485系 特急「雷鳥」 和風車「だんらん」連結の頃
北陸本線の花形特急「雷鳥」に関しては
2013年1月21日の記事で485系特急、
1月22日の記事で489系特急、
1月28日の記事で583系特急としての歴史について触れました。
今回は1985年3月14日の改正で短編成化、食堂車の連結廃止、和風車輌「だんらん」が登場してからの歴史について見て行こうと思います。
概観すると国鉄末期時代は485系の短編成化と改造の時期であり、さらに大ムコ一本化から、大ムコ(JR西日本)、新カヌ(JR東日本)の2配置区体制となります。2001年3月に東日本の担当分は廃止となります。一方、西日本の方は、「和風車だんらん」連結の時代から「スーパー雷鳥」の登場となり、金サワが再び担当区となり、2001年3月に「スーパー雷鳥」は廃止されます。
今回は、激動の改造時代と「和風車だんらん」組み込み時代、さらに東日本の「雷鳥」について触れます。
1985年4月21日、大阪駅で出発を待つクハ481基本番台を先頭にした「雷鳥」
この先頭車はクハ481-27で、約1年前に上野駅で臨時「ひばり」として撮影していたクハでした(関連記事)。以前、「ひたち」の話題でも触れましたが、同じ時期、勝田区には1975年3月の改正で大ムコから鹿カコに移動した、クハ481赤スカート車が集結しており、この元仙セン車の「雷鳥」と言い485系のそれまでの固定観念が崩れだした時期でした。
1984年2月1日以降、特急「雷鳥」は大ムコが13往復(臨時1本を含む)、金サワが3往復(臨時1本を含む)を担当していました。食堂車が連結されていた最後の改正です。その後、2001年3月からは再び京都総合運転所(1996年3月16日に向日町運転所と向日町操車場が統合されました。2012年6月、吹田総合車輌所に)に一本化され、2011年3月の改正で「サンダーバード」に統合されて廃止となっています。
大ムコ
←大阪
TcM'MTsTsTdM'MTM'MTc×16 所要12(臨時+1)
雷鳥(13)(臨時+1)、北越(1)
休
向日町‥大阪705-1106富山1220-1625大阪1805-2207富山
富山1020-1425大阪1605-2006富山
富山648-1055大阪1305-1706富山1820-2225大阪‥宮原
宮原‥大阪905-1314富山1450-1855大阪‥向日町
向日町‥大阪1005-1321金沢1341-1752新潟1853-2303金沢‥南福井
南福井‥金沢807-1125大阪1325-1638金沢1737-2055大阪‥向日町
向日町‥大阪1135-1854新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟1000-1725大阪‥向日町
向日町‥大阪805-1206富山1250-1655大阪1905-2308富山
富山920-1325大阪1505-1908富山
富山527-925大阪1105-1506富山1620-2025大阪‥向日町
向日町‥大阪1035-1357金沢1437-1755大阪‥向日町
大阪832-1243富山1550-1956大阪
金サワ
←大阪、金沢
TcM'MM'MTsTdM'MM'MTc×10 所要7(臨時+2) 489系
白山(3)(臨時+1)、北越(2)、雷鳥(1)(臨時+1)
休
金沢734-1434上野1600-2254金沢
金沢1028-1734上野‥尾久
尾久‥上野900-1549金沢1647-2057新潟
新潟855-1314金沢1533-2234上野‥尾久
尾久‥上野1400-2044金沢
金沢535-952新潟1400-2125大阪‥宮原
宮原‥大阪735-1454新潟1748-2204金沢
金沢855-1634上野/上野1034-1745金沢
富山944-金沢1030-1355大阪1641-2011金沢-2100富山
TcM'MTsTsTdM'MTM'MTc×10 所要8(臨時+2)
雷鳥(2)、しらさぎ(7)(臨時+2)
T×3 Ts×3 Td×2
この後、1985年3月の改正までの間、
大ムコにおいては
1)サハの交換 サハ481-3,4,5,11が門ミフに転出し、替わりに115,116,117,118が転入、これは食堂車廃止による編成短縮でMG,CP供給車として集められました。サハ481-100番台はこの後、運転台取り付け改造を経て、183系、189系として巣立って行きます。一方、九州に移動したサハ481は改造されることなく生き延びて2000年3月末に消滅しています。
2)仙センよりボンネットタイプクハ-27, 28, 29, 30, 102, 103, 104が転入、300番台クハ338, 340も転入
3)盛アオより、モハ485-1501~1508のユニットが転入
4)サシ481-54, 55, 69, 70, 71, 73, 74, 81, 82が改造転入
