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2013年9月18日 (水)

2013 夏 新潟の旅 13 EF510 基本番台 1号機

2013年夏の新潟の旅、最後に日本海縦貫線のヌシの座をEF81から奪取したEF510について触れようと思います。

EF510形電気機関車は、JR貨物が2002年から製作している交流・直流両用電気機関車であり、EF81形の取替えを目的に開発されました。JR移行直後から後継機の開発が開始され、同区間用として1990年EF500形が試作されました。EF200形の交直両用版といえる定格出力 6,000 kW の同形式は輸送量に比べ過大な出力や技術上の問題などで量産に至らず、輸送量に適合した性能を有する新型機関車の開発が以後の課題とされました。

東海道・山陽本線を主とする直流電化区間用としては、運用コストを適正化した形式として同時期にEF210形が製作されました。同形式の設計を基にして交直両用機の開発が進められ、2002年2月に三菱電機・川崎重工業で先行量産車の1号機が完成しました。

本形式は2003年から量産が開始され、老朽化の進むEF81形を徐々に淘汰しつつあります。愛称は公募によって「ECO-POWER レッドサンダー」とされました。

<構造>

車体は高運転台式非貫通の前面形状を有し、正面窓上に短い庇を設けた意匠はEF500形に類似します。前照灯は運転台下部のほか、上部中央の屋根上にも設けました。外部塗色は、車体上部が朱赤色、車体裾部が灰色、塗り分けの境界部と前照灯の位置に白色の帯を配しました。

機械室内の機器配置はZ形通路形式とし、車体中央で通路配置が逆転する。これは機器室内の通路幅を確保し、整備性の向上に配慮したもので、このため側面の窓配置は向かって左側に採光窓が並び、向かって右側に通風孔を設ける配置となりました。

室内に設置する補助電源装置の冷却方式は夏季と冬季で異なり、夏季は外気を直接取り入れ換気を促し、冬季は内部で空気を循環させ、機器室を密閉する。これは冬季に雪の侵入を防止するための機構です。

屋根上の特別高圧機器類は寒冷な気候条件と塩害への対策として、パンタグラフと保護接地スイッチのみを屋根上に設置し、従来機では屋根上に設けていた断路器や遮断器などは室内に配置しました。パンタグラフは上昇動作時の鉤外し機構を空気式としたシングルアーム式の FPS5 形で、関節部を車体中心に向けて搭載しました。

制御装置は、EH500形から採用された高速トルク制御機能を有する三菱電機製のVVVFインバータシステムで、制御素子はIGBTを用いる。主電動機はEF210形と同一のかご形三相誘導電動機 FMT4 形を6基装備し、1台のインバータで1台の主電動機を個別に制御する 1C1M 方式です。定格出力はEF210形と同等の 3,390 kW(1時間)・3,540 kW(30分)で、12 ‰ の勾配上で 1,300 t の列車を1両で牽引することが可能です。

台車はEF210形と同様の軸梁式ボルスタレス台車 FD7N 形(両端)・FD8A 形(中間)で、ブレーキ装置は単機ブレーキが発電制動併用の電気指令式ブレーキ、編成ブレーキが電磁自動空気ブレーキです。基礎ブレーキ装置は耐雪ブレーキ機能を装備し、車輪と制輪子の間に雪を侵入させない構造としています。

運転室は気密性を高め、空調装置を配置しました。運転席周囲の機器配置は既存の新型機とほぼ共通の構成とされ、運転中の各種情報や、点検時の自己診断結果などを集中して表示するモニタ装置を設けました。

先行量産機(1号機)

2002年2月に製作されました。既に実用段階にあった直流電気機関車EF210形の基本設計を踏襲したことから試作機とはされず、量産を前提とした仕様の「先行量産機」とされています。新鶴見機関区に配置され、各種試験に供されました。

側面通風孔の配置が異なる他、車体裾の白線は幅が広い。車体側面にはJRFのロゴマークのみが描かれています。

沖田祐作氏の機関車表によるEF510の基本データです。

製 造 所  車 体= 川崎重工
       電装品= 三菱電機
製 造 年  2001 年12 月
軸   配  BBB
重   量  100.8t
定格出力時  3390Kw
電動機形式  FMT4=565Kw×6=3390Kw
歯 車 比  16:82=1:5.125
制御 方式  PWM 電圧型インバーター制御 FMPU16 1C1M×6
台車 形式  FD7N(FD1= 両端)  FD8A(FD2= 中間)
車 輪 径  1120㎜

量産機(2号機 - )

2003年から製作されました。先行量産機の運用成果を基に、各部に改良が見られます。

側面右側の通風孔は配置が横一列に揃えられ、車体裾の白線は幅が狭くなりました。車体側面にはJRFのロゴマークのほか、"RED THUNDER"のロゴマークが描かれています。

現在、EF510基本番台は23号機まで製造されています。最新の23号機は2013年7月末の出場ですが、すでに活躍を開始しています。またJR東日本が2009年に製造した500番台(501~515)2013年3月のダイヤ改正で田端運転所の貨物輸送受託が終了したため、余剰が発生し、501 - 508・511号機は運用から外されて保留車となりました。これらの車両は2013年7月26日からJR貨物高崎機関区に配給輸送され、その後JR貨物東新潟機関区、JR貨物富山機関区へと順次輸送されています。近いうちに基本番台とともに日本海縦貫線での活躍が始まるでしょう。

私自身はこれまでに関西出張などの機会にEF510形を撮影して来ましたが,この機会に1号機から(現時点では22号機までですが)1機ずつ撮影年代別にご紹介しようと思います。

まずは1号機、先行量産機からです。

EF510-1    川崎重工兵庫工場=/= 三菱電機     2001-12-12 E100.8tBBB(1067)
車歴;2001-12-12 製造→2001-12-19 性能試験開始→
納入;JR 貨物;EF510-1→2002-02-15 竣工→
配置;新鶴見→2002-05-13 借入;福島→2002-06-28 頃借入;
仙台→2002-06-03 借入;富山→2002-06-15 発借入;
青森→ 返却? →2002-10-07 富山機関区→2008-04-01 現在;富山機関区

これまでの履歴データ(機関車表から)

甲種回送は2002/2/15だそうです。

本格稼働の前に関係する機関区を回り、研修等が行われたようです。

Ef5101_050324
前川を通過する1号機牽引下り貨物列車 2005/3/24

撮影時刻15:13から判断して3097レだと思います。当時のEF510の仕業はA51からA57で運用区間は吹田操車場から新潟タまででした。

Ef5101_060619
山科駅を通過する1号機牽引の3095列車 2006/6/19
この3095列車はEF510の牽引する列車としてもっとも写しやすい時間帯の列車ではないでしょうか。

Ef5101_070308_3
大阪ターミナル発の3095レが吹田操車場でスイッチバックするのを千里丘駅で撮影 2007/3/8

Ef5101_080225
上のカットと同じですが3095レ山科駅を通過 2008/2/25

Ef5101_100708
梅田行き貨物列車を牽引して東淀川駅を通過 2010/7/8

EF510が梅田まで貨物を牽引するようになったのは2007年度のA52仕業による3057~4097列車ですが,撮影可能時間帯では2010年度のA56仕業による4092列車が初めてでした。

Ef5101_120913
3095レ 京都駅を通過 2012/9/13

今回の記事ではWikipediaの該当記事を参考に致しました。

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