駅間の途中停車駅を村上駅・鶴岡駅のみにした通称「スーパーいなほ」を設定。上越新幹線の速達列車と接続することで所要時間を短縮しました。また、通過となった新発田駅・中条駅・坂町駅への利用客対策として新潟駅 - 村上駅間の快速列車「せなみ」2往復運行開始しました。
←盛岡、新潟
TcM'MM'MThsc×4 所要3(青函対応)
はつかり(5)
青森732-953盛岡1045-1454函館1530-1952盛岡2043-2258青森
青森527-742盛岡819-1245函館1333-1751盛岡1841-2314函館
函館742-1152盛岡1240-1454青森1813…1848蟹田1855…1937青森
TcM'MM'MThsc×8 所要6(臨時+1)
いなほ(7)、はつかり(3)(臨時+1.5)
青森547…625蟹田638…726青森1028-1641新潟1817-2024酒田-2216秋田
秋田652-酒田834-1043新潟1211-1423酒田1528-1732新潟2128-2333酒田
酒田739-948新潟1046-1420秋田1743-2111新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟924-1251秋田1536-1900新潟1927-2134酒田
酒田556-800新潟843-1456青森1639-1855盛岡1940-2156青森
青森603…656蟹田707…759青森837-1054盛岡1147-1401青森1432-1648盛岡1745-2005青森
青森‥盛岡1347-1622青森/青森1120-1353盛岡‥青森1724-1948盛岡‥青森
TcM'zMTc×1
<クロハ481形1000番台>
この改正前の1986年から1993年にかけて、「いなほ」用編成は新潟方にクロハ481形1000番台を連結した編成になりました。クロハ481形1000番台は、土崎工場と青森運転所でクハ481形1000・1500番台から改造されました。
投入編成により、若干違いがあり、
1001 - 1009
「たざわ」用グループでグリーン室定員12名、普通室定員は44名の偶数向き片渡り構造。同形式としては最初に誕生したグループ。最初期落成車はクロハ480形とされたが、僅かな期間でクロハ481形式に改められました。1009は新潟車両センター転属後に定員を「いなほ」用に合わせた変更が施工されました。
1010 - 1021・1028 - 1030
「はつかり」用グループでグリーン室定員16名、普通室定員36名の奇数向き片渡り構造。1011・1018・1028 - 1030は「いなほ」用として新潟車両センターへ転属した際に偶数向き方向転換改造が施工されました。
1022 - 1027
「いなほ」用グループで客室定員は「はつかり」用と同じですが、偶数向き片渡り構造となりました。
編成もクロハを新潟側先頭にした6連となり、往時の貫禄が無くなってしまった485系編成の特急「いなほ」 1991/11/12 青森
1993年3月18日:快速「せなみ」を格上げし、村上駅発着の「いなほ」2往復を運行開始。
1995年12月1日:「いなほ」村上駅発着列車を1往復酒田駅まで延長、1往復廃止し、「いなほ」7往復に減便。
1997年3月22日:秋田新幹線開業により、酒田駅 - 秋田駅間の運行は半分に削減されました。この頃から「いなほ」は新潟駅 - 酒田駅間の列車が中心となり、利用客のターゲットを秋田周辺から山形県庄内地方・新潟県下越地方に絞られました。
この改正で、いなほの担当が青森から上沼垂に移管されました。
←大阪、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×6 所要4 (指定席グレードアップ車)
雷鳥(3)
休
上沼垂‥新潟1516-2147大阪‥宮原
宮原‥大阪812-1441新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟733-1406大阪1712-1959金沢
金沢814-1107大阪1612-2232新潟‥上沼垂
TcM'MTsM'MM'MTc×2 所要1(指定日+1) (グレードアップ車/3000台)
北越(1)(指定日のみ)、はくたか(1)
上沼垂‥新潟1712-2051金沢(指定日のみ)
金沢1035-1320越後湯沢1438-1734金沢
金沢613-955新潟‥上沼垂(指定日のみ)
ThscM'MM'MTc×10 所要8(臨時+3)
いなほ(8)(臨時+3)、北越(1)、みのり(1)
上沼垂‥新潟1820-2033酒田
酒田651-846新潟1029-1239酒田1328-1534新潟1706-1916酒田
酒田547-752新潟855-1513青森
青森1023-1655新潟1931-2122高田‥直江津
直江津‥高田714-909新潟1223-1608秋田1743-2115新潟2144-2353酒田
酒田1123-1333新潟1712-2051金沢
金沢613-955新潟1419-1627酒田1702-1907新潟1952-2209酒田
酒田833-1041新潟2021…2113長岡‥上沼垂
新潟1108-1318酒田1341-1554新潟
新潟1329-1542酒田1607-1832新潟
酒田908-1130新潟1446-1711酒田
TscM'sMsc×1(シルフィード)
M'Mc×2 Ts×2
