都営まるごときっぷの旅 その3 北鹿浜公園のC50 75
見沼代親水公園に続いて、訪れたのは北鹿浜(交通)公園です。
公園の案内図 尾久橋通りから歩いてくるとC50の姿が目に入り、すぐ公園だと気付きました。
西新井大師西駅で下車し、案内の情報によると駅から徒歩23分とのことでした。行き先を間違わないようにと駅周辺で地図を確認しましたが、見た限りの地図には公園の位置が示されていません。駅周辺の地図では圏外だったようです。このあたりは、東西に環状7号線、南北に尾久橋通りが走っているので、その座標軸を頭に入れて、西方向に向かえば間違いないと言うことで歩くことにしました。
(あとで気がついたのですが)公園を紹介するWEBサイト1,2によれば、
・東武伊勢崎線西新井駅東口または日暮里・舎人ライナー西新井大師西駅よりコミュニティバスはるかぜ「鹿浜都市農業公園行」で「北鹿浜小南」下車徒歩2分
・東武伊勢崎線西新井駅西口より東武バス「鹿浜都市農業公園行」で「鹿浜中学校」下車徒歩3分
とのことでした、実際、歩いたら18分ほどで到着しました。
ここを訪れた最大の理由はC50 75号機に逢うためでした。
<国鉄形蒸気機関車C50形について>
C50形は国鉄の前身の鉄道省が製造した旅客列車牽引用のテンダー式蒸気機関車で1929年 - 1933年にかけて、158両 製造されています。
C50形のサイドビュー ランボードの段差や前縁との高低差を曲線で繫いでいるところや蒸気ドームと砂箱ドームが分かれているところに大正から昭和初期の蒸気機関車の形態的特徴が見えるように感じます。
車軸配置2-6-0 (1C) 型(モーガル)で、8620形をベースに、空気ブレーキと給水加熱器を標準装備して近代化を図りましたが、反面8620形で採用された島式心向キ台車(先輪と第1動輪を一体化して、第1動輪に横動を与える方式)は採用されず、エコノミー式となり曲線通過性能はその分低下しました。また、装備が増えた分、重量が増加し、牽引力は若干増しましたが、軸重が大きくなり、8620形ほどの汎用性は失われました。そのため68号機以降の2次形は、動輪軸重バランスの改善のため、動輪全体を200mm後退させる設計変更を行っています。制式のテンダー機関車としては最も小型で、C11形はC50形を基本にさらに小型タンク方式にしたそうです。
三菱造船所、汽車製造、川崎車輛、日本車輌製造、日立製作所の5社で製造され、鉄道省向けだけでなく、樺太庁鉄道向けにも4両(樺太庁鉄道8650形)が製造されており、1943年の南樺太の内地化にともなって鉄道省籍に編入され、C50155 - C50158となっています。
C50 75号機のプレート 昭和四年 1929年、世界大恐慌で有名な年ですね。
製造年次ごとの番号と両数は次のとおりです。
1929年 : C50 1 - 66, 68 - 96(95両)
1930年 : C50 67, 97 - 142(47両)
1931年 : C50 143 - 145(3両)
1932年 : C50 146 - 152(7両)
1933年 : C50 153, 154(2両)
戦前は地方の旅客列車や小単位貨物列車など、軽量な列車の牽引に使用されましたが、牽引力が比較的ある反面、重量があるため取回しは8620形より悪く、テンダーに設置された給水加熱器も不調で、簡略化した先輪の構造からか脱線も多かったため、乗務員には評判が良くなかったそうです。そのため、C58形の増備とともに戦前の時点で第一線を退き、入換用となるものが多かったそうです。
C50形に対する8620形とC58形の主に出力に関するデータを比較してみました。8620形に対してC50形は多少出力アップしたという感じですが、C58の登場で大きく進歩していることが分かります。
以前は足立区中央本町公園にあったそうですが、現在も屋根付きの場所に保管されており、保存状態は外観から見る限りは良いようでした。
