485系 「雷鳥」 2001年3月から2003年9月まで その1
今回の485系「雷鳥」シリーズでは、1985年3月の改正での和風車両「だんらん」の登場、1989年3月の改正での「スーパー雷鳥」の登場、1991年9月の改正では電化された七尾線乗り入れ用の併結編成の登場といった話題に触れてきました。
この時期は私自身、どちらかと言えば鉄道から旅客機に興味が移っており、週末の鉄道巡りが空港巡りに代わっており、鉄道の写真もあまり多くは撮っていない時期でありました。ですから、「スーパー雷鳥」が廃止され、その編成が「しらさぎ」で活躍していた頃の写真などは全く撮っておらず、また北陸本線で同じ時期活躍していた「かがやき」「きらめき」も取り逃がしておりました。
京都駅に到着するA01編成 2002/6/5 先頭はクハ481-801です。
同編成の逆側のエンド 貫通扉を溶接したクハ489-604
2001年以降はカメラも銀塩からデジタル一眼レフになり、フィルムの枚数も気にすることもなくなり、また現像代、焼き付け代といった面での心配もなくなり、撮り放題の時代になりました。しかしそれと反比例するようにそれまで走っていた急行、寝台特急、国鉄型車両がどんどん消えて行く時代となり、撮れる体制は整っているのに撮るものが減ってきてしまいました。アメリカで9.11テロ事件が起きて、それまで自由に入れた空港のチェック体制も厳しくなり、またBAが一旦導入した尾翼のマーキングをユニオンフラッグに統一し始めた頃から、鉄道に興味が戻り、今日に至っています。
2003年9月の改正でパノラマグリーン車が復活するまでの間の485系特急「雷鳥」の姿を編成毎に紹介して行こうと思います。この時代の写真としてはA01, A02, A04, A08, A09, A10編成の写真があるので、2回に分けて紹介致します。
北方貨物線を向日町から回送される雷鳥 A02編成 クハ481-322他 2003/3/27 新大阪
同編成の最後尾は向日町に新製配置以来在籍したクハ481-253でした。
クハ481-253は1973年8月24日、大ムコに200番台のラストとして配属され、1975年3月の改正で、それまで配置されていた200番台クハが一挙に門ミフに転属したあとも、唯一大ムコに所属していました。そして2004年2月2日付けで廃車になるまで、終生大ムコに留まりました。これまでも拙blogではその写真を載せております(雷鳥、はくたか、北越)。
その1回目は金サワにおける変化です。
2001年3月3日改正
←米原、金沢、上野
TcM'MTsM'MM'MTc×3 所要2(臨時+1) 489系(ラウンジ/コンビニ連結)
能登(1)、はくたか(臨時2)
金沢1026-1321越後湯沢1358-1658金沢2212-605上野‥東大宮
東大宮‥上野1836…1930鴻巣‥上野2124…2223古河‥上野2354-641金沢
金沢1402-1704越後湯沢1939-2243金沢/金沢1201-1523越後湯沢1608-1924金沢
TcM'MTsM'MTc×10 所要6(臨時+4) 2001.4~順次TcM'MTM'MTsc
しらさぎ(8)(臨時+2.5)、雷鳥(臨時1.5)
金沢‥富山524-907名古屋1011-1347富山1524-1907名古屋2158…2242関ヶ原‥大垣
大垣700…741名古屋754-1132富山1326-1707名古屋1811-2153富山
富山‥青海635…714直江津721…912富山1124-1507名古屋1611-1948富山‥金沢
休
金沢718…816富山928-1307名古屋1413-1749富山
富山703-1052名古屋1213-1547富山1805-2152名古屋2218…2303関ヶ原‥大垣
大垣800…841名古屋913-1311和倉温泉1412-1807名古屋2011-2347富山‥金沢
金沢1255-1608名古屋1657-2011金沢
名古屋1026-1414富山1430-1839名古屋1927-2239金沢
大阪749-1039金沢1313-1608大阪(TcM'MTsM'MM'MTc)
金沢1013-1608大阪(TcM'MTsM'MM'MTc)
TcM'Mc×3 所要2(臨時+1)
しらさぎ(併結3)(臨時+1)
富山1124-1407米原1713-1948富山
金沢‥富山524-807米原1113-1347富山1524-1807米原
米原859-1132富山1326-1607米原1913-2153富山‥金沢
TscM'M(M'M)Tc×3 所要3
加越(4)、雷鳥(臨時0.5)
金沢517-721米原833-1034金沢1108-1309米原1410-1609金沢