だんらん用サロ481に改造 501~505(盛アオ)、506,507(大ムコ)、508~509(金サワ) ()内は改造区所
5)水カツへモハ485-64,67,68のユニットが転出(関連記事)
6)金サワよりモハユニット転入(モハ485-484)
99-203, 103-207, 106-210, 108-212, 114-218, 119-223, 128-232, 162-264, 183-285, 185-287, 187-289, 188-290, 189-291, 215-317
7)盛アオよりクハ481転入 258, 261, 263, 335
8)仙センよりサハ481-104, 105, 106, 107, 114が転入
9)秋アキ盛アオ、よりモハ485-484 1000番台ユニット転入 1001~1006, 1025~1029
10)日根野にサハ481改造のクハ480が転出 12,13,14,15,16,17,18,19 がクハ480-1~8に(関連記事)
11)サハ481-110,111がクハ182-1,2に改造され、長野へ転出(関連記事)
12)金サワより、サシ489-10,12が転入
金サワにおいては
1)サロ489-2,5,10がサロ110-352,355, 356に改造転出(関連記事)
2)サハ489-201, 204, 252がクハ480-9, 10, 11に改造され、日根野に転出(関連記事)
3)盛アオよりクハ481-337が転入(関連記事)
4)サハ489-11がクハ481-701に改造(関連記事)
5)サハ489-7,9がクハ183-101, 102に改造され長野に転出(関連記事)
といった大きな変化がありました。
1985年3月14日の改正では金サワは特急「雷鳥」の運用はなくなり、大ムコに一本化されました。さらに、「和風車だんらん」を含む10両編成と、含まない10両編成に運用が分けられました。
←大阪
TcM'MTsTsoM'MM'MTc×9 所要6 Tso:500番台
雷鳥(7)、アルペン(臨時1)
休
向日町‥大阪705-1058富山1255-1652大阪1835-2134金沢‥森本
森本‥金沢812-1117大阪1405-1758富山2310-505大阪
富山825-1222大阪1435-1741金沢1842-2152大阪‥野洲
野洲‥大阪1330-1641金沢1742-2047大阪‥向日町
向日町‥大阪1205-1601富山1725-2122大阪‥宮原/大阪2337-520富山
宮原‥大阪805-1104金沢1242-1552大阪‥向日町
TcM'MTsTM'MM'MTc×16 所要13(臨時+2)
雷鳥(11)(臨時+2.5)、白鳥(1)、北越(1)
休
向日町‥大阪1135-1845新潟
新潟905-1612大阪1805-2158富山
富山925-1322大阪1505-2209新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟814-1522大阪1705-2058富山
富山524-922大阪1105-1411金沢1612-1922大阪‥向日町
向日町‥大阪1030-2351青森
青森450-1812大阪‥向日町
向日町‥大阪1005-1311金沢1442-1752大阪1905-2301富山
富山1025-1422大阪1605-1959富山
富山649-1052大阪1305-1658富山1825-2222大阪‥宮原
宮原‥大阪905-1300富山1455-1852大阪‥向日町
向日町‥大阪735-1438新潟1610-2011金沢‥南福井
南福井‥金沢735-1142新潟1315-2022大阪‥向日町
金沢650-1031大阪1630-2032富山
富山953-金沢1042-1352大阪1525-1848金沢1946-2305大阪
Ts×7 Td×14 T×2
サロ481-500番台 和風車だんらん 元サシであったことがよく分かる窓の配置です。 1985/4/21 大阪
サロ481-507 和風車だんらん 上の写真とは逆のサイド 金帯を配すところなどは当時のバブリーな風潮の反映でしょうか 1987/2/24 大阪
次の1986年11月、国鉄として最後のダイヤ改正に向けて上沼垂に485系が配置されるようになり、またしても485系の移動が行われました。この時の様子は2013年7月24日の記事で触れました。1985年の改正の前に大ムコに移動した多くの485系が、その後、1986年の改正の前に上沼垂に再移動しているのが分かります。9両編成8本の体制で、上沼垂では特急「雷鳥」を2往復担当し、特急「白鳥」と共通運用でした。
クハ481-753 を最後尾に連結した新カヌ編成の「雷鳥」 1987/2/24
クハ481-753はサハ489-5の改造車で、2001年には「きらきらうえつ」に再改造されています。