1933年6月時点におけるC50形の配置状況は、東京鉄道局28両(田端、大宮、小山、桐生)、名古屋鉄道局37両(静岡、浜松、米原)、大阪鉄道局25両(梅小路、明石、湊町、糸崎)、門司鉄道局35両(小郡、行橋、直方、鳥栖、早岐、浦上、熊本、鹿児島)、仙台鉄道局11両(盛岡、福島)、札幌鉄道局18両(小樽築港、岩見沢、札幌)で、四国を除く全国に散らばっていました。
1941年には、C501 - C505が軍の要請により供出され、海南島に送られることになりましたが、都合により台湾に降ろされ、台湾総督府鉄道で使用されました。太平洋戦争後にこれらを引き継いだ台湾鉄路管理局ではCT230型 (CT231 - CT235) となり、入換用として1960年代末まで使用されました。
本土に残ったC50形は2両が戦災により廃車され、1947年には147両が在籍していました。配置区は、苗穂、長町、小山、桐生、平、新鶴見、大宮、国府津、飯田町、静岡、浜松、稲沢、梅小路、吹田、亀山、姫路、岡山、広島、岩国、小郡、下関、行橋、鹿児島で、かなりの両数が入換用となっていました。
入れ換え用に使われた際には、C56のように切り欠きタイプの方が視認性は良いのかも知れませんがC50の場合、テンダーは通常タイプでした。
営業用としては1968年の両毛線が最後で(ラッシュ時に間合いで旅客運用を持つものを除く)、最終廃車は1974年8月の36号機でした。民間に払下げられたものはなく、また、C12形とともに梅小路蒸気機関車館の保存対象形式からも外されました。(以上、Wikipediaの文章を参考に纏めました)。
こういった経緯もあって、私にとって国鉄の蒸気機関車、8620、9600からC62,D62,E10までのなかでかなり印象の薄い機関車がC50でした。
今回、事前の情報収集で北鹿浜交通公園にC5075が保存してあると知って是非見ておきたいと感じた次第です。
公園にあった説明板
なお、沖田祐作氏の機関車表による履歴データでは
川崎重工兵庫工場=1333 1929-12-07 S49.50t1CT(1067)
車歴;1929-12-07 製造→ 納入;国鉄;C5075→
配属;大阪局→1929-12-07 竣工[大鉄達乙2945]→
配置;大阪局(豊岡初配置か?)→1929-12-25 豊岡→1930-09-26 湊町→
1932-01-30 奈良→1933-01-11 湊町→1938-10-01 竜華→1941-09-20 亀山→1946-12-31 現在;亀山→1967-03-31 現在;亀山→1971-03-08
廃車;亀山→ 保存;東京都足立区「中央本町公園」;C5075
とのことで、大阪から関西地方で主に活躍したようです。
なお、C50形は全国に6両保存されており、
あとの5両は
C50 103 : 福島県南相馬市「野馬追の里歴史民俗資料館」
C50 123 : 栃木県小山市「駅東中央公園」
C50 96 : 静岡県焼津市「小石川公園」
C50 154 : 三重県亀山市「観音山公園」
C50 125 : 山口県柳井市「古開作児童公園」 にあるとのことです。
公園の中にある交通広場入口の建物 交通広場への入場は無料、ミニ列車の乗車には切符の購入が必要で、この建物内部には鉄道模型のレイアウトなどもあったようです。
交通広場を周回するミニ列車、牽引機はミニDE10でした。
北鹿浜交通公園はC50形が展示してある公園部分と交通広場があり、交通広場内には消防車の展示や、ミニ列車の周回軌道もありました。子供たちが交通ルールを学べるような施設となっていました。
なお、交通公園に関してはここに限らず多くの交通公園を訪問されて紹介されているサイトを偶然見つけました。
さらに消防車の展示もありました。
といったわけで、日暮里・舎人ライナーに乗って足立区の二カ所の公園を楽しみました。次回は、熊野前で都電に乗り換え、久しぶりの都電荒川線の旅です。なお、明日から数日間旅に出ますので、updateはしばらく休みます。
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