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2013年12月14日 (土)

西武鉄道 赤電の時代 701系 その1

西武鉄道の赤電シリーズも終盤に入って参りました。

今回からは赤電の決定版、最終グループといわれる701系です。801系は701系のマイナーチェンジ版なので701系が実質的に最後のグループと思います。

701_tr11
パンタが半分切れていてお恥ずかしい写真ですが、クハの台車がTR11Aだった頃の701系 東村山
私が西武線の写真を撮り始めた頃は701系クハの台車交換、前照灯のシールドビーム化がかなり進んでおり、710番台の僅かの編成がこのスタイルで残っていました。

701系は、西武初のカルダン駆動車として新製された601系に続いて、1963年12月より新製が開始されました。外観は吊り掛け駆動車の551系と同一の車体を採用した601系に対して、車体埋込型の大型行先表示器を採用し、左右腰部に2灯設置された前照灯の周囲にステンレス製の化粧板(飾り板)を配するなど、目新しさを打ち出したデザインが採用されました。一方で主要機器の仕様は601系を踏襲し、制御車の台車については601系同様に国鉄払い下げ品の省形釣り合い梁式台車の改造品であるTR11Aを採用、制動装置は発電制動を持たない自動空気ブレーキ仕様、低圧電源は直流100V仕様と、経済性ならびに従来車との併結を考慮した結果、新製当時において他の鉄道事業者が新製したいわゆる「高性能車」各形式と比較すると、主要機器の仕様は若干見劣りするものでした。

1967年7月までに4両編成48本の計192両が全車西武所沢車両工場にて新製され、1968年1月より801系の新製に移行しました。

車体

構体は601系に準じた全金属製構造で、台車中心間隔(ボギーセンター間隔)は13,600mmと601系と同一ですが、701系・801系においては台枠を枕梁中心より外方に前後各2.5mmずつ延長し、先頭車・中間車とも車体長19,505mmとなりました。一方で連結面間隔については前後各2.5mmずつ縮小したことから、全長は20,000mmで変化はありません。

前面形状は非貫通構造の2枚窓構成で、501系電車(初代)より採用された「湘南型」デザインを踏襲していますが、7従来前照灯設置箇所であった前面幕板中央部に行先表示器を新設し、行先表示器の左右には後部標識灯および通過標識灯を単一のケースに収めたものを設置、前照灯は白熱灯 (100W) タイプのものを前面腰部に左右1灯ずつ設置し、前照灯の周囲にはステンレス製の飾り板を配するなど、大幅な設計変更が加えられました。なお、前照灯については701系749編成より照度を高めたシールドビーム (150W) 仕様に改良されたほか、落成当初より前面腰板部の鋼板を厚板化し前面強化が実施されました。

701
上石神井駅 701系の冷房改造車が登場した後でもTR11Aを履いたオリジナルスタイルで残る701系編成 ライトが緑がかって見えるのも白熱灯の特徴でした。

側面形状は従来車同様に3扉構造ながら、クモハ451形以降601系まで採用された側窓2枚を1組としてユニット窓風の見付とした構造を改め、各々の側窓が独立した構造に変更されました。窓部の設計変更に伴って各部寸法も変更され、側窓幅は800mmで変化はないものの、扉間寸法は5,150mm(601系は4,970mm)、車端部寸法は2,652.5mm(同2,830mm)とされました。客用扉は1,300mm幅の両開扉で、551系において採用された、扉窓を金属枠固定支持方式としたアルミ合金製のハニカム構造の扉を装備しました。窓配置は先頭車がd1(1)D(1)4(1)D(1)4(1)D(1)2(d:乗務員扉、D:客用扉、数値は側窓の枚数、カッコ内は戸袋窓)、中間車は2(1)D(1)4(1)D(1)4(1)D(1)2です。側面乗務員扉脇の手すりについては、701系クハ1701 - 1748 においては従来車同様に露出形状とし、車体全幅は2,930mmでしたが、クハ1749以降においては埋込形状に設計変更され、全幅も2,865mmに縮小されました。

車内照明は蛍光灯式で、直流電源のためDC20W仕様の蛍光灯を1両当たり22本(先頭車)もしくは24本(中間車)を装備しました。車内送風機は扇風機を採用、先頭車に7台・中間車に8台それぞれ装備し、扇風機の直上には中間電動車のパンタグラフ搭載位置を除いてグローブ形ベンチレーターを搭載しました。