金沢809-1009米原-福井1447-1657大阪-米原1610-1815金沢
金沢1308-1509米原2246-044金沢
TscM'MM'MM'MTc×2 所要2 (ハイグレード車)Tsc:2200,2300台
はくたか(3)
金沢702-959越後湯沢1329-1622金沢1730-2022越後湯沢‥石打
石打‥越後湯沢919-1215金沢1312-1615越後湯沢1958-2255金沢
TscM'MM'MTc×3 所要2(臨時+1) (一部ハイグレード車)Tsc:2200,2300台
加越(3)、雷鳥(臨時0.5)
休
金沢539…630羽咋708…809金沢908-1111米原1210-1408金沢1707-1909米原2020-2219金沢
金沢710-911米原1810-2007金沢
金沢1524-1821大阪
TscTsMM'MM'TcMcM'Tc×3 (一部ハイグレード車)Tsc,Ts:2000,2100台
TscTsMM'MM'TMM'Tc×3 (一部ハイグレード車)Tsc,Ts:2000,2100台
M'M×1 M'Mc×1
2001年3月3日のダイヤ改正では
683系の投入により、「スーパー雷鳥」が廃止され、「サンダーバード」は15往復になりました。
「雷鳥」の系統を富山駅・和倉温泉駅発着の「サンダーバード」と、金沢駅発着の「雷鳥」に整理。「雷鳥」は10往復になりました。
「雷鳥」の新潟駅発着列車が廃止され、金沢駅 - 新潟駅間は「北越」になりました。なお、新潟駅発着は多客期のみ「ふるさと雷鳥」として運転されました。
「雷鳥」の自由席がこれまでの7 - 9号車から「サンダーバード」と同じ5 - 7号車に統一されました。
<モハ485-500>
「スーパー雷鳥」に用いられてきた編成を「しらさぎ」に転用するため、編成から抜かれるサロ481-2000番台のCPをモハ485形に移設する改造が施されました。施工は金サワで、「スーパー雷鳥」時代にトイレ・洗面所を撤去し自動販売機を設置した車両の床下水タンク跡にCPを設置しました。
モハ485-234・222・218・232・248・237→モハ485-501 - 506
<サハ481-600>
同時にモハ484形を電装解除し、サハ481形600番台としました。種車のAU71形集中式冷房装置はそのまま流用されました。335(602)はかがやき編成時代にトイレ・洗面所が撤去され、電話室と自販機が設置されていましたが、サハ改造時にトイレと洗面所が復活しています。
モハ484-333・335・332・331→サハ481-601 - 604
なお、「しらさぎ」用付属編成の捻出と「スーパー雷鳥」用編成の10両貫通化を目的として1997年にはサロ481形より、サハ481-500番台が3両改造されています(関連記事)。
サロ481-66・121・131→サハ481-501 - 503
<クハ481-801, 701>
1985年3月の改正から1986年11月の改正まで特急「くろしお」で活躍したクハ480形の-8, -6はクハ481-801, 802に改造され1986年8月には日根野から福知山に転属し、さらにクハ480-5は1987年にクハ481-851に改造されて同じように転属していました。802は1990年6月にクハ183-801に再改造され、851もクハ183-851へと再改造されましたが、クハ481-801は1991年1月に金サワに転属していました。その801が2001年6月に京都に転属しました。
1985年3月にサハ489-11に運転台取り付け改造を施して誕生したクハ481-701も2001年9月に京都に転属しています(関連記事)。その他、モハ485-484ユニット221-323、サロ481-132、モハ489-488ユニット26-211、クハ489-204, 205, 604, 302, 702が京都に転属しています。
こちらも貫通扉が塞がれた200番台クハ先頭のA4編成 2002/6/21 新大阪
2002夏の編成表データではクハ481-105でしたが、すでに置き換えられていたのかと思われます。
北方貨物線を回送されるA04編成 2003/3/25 新大阪
2002夏の編成表データではクハ481-121でしたが、すでに置き換えられていたのかと思われます。
一連の動きが落ち着いた頃、2001年10月1日時点での運用の様子です。
←米原、金沢、上野
TcM'MTsM'MM'MTc×3 所要2(臨時+1) 489系(ラウンジ/コンビニ連結)
能登(1)、はくたか(臨時1)
2001.3~と同じ