新カヌ 1986年11月1日改正
←大阪、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×8 所要6(臨時+2)
白鳥(1)、雷鳥(2)、北越(1)(臨時+1)、いなほ(臨時1)
休
上沼垂‥新潟904-1556大阪‥宮原
宮原‥大阪1040-2340青森
青森450-1801大阪‥宮原
宮原‥大阪750-1437新潟1700-2045金沢
金沢744-1142新潟1315-2005大阪‥向日町
向日町‥大阪1150-1844新潟‥上沼垂
新潟1119-1402酒田1503-1742新潟
上沼垂‥長岡841-1128金沢1633-1742長岡‥上沼垂
1988年10月から一部の車輌でグレードアップ改造が開始されています。2001年3月に特急「雷鳥」が廃止されるまでの間の車輌の出入りも2013年7月24日の記事に纏めてあります。
クハ481-1500番台が最後尾を務める特急「雷鳥」 上沼垂の編成ならでは 1987/2/24 大阪
1997年10月に特急「白鳥」の運用が京都に移管されるまではほぼ同じパターンで運行されました。
1997年10月1日改正
←大阪、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×6 所要5 (指定席グレードアップ車)
雷鳥(3)、いなほ(1)
上沼垂‥新潟2022-2230酒田
酒田803-1011新潟1516-2147大阪‥宮原
宮原‥大阪812-1435新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟733-1406大阪1712-1959金沢
金沢814-1107大阪1612-2233新潟‥上沼垂
1998年3月14日改正
←大阪、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×8 所要6 (3000台/指定席グレードアップ車)
雷鳥(3)、いなほ(1)、はくたか(1)
上沼垂‥新潟2022-2230酒田
酒田803-1011新潟1516-2147大阪‥宮原
宮原‥大阪812-1435新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟733-1406大阪1712-1959金沢
金沢814-1107大阪1612-2233新潟‥上沼垂
金沢1035-1321越後湯沢1441-1734金沢(3000台)
1999年12月4日改正
←大阪、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×8 所要5 (3000台/指定席グレードアップ車)
雷鳥(3)、はくたか(1)
休
上沼垂‥新潟750-1410大阪1812-2105金沢
金沢914-1206大阪1612-2233新潟‥上沼垂
上沼垂‥新潟1541-2211大阪‥宮原
宮原‥大阪812-1436新潟‥上沼垂
金沢950-1244越後湯沢1640-1939金沢(3000台)
2000年12月2日改正
←大阪、青森
TcM'MTsM'MM'MTc×7 所要5 (3000台/指定席グレードアップ車)
雷鳥(3)、はくたか(1)、いなほ(臨時0.5)
休
上沼垂‥新潟750-1410大阪1812-2105金沢
金沢914-1206大阪1612-2233新潟‥上沼垂
上沼垂‥酒田1121-1342新潟1541-2211大阪‥宮原
宮原‥大阪812-1436新潟‥上沼垂
金沢950-1244越後湯沢1641-1939金沢(3000台)
この後の、2001年3月の改正で上沼垂担当の特急「雷鳥」は廃止となりました。
一方で、1986年11月改正前に大ムコでは
1)水カツからサロ481-97が転入
2)サシ481-31, 33, 36, 37, 46, 47, 49, 51, 52, 53, 56, 57, 58, 59が廃車に
3)サロ481-37, 41, 47, 60, 61, 63, 65が廃車に
4)サハ481-117, 103, 112, 104, 102がクハ182-101~105に改造され松本へ転出(関連記事)
5)サハ481-101, 113がクハ188-601,101に改造され長野に転出(関連記事)
6)サハ481-107,105, 114がクハ183-103~105に改造され松本に転出(関連記事)
といった動きがありました。
1986年11月1日改正 大ムコ担当分
←大阪
TcM'MTsTsoM'MM'MTc×9 所要6 Tso:500番台
雷鳥(7)
休
向日町‥大阪1020-1313金沢1410-1707大阪1850-2143金沢‥森本
森本‥金沢810-1108大阪1320-1702富山1832-2215大阪‥宮原
