西武鉄道 赤電の時代 451系 その3 6連の登場
西武の赤電を懐かしむシリーズ、今回も451系のさらなる発展です。
池袋線練馬駅を通過する451系6連+2連の準急
1970年代に入ると沿線の宅地開発も進み、混雑に対応するために長大編成での運行が常態化してきました。西武電車の歴史ではよく見られることですが、4両編成2本のうち、片方の中間車を抜き取って、6連化する編成替えが行われました。これで登場するのが前回の記事で写真をご紹介した451系6連です。6連化にあたって、2M4Tでは出力不足なので、中間サハの奇数側を電装化して、490番台として、挿入される編成の末尾の数字と合わせる改番を行っています。
一方、クモハ482(登場時はクモハ488)は新宿線南大塚駅付近で発生した踏切事故で被災し、現場で解体処分となり、1969年3月に除籍されており、この編成の残り3両は今回の編成替えまで休車状態でした。
今回の編成替えで、中間サハを抜かれた7両のクモハ(455, 456, 471, 472, 481, 483, 484)のうち、472, 483, 455は電装解除され、クハ1472, 1485, 1471となりそれぞれ、471, 456, 472(456改番)とペアを組むことになりました。481(455に改番)のみは廃車予定であったクハ1411形の1434とペアを組みました。
以上の過程を図3に纏めました。
701系4連に併結されたクモハ451形+クハ1471形2連
クモハのベンチレーターがガーランド型であり、クハのベンチレーターがグローブ型であることから、クハは1962年12月から1963年2月にかけて製造された1487か、1489と思われます。
801系4連と併結した拝島・多摩湖行き6両編成 こちらはクハもガーランド型のベンチレーターであることから、モハ451として製造され、後に電装解除されたクハ1471+クモハ472(元456)であると思われます。なお、残念ながら写真はありませんが、クモハ451形でグローブ型ベンチレーターを装備していたのはクハ1451形として製造され、電装化されたクモハ456(元484)のみでした。
最終的に
クモハ451形は451~480
モハ491形は493~499(奇数のみ)
クハ1471形は1471, 1472, 1485, 1487-1490
サハ1471形は1473,~1480
サハ1491形1493~1499(奇数のみ)に落ち着くことになりますが、実に複雑な改番の経緯を辿っています。
なお、6連の451系に関しては後年491+1491ユニットを偶数寄りに集約する編成替えが行われ、クモハ451-サハ1471-サハ1471-モハ491-サハ1491-クモハ451といった形態になりました。
451形の尾灯、登場時は501形のような引っ掛け式でしたが、急カーブを曲がる際に接触による破損が発生したため、比較的早期に全車埋込式に改造されたそうです。私の記憶では全て埋込式でした。
1960年代半ば頃より、「赤電」塗装化・ATSの整備および列車無線の搭載・連結器部分への電気連結器の新設・パンタグラフの工進精工所製KP-62系への換装・車内送風機の扇風機化などが全車を対象に順次施工されています。また、前面運転台窓ワイパーの自動化(空気圧動作化)も施工され、施工された車両は前面窓下ワイパー取り付け部分がガラス側へ凸形に出っ張っていることが後に登場するクモハ411形に対するクモハ451形の形態的特徴となりました(クモハ475のみ例外)。
MG換装による低圧電源の交流化も施工されました。これは101系ならびに701系・801系の冷房改造によって発生した低出力MG(日立製作所製HG-534-Mrb、出力12kVA)ならびに天井板・交流蛍光灯・扇風機を転用して1973年より実施されたものでしたが、施工対象は本系列のみで編成された車両ならびにクハ1651形と編成された車両に限定され、クハ1411形と編成されていた車両については対象外でした。また、流用したHG-534-Mrbは4両分の給電能力を有していたことから、6両編成ではサハ1471形偶数車とサハ1491形にのみMGを搭載し、サハ1471形奇数車はMGを撤去しました。また、低圧電源の交流化と並行して先頭車前面窓内側に行先表示幕を新設する工事がこちらは全車を対象に実施されました。
なお、晩年には前照灯のシールドビーム2灯化も施工されていますが、同工事は本系列の淘汰時期と重なっていたことから、原形の白熱灯1灯仕様のまま廃車となった車両も多く存在したそうです。
