保存中の都電6000形 2 飛鳥山公園 6080号
都電、6000形保存車のシリーズ、今回は飛鳥山公園に保存されている6080号です。
飛鳥山公園に保存されている6080号車 2013/8/3
飛鳥山公園は北区立の公園で徳川八代将軍吉宗治世の享保期に、「享保の改革」の一環として行楽地として整備され、1873年には上野公園などと共に日本最初の公園に指定されました。園内に残る渋沢栄一の旧邸は国の重要文化財に指定されています。
同公園には都電6080号とD51853号機が保存されています。D51853については後日、別の機会に触れます。
6080号車の説明板 2013/8/3
現在も残る都電荒川線の王子周辺の区間は王子電気軌道に由来するものです。王子電気軌道は、電気事業(電灯電力事業)、軌道事業(路面電車)、路線バス事業の3つの事業を経営していた会社です。
鉄道(路面電車)関連の歴史をピックアップすると、
1911年8月20日 - 飛鳥山上(現飛鳥山) - 大塚で軌道事業開業。巣鴨車庫竣工。
1913年4月1日 - 三ノ輪(現三ノ輪橋) - 飛鳥山下(現梶原)開業。
1913年10月31日 - 飛鳥山下 - 栄町開業、新たに軌道車両を12両を導入。
1915年4月17日 - 王子 - 飛鳥山開業。
1922年1月 - 東京市電より軌道車輌10両購入。
1923年9月1日 - 関東大震災により山谷変電所と送電線の一部、軌道側柱、電車待合所が被災。3日後電車線は復旧した。
1925年11月12日 - 大塚駅前 - 鬼子母神前開業。
1925年11月12日 - 栄町 - 王子開業、三ノ輪 - 王子と王子 - 大塚駅前が直通開始。
1926年3月28日 - 王子柳田 - 神谷橋開業。
1927年12月15日 - 神谷橋 - 赤羽開業。
1928年12月25日 - 鬼子母神前 - 面影橋開業、王子 - 大塚駅前と大塚駅前 - 面影橋が直通開始。
1930年3月30日 - 面影橋 - (仮)早稲田開業。
1932年1月17日 - (仮)早稲田 - 早稲田開業。
1932年12月1日 - 王子駅前 - 王子柳田開業。
1942年2月1日 - 電力統制と交通統制により東京市に事業譲渡。王子電気軌道株式会社は清算。軌道事業は東京市電となる。
1943年7月1日 - 都制施行により東京都電車(都電)となる。
1972年11月12日 - 王子駅前 - 赤羽廃止。
1974年10月1日 - 都電荒川線へ呼称変更。
但し、赤羽は現在のJR東日本赤羽駅に隣接しておらず、北本通り上の東京メトロ南北線の赤羽岩淵駅の位置に相当する別個の駅でした。
上記のような歴史によって軌道事業として、東京北部の三ノ輪橋から王子駅前を経て早稲田および王子駅前駅から赤羽駅までの間を結ぶ路線を運行していました。1942年東京都(当時は東京市)に買収されその後の都電になりました。
1972年に廃止された区間
王子駅前 - 王子柳田(王子二丁目) - 榎町(王子三丁目) - 尾長橋(王子四丁目) - 西町(王子五丁目) - 神谷橋(神谷町) - 宮堀(神谷三丁目) - 北町 - 下村(志茂一丁目) - 七留(志茂二丁目) - 岩淵本宿(岩淵一丁目) - 赤羽
6080号は車内も公開されておりますが、極めてシンプルな車内です。
6080号の台車 D-10台車ですね。 2013/8/3
6080号 サイドビュー 初期型の側窓10枚タイプです。
残念ながら前照灯に関しては硝子、電球ともありませんでした。
飛鳥山公園と言えばもうひとつ忘れてはいけない乗り物があります。ちょうど都電荒川線の66‰の坂と並んで登るアスカルゴです。愛称は公募により施設名があすかパークレール、車両名はアスカルゴに決まったそうで、飛鳥山公園入口駅から飛鳥山山頂駅までの間に2億6千万円かけて設置された昇降設備で、2009年7月17日から運行しています。
にほんブログ村 最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村に飛ぶことができます。
« 2013 夏 新潟の旅 7 越後線 | トップページ | 西ベルリンの思い出 Tegel空港のB707-458 D-ABOC »
「路面電車」カテゴリの記事
- 2024年春の名古屋周辺旅行 養老鉄道編 大垣から揖斐へ(2025.02.12)
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 3日目 嵐電から始まり、阪急PRiVACE、JR、阪急2300系で締めくくり(2024.09.05)
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫(2024.09.04)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part5 モボ2001形(2024.08.14)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part4 モボ631形(2024.08.13)
« 2013 夏 新潟の旅 7 越後線 | トップページ | 西ベルリンの思い出 Tegel空港のB707-458 D-ABOC »
コメント