今回はここまでです。

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民鉄:西武鉄道グループ」カテゴリの記事

コメント

B767さん、こんにちは(^^)お邪魔致します。701系の赤電・非冷房車は、池袋線や新宿線でも走っていましたね。私は西武新宿線沿線生まれなので、お子ちゃまの頃は新宿線で701系の赤電・非冷房車をよく見かけました。2枚目の上石神井の画像ですが、赤電・非冷房車の701系と黄色一色・冷房車の701系がありますが、1980年3月のダイヤ改正で黄色一色の701系ほかが新宿線に集結している当時ですかね。

マスだっち1971さま、こんばんは。

わたしも2枚目の写真の正確な撮影日付はわからないのですが、
赤電と冷改車の共存、赤電の方は710番台の車輌が比較的最後までクハの台車も更新されず、ライトもシールドビームで残っていたように記憶しています。

こんにちは。
新しい記事のコメント欄よりこちらの記事に飛んできました。
昭和40年代は、今振り返れば、高度経済成長期の勢いと古きものが共存していた時代だったように感じます。特に私鉄に顕著ですが、同時に新製された車両には、まだまだ人生これ前時代の機構が残された部分も多かったようですね。
この車両のスタイルを見ていると、いかにも西武らしいデザインと感じますが、使われた機器にはまだ見るからに古い台車などが混ざっているのを改めて見て、興味深く感じます。
同時期には、各社で吊り掛け駆動の機器を再利用した、車体のみの新製車も多数生まれていますし、古い車両もたくさん残っていました。
どの路線に行っても、車両の個性を楽しめた時代だったのかもしれません。
貴重なお写真、楽しませて頂きました。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/?pc

風旅記さま、こんばんは。
お久しぶりです。

西武電車のシリーズも結構、新101系に時間をかけてしまい、漸く2000系に移ったところですが、同時に701系などが経済だった頃が思い出されます。

最近、西武以外の私鉄もいろいろ勉強して、それぞれの会社の個性というものが分かって来ました。Blogにして昔撮った写真を記事に纏めることの重要性を再認識している次第です。
今後とも宜しくお願い致します。

膨大なデータに只々感激し拝見しております。私はB767-281様より11年も年下ですが、本線上での赤電が好きでした。
赤電701系の印象は、とにかく空気ブレーキ緩解音ですね。口の中の容量を小さくして高めの音で「クー」と発音しながら息を出してマネしていました。
次に、制輪子の焼けた匂いですね。電制が無いので高速域からの摩擦で、停車後は病院の消毒液というか、セメント粉塵が舞っているときのような匂いで、701系赤電を実感したものでした。
これからも、少しずつぺーじを拝見して感激した折りにお便りさせていただきます、よろしくお願いいたします。

制限55さま、おはようございます。

連日のコメントありがとうございます。
あの頃の西武電車、特に101系が登場するまでの車両は空気ブレーキ一本でしたから制輪子の摩耗は凄かったのかと思います。またコンプレッサーの音も印象的でしたね。
そういった赤電の記憶を語れる方に見て頂けることも大変幸せに思います。

701系の6両化で601系の中間車はようやく一人前のフル規格高性能車としての道が開けましたが、クハ1601の方は残念ながら新601系となることなく虚しく、ノンカルダン格下げの道を過ごすことになりました。
後に501系化された701系最末期車のクハとは明暗を分けることになりましたが、あくまでも私の推測ですが、401系や571系に採用したような埋込式方向幕を“堤流マスク”の601系前面では搭載が難しかったからではないか?(仮に搭載するとしたら国鉄80系を“堤流”にしたような雰囲気になりますが…)とも思いますね。時期的にはもうノンカルダンの赤電に組み込むのは時代遅れの感があり、601系については全車レモンイエローのフル規格高性能車化してほしかったとは今更ながら思います。

ねこたろうさま、はじめまして。
コメントありがとうございます。

601系に関しては仰るように中間車は冷房改造、ブレーキのHSC化されましたが、両側クハに関しては見捨てられました。
ただ今から思うと701系のクハを利用した新501系に関しては大分無理があったようにも思います。

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