池袋線・新宿線両系統の本線・支線運用問わず幅広く運用されましたが、2000系や新101系・301系といった新性能車の相次ぐ増備に伴って、1979年より廃車が開始されました。廃車はクハ1411形と編成され、低圧電源が直流のままであった車両から優先的に進められ、次いで支線区で運用するには不適当な6両固定編成の順に淘汰が進められました。
最晩年には2両固定編成が多摩川線に数編成残存するのみとなりましたが、こちらも本線系で余剰となった551系・571系によって玉突きの形で代替され、最後まで残存したクモハ461-クハ1662が1984年8月に除籍されたことをもって、形式消滅となりました。
以上、文章の作成にあたってはWikipediaの記述を参考に纏めました。
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コメント
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B767さん、おはようございます(^^)お邪魔致します。451系の2両+6両の池袋線の準急ですね。吊り掛け駆動だから、走っている時のパワーが…凄そう〜〜‼︎そういや、ワタシは…451系の2両で、ベンチレーターが2両ともグローブ型っつぅのを覚えていますね。のちに一畑に譲渡されましたが。お子ちゃま時代に新宿線で見かけましたよ。
投稿: マスダっち1971 | 2014年3月16日 (日) 10時30分
マスダっち1971 さん、こんにちは。
この451形の改番のストーリーというのは、
本当に複雑で自分でも記事にしてからしばらく経つと何が何だかよく分からなくなりますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2014年3月16日 (日) 16時24分
こんにちは。
お写真、記事、楽しませて頂きました。
西武鉄道は、身近にありながら今まであまり関心をもって見てきませんでしたので、過去の車両も新鮮に映りました。
西武も独特なデザインの志向を持っているように感じます。直近の新車こそ、メーカーの標準化された車体を活用していますが、それでも前面のデザインなどは、独特さを感じます。
吊り掛け車が走っていた時代、沿線が大きく変わっていった時代なのでしょうね。大手私鉄は、車両不足に陥っていた側面もあったと思います。
飾り気のない質素なデザインですが、吊り掛け駆動の音を聞きながら、窓を開けて車窓を眺めれば、いい鉄道の旅を楽しめそうです。お写真の列車に乗ってみたかった、と改めて感じます。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
投稿: 風旅記 | 2016年6月 1日 (水) 13時42分
風旅記さま、おはようございます。
西武のクモハ451形、それまで国鉄のおさがりばかりだった西武の車両に両開きドアを持ち込んだ新星でしたね。
その歴史はクハ1411と組んでの登場、4連での登場、複雑な編成替え、事故、改番とかなり複雑な歴史をたどっていますね。
あの時代の西武を語るうえで極めて重要な車両ですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2016年6月 2日 (木) 04時18分
451系の詳細な資料、ありがたく拝見しました。
記事のなかで1487か1489と推察されている箇所ですが、準急札が大きい1980/3以降で1487は前灯がシールドビーム、1489は前灯が原形でしたので、1489と推察します。
454+1489は1980/12/20に多摩湖線で録音した思い出があり、とても懐かしく記事を拝読しました。貴重な資料、ありがとうございました。
投稿: 制限55 | 2023年10月11日 (水) 01時44分
制限55さま、おはようございます。
当方の記事がお役に立てて、何よりです。
自分が書いた記事でも読み返してみるとこんなこともあったのか、と思う次第で、クハ1471形のライトの形態から番号を推測される当たり、よく研究されていると感服致しました。
今後とも宜しくお願いいたします。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2023年10月11日 (水) 04時06分