宮原‥大阪920-1302富山1454-1838大阪-1910神戸‥向日町
向日町‥大阪1520-2210新潟
新潟816-1505大阪1650-2030富山
富山649-1039大阪1220-1602富山1725-2109大阪‥向日町
TcM'MTsM'MM'MTc×11 所要8(臨時+4)
雷鳥(10)(臨時+4)、アルペン(臨時1)
休
向日町‥大阪820-1112金沢1240-1537大阪1720-2101富山
富山1025-1409大阪1620-1958富山
富山824-1207大阪1420-1758富山
富山525-909大阪1120-1416金沢1610-1909大阪‥向日町
向日町‥神戸1324-大阪1350-1642金沢1740-2037大阪‥宮原/大阪2353-530富山
宮原‥大阪720-1102富山1254-1639大阪1820-2203富山2335-510大阪
富山1354-1739大阪1920-2303富山
富山925-1309大阪1450-1742金沢1840-2137大阪‥向日町
富山944-1341大阪1550-1904金沢
大阪800-1106金沢1343-1651大阪
大阪848-1148金沢1427-1736大阪
大阪1133-1518富山1627-2024大阪
Ts×1 T×6
1987年の改正に向けても移動や改造の動きは続き、
1)金サワからクハ481-227, 305, 318, 321, 322, 323, 343、及びクハ489-303, 703転入し、ボンネット型の104, 107,108, 109, 113, 115, 124, 125が転出
2)サハ481-106, 115がクハ188-102, 602に改造され、長野に転出(関連記事)
これ以降、1989年3月11日の改正前までは「だんらん」の時代が続きます。
1988年3月13日の改正
大ムコ担当分
←大阪
TcM'MTsTsoM'MM'MTc×5 所要3(臨時+1) Tso:500番台
雷鳥(4)(臨時+1)
休
向日町‥大阪925-1309富山1424-1809大阪2100…2234米原
米原550…736大阪1025-1320金沢1410-1708大阪1925-2308富山
富山525-909大阪1225-1604富山1655-2038大阪‥向日町
大阪1335-1545福井1614-1841大阪
TcM'MTsM'MM'MTc×15 所要11(臨時+4)
雷鳥(14)(臨時+3)、リゾート'88信越(臨時1)、アルペン(臨時1)
休
向日町‥大阪725-1105富山1256-1638大阪1825-2207富山
糸魚川827-富山925-1309大阪1525-1905富山-2004糸魚川
富山1056-1439大阪1625-2002富山
富山621-1004大阪1155-1450金沢1610-1909大阪‥向日町
向日町‥大阪855-1233富山1356-1739大阪2005-2259金沢
金沢810-1108大阪1325-1621金沢1710-2008大阪‥向日町
向日町‥大阪1555-2232新潟
新潟713-1351大阪1655-2035富山
富山825-1208大阪1425-1804富山1905-2249大阪‥宮原/大阪2353-512富山
宮原‥大阪825-1118金沢1310-1608大阪1725-2108富山2325-510大阪
富山649-1039大阪1355-1650金沢1810-2108大阪‥向日町
大阪802-1151富山1308-1747神戸
大阪835-1138金沢/富山1911-2311大阪
大阪1135-1542魚津1615-2032大阪
神戸630-1359長野1446-2234神戸
Ts×5 T×4
この改正が「和風車だんらん」連結の最後の改正となりました。
クハ481-100番台先頭の最もオーソドックスな「雷鳥」ですが、こういった時代も長くは続かず、この後はスカートに切れ込みが加えられて行きます。 1987/2/24 大阪
1989年3月の改正に向けて、再び動きがありました。
1)サロ481-502, 503, 504, 505がサロ481-2001~2004へ改造され、金サワに転出
2)サハ481-118がクロ481-2101に改造され、金サワに転出
3)モハ485-484ユニット 130-234, 132-236, 147-249, 148-250
モハ485-484ユニット 1025, 1029が金サワに転出
今回の記事を書くにあたり、いつものように「485系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 一覧」のデータを参考にさせて戴きました。
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