2001年3月3日:大阪駅 - 青森駅間の特急「白鳥」が廃止。それぞれ「雷鳥」「北越」「いなほ」に系統分離されました。同時に、大阪駅 - 新潟駅間運行の「雷鳥」も廃止されたため、新潟駅 - 青森駅間の「いなほ」が日本の在来線で最長の定期昼行特急列車(458.8km)となりました。
←金沢、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×2 所要1(指定日+1) (3000台)
北越(1)(指定日のみ)、はくたか(1)
上沼垂‥新潟1754-2137金沢(指定日のみ)
金沢1312-1615越後湯沢1641-1939金沢
金沢638-1024新潟‥上沼垂(指定日のみ)
ThscM'MM'MTc×13 所要10(臨時+2) (1000台/3000台)
いなほ(6)(臨時+3)、北越(5)
上沼垂‥新潟2001-2214酒田
酒田546-752新潟902-1238秋田1311-1720新潟1814-2027酒田
新潟907-1130酒田1223-1435新潟1541-1915金沢
金沢1107-1437新潟1754-2137金沢
金沢638-1024新潟1301-1638金沢1900-2238新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟1053-1432金沢1701-2042新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟750-1121金沢1222-1602新潟2023…2117長岡‥上沼垂
上沼垂‥新潟1655-2259青森
青森611-1217新潟1419-1630酒田1826-2059新潟
酒田816-1023新潟1225-1603秋田1627-2001新潟‥上沼垂
新潟1112-1340酒田1608-1844新潟
酒田1121-1342新潟1610-1835酒田
TcM'MTc×2 所要2
いなほ(2)(臨時+1)、みのり(1)
直江津‥高田712-907新潟1335-1433村上/村上1424-1520新潟2147-2353酒田
酒田700-904新潟1042-1248酒田1411-1617新潟1931-2127高田‥直江津
TcM'MM'MTc×1
TcM'Mc×1(NODOKA)
M'M×11 Tc×5 Ts×7
2002年12月1日:「エル特急」指定を廃止し、前面ヘッドマークに配されていたLマークが黒く塗りつぶされました。
2005年12月25日:秋田発新潟行の「いなほ」14号が羽越本線の第2最上川橋梁通過直後に突風に煽られて、脱線転覆事故が発生。
2008年3月15日:ダイヤ改正で「いなほ」新潟発の終発が繰り上げられました。
国鉄色に戻されたT18編成による特急「いなほ」 2010/10/24 青森千刈踏切
この編成の新潟側先頭車はクハ481-1508
2010年12月4日:東北新幹線八戸駅 - 新青森駅間延伸開業に伴うダイヤ改正で秋田駅 - 青森駅間を「つがる」に分離。これによって、日本の在来線定期昼行特急列車において最長距離を走行する列車は「しなの」16号(長野駅→大阪駅間444.1km)になりました。
現行(2013/3/16)の485系運用
←金沢、青森
ThscM'MM'MTc×13 所要10 (1000台/3000台)
いなほ(7)、北越(5)
上沼垂‥新潟2100…2301直江津
直江津615…830新潟1058-1307酒田1552-1806新潟1849-2058酒田
酒田854-1101新潟1229-1610秋田1634-2009新潟2114-2328酒田
酒田542-749新潟826-1204秋田1300-1632新潟1729-1944酒田
酒田644-852新潟1533-1914秋田
秋田910-1257新潟1813-2154金沢
金沢1034-1419新潟1519-1859金沢
金沢638-1018新潟1302-1641金沢1854-2233新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟755-1131金沢1337-1720新潟2003…2057村上2118…2212新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟1012-1353金沢1648-2028新潟‥上沼垂
ThscM'MM'MTc×2 所要臨時2
ムーンライトえちご(臨時1)
新潟2338…510新宿
新宿2310…451新潟
ThscM'MM'MTc×2 所要2
くびき野(3)
2010.12~と同じ
TcM'Mc×1(NODOKA)
TcM'MTc×1(きらきらうえつ)
新潟1014…1251酒田…1331象潟1524…酒田1611…1832新潟
M'M×1
E653系車輌の改造工事の進行状況にもよりますが、この秋、9月28日に予定されているダイヤ改正以降、特急「いなほ」をはじめとするこれまで485系で運用されてきた列車が順次、E653系に置き換えられて行くのでしょう。
485系の編成、配置、運用データは「485系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 一覧」のサイトの情報を参考にさせて戴きました。またテキストはWikipediaの文章を参考にまとめました。
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