保存中の都電6000形 3 あらかわ遊園の6152号
都電シリーズ、今回はあらかわ遊園に保存されている6152号です。
6152号の塗色は1950年代の緑を基調にした塗色 私はこの色の都電は見たことはありませんでした。32系統は荒川車庫前~早稲田ですね。 2013/8/17 あらかわ遊園
あらかわ遊園は東京23区内唯一の公営遊園地で、1922年開園だそうです。失火で操業停止した旧煉瓦工場跡地に工場経営者が開園したとのことです。1932年に経営難で王子電軌軌道に株式会社に売却されますが、1942年には陸軍の高射砲陣地となり、事実上閉園状態になり、1950年荒川区立の遊園地として再開し、1991年大改装して現在の状態になったそうです。
反対側は27系統(三ノ輪橋~赤羽)
荒川線のワンマン化に伴い、6000形は大半が廃車となりましたが、唯一6152のみが応急車として残されました。この際、台車が初期型のD-10から廃車になった車両のD-16に振り返られたとされます。当初は車内には工具などが置かれており、営業運転は行っていませんでしたが、1986年にステップを改造、保安ブレーキと放送装置を新設して再度営業車として復帰しました。
車両だけでなく停留場(安全地帯)、線路、敷石なども当時の雰囲気を再現しています。台車は確かにD-10ではなくD-16のようです。
その後、1988年には車体更新が行われました。この時の更新では、新たに補助電源装置である電動発電機(MG)を取り付け、室内灯を直管蛍光灯に変更。またドアエンジンを撤去し、車体塗装を1950年代当時の深緑とクリーム色に似せた「金太郎塗り」に塗り変えた上でイベント車両として運用されました。
1993年3月6日に臨時検査が行われることとなり、一時運転が休止されました。その頃の同車は所々で塗装が欠落し、黄色い下地が散見していました。同月20日、検査を終えた同車は再び営業運転に復帰しました。この時に車体の修理・再塗装が行われ、塗色を従来の濃緑から黄緑に近い淡い緑に変更、室内灯も直管蛍光灯からカバー付きの輪形蛍光灯に変えられました。
1994年頃から、車体側面の車体番号の前に東京都のシンボルマークである銀杏マークが入れられました。同年3月には電車無線が取り付けられ、扉脇に「93」という識別番号が記入(由来は「一球さん」の「きゅうさん」)されるなど、時代の流れに合わせて少しずつその状態を変えてゆきました。
前照灯が1ヶ所であることから「一球さん」と呼ばれ、長く親しまれて運用されていましたが、京福電気鉄道(現・えちぜん鉄道)の衝突事故後、ブレーキ系統が1系統しかないことが問題となりました。また、改修する場合、その費用に3,000万円を要するとの試算が発表されました。しかし、財政難の東京都にはその費用を負担できないため、2000年12月に休車となり、翌2001年12月に廃車となりました。
廃車後、保存を求める声が多数寄せられたため、解体処分は行われませんでした。しかし、同車を荒川車庫構内で静態保存する場合、改修費を含めて5,000万円を要するということが明らかになり、荒川車庫内での保存を断念し、その後、譲渡先をインターネットで公募し、複数の候補の中から選ばれたあらかわ遊園に静態保存されました。
遊園地というよりは普通の区営の公園といったあらかわ遊園
その後荒廃が進んだため、2007年に大規模な整備が行われました。その際、車両番号の書体が若干異なるものに変わっています。
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