TcM'MTM'MTsc×7 所要6 (一部ハイグレード車)Tsc:2000,2100,2350台
しらさぎ(8)
金沢‥富山524-908名古屋1005-1343富山1526-1908名古屋1950…2023大垣(パノラマグリーン)
大垣700…740名古屋751-1130富山1327-1708名古屋1805-2151富山(パノラマグリーン)
富山‥青海635…714直江津721…912富山1126-1508名古屋1605-1946富山‥金沢(パノラマグリーン)
休
金沢718…816富山928-1308名古屋1413-1749富山
富山703-1052名古屋1213-1547富山1805-2153名古屋2230…2316関ヶ原‥大垣
大垣800…840名古屋913-1311和倉温泉1412-1808名古屋2013-2347富山‥金沢
TcM'Mc×3 所要2(臨時+1)
しらさぎ(併結3)(臨時+1)
富山1126-1409米原1710-1946富山
金沢‥富山524-807米原1110-1343富山1526-1809米原
米原857-1130富山1327-1609米原1910-2151富山‥金沢
Tc(MM')MM'Tsc×3 所要3
加越(4)
2001.3~と同じ
TscM'MM'MM'MTc×2 所要2 (ハイグレード車)Tsc:2200,2300台
はくたか(3)
2001.3~と同じ
TcMM'MM'Tsc×3 所要2 (一部ハイグレード車)Tsc:2200,2300台
加越(3)
休
金沢539…630羽咋708…809金沢908-1109米原1210-1408金沢1707-1909米原2020-2219金沢
金沢710-909米原1810-2006金沢
TcM'MTsM'MTc×5 所要臨時2
しらさぎ(臨時2.5)
金沢1255-1608名古屋1657-2011金沢
名古屋1028-1414富山1430-1854名古屋1920-2239金沢
M'M×7 M×2 M'Mc×2 Mc×2 Ts×9 Tc×4
3月から10月にかけての車両の改造や移動で「雷鳥」の運用が完全に消えているのが分かります。
<サハ481-701~702, 751>
2003年の改正で「しらさぎ」に投入されていた編成を「雷鳥」に転用するにあたり、サハ481形500、600番台では不足するので、モハ485形を電装解除し充当することとしました。751は種車が1000番台のため、別区分に。
モハ485-227・228・1029→サハ481-701・702・751
その他、老朽化された車両が廃車となり、また「北近畿」などのために交流機器使用停止、取り外しが行われ、183系化改造され福知山への転属も進められました。
この記事を作成するにあたり、Wikipediaの記事と「485系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 一覧」のデータを参考にさせて戴きました。
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コメント
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クハ415-1901さん、こんにちは。
新シリーズの(雷鳥)アルバムを拝見しました。
関西と富山・金沢を結ぶエース特急として登場。
その後新潟行きも吸収し、
全盛時には十数往復もしていたと思いますが、
今やサンダーバードという名に変わって?しまい寂しさを覚えます。
立山の象徴である「雷鳥」の名前は伝統として残してほしいです。
さて一口に485系(雷鳥)といっても微妙に違う顔があるものですね。
その中でレアは、やはり平面シンボルマーク装備のクハと、
貫通扉を撤去したクハでしょうか。
数々の顔を撮影されていて楽しかったです。
投稿: やぶお | 2013年11月30日 (土) 20時22分
やぶお さま、こんばんは。
早速、コメントありがとうございます。
またやぶおさんの掲示板の方の心のこもったお返事もありがとうございます。
仰る通りですね。
雷鳥は北陸本線を象徴する特急ですし、さらに交直流電車特急481系の最初に使用された特急でもあり、特急の歴史上、決して忘れられないものだと思います。
ボンネットタイプ、貫通タイプ、非貫通タイプ、さらに平面貫通タイプ、そしてパノラマグリーン車と様々な顔が登場したのもその看板的重要性と歴史の長さからかと思いますね。
是非、看板として復活して欲しいですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2013年11月30日 (土) 22時26分