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2014年1月27日 (月)

西ベルリンの思い出 アブロ748 (HS748) その3

今回はHS-748の3回目ですが、第1回で記述したように同機の路線就航は1960年8月で、1987年まで生産が続けられました。我が国では殆どニュースにならない機体ですが、例によって事故の記録をAviation Safety Networkのデータベースを検索すると105件の事故データが出てきます(表1a, 1b, 1c)。

Gbfll_cn_1658hawker_siddeley_hs748_
G-BFLL cn 1658  Hawker Siddeley HS-748 Srs2A245 1988/12/4 TXL

105件のうち、全損事故(hull-loss)が88件、機械的、天候等トラブル等による事故が90件、ハイジャック等によるものが3件です。

Table_1a_hs748_accident_1_2
表1a HS-748機の関係した事故(その1)

Table_1b_hs748_accident_2
表1b HS-748機の関係した事故(その2)

Table_1c_hs748_accident_3
表1c HS-748機の関係した事故(その3)

犠牲者が多い事故を年代順にいくつか取り上げてみると、

1.1970年2月4日 アルゼンチン航空707便(cn 1539 LV-HGW) 乗員4名乗客33名
  アルゼンチンのCorrientes-CambaからRosario-Fishertonに向かう便が悪天候の中で    loma Altaに墜落 乗員乗客全員死亡

2.1970年4月21日 フィリピン航空(cn 1643 PI-C1022) 乗員4名乗客32名
  フィリピン航空の機体がCabanatuan付近の高度10500フィートを飛行中に後部トイレ付近で爆発 機体の後部が分解し墜落 乗員乗客全員死亡(テロによるものと考えられている)

3.1975年2月3日 フィリピン航空(cn 1590 RP-C1028) 乗員4名乗客29名 
  マニラ空港のRWY30を離陸直後、第2エンジンから出火、RWY06へのアプローチが許可されるも水田に墜落 乗員乗客全員死亡

4.1976年1月20日 TAME Ecudor(cn 1683 HC-AUE/683) 乗員6名乗客36名 
  Loja空港からGuayaquil-Simon Bolivar空港に向かっていた機体がFL100で飛行中に高度を失い、樹木に翼端を引っ掛け山腹に激突 乗員6名乗客28名が死亡

5.1976年4月14日 Yacimientos Petroliferos Fiscales(cn 1540 LV-HHB) 乗員3名職員31名 アルゼンチンのRincón de Los Sauces空港からCutral 空港に向かっていた臨時便(職員輸送便が高度4000フィートで空中分解 搭乗者全員死亡 金属疲労が原因?

6.1978年3月3日 Linea Aeropostal Venezolana - LAV(cn 1744 YV-45C) 乗員4名乗客43名 ベネズエラのCaracas-Maiquetía空港発、Cumaná 空港行きの定期便が離陸直後、水平飛行に問題が生じ、空港に戻る途中で墜落、乗員乗客全員死亡

7.1980年4月27日 タイ航空(cn 1568 HS-THB) 乗員4名乗客49名 
  Khon Kaen Airport からバンコクドムアン国際空港に向かっていた定期便がRWY21Rにアプローチ中の高度1500フィートで雷雨に巻き込まれ、ローカルダウンバーストによる気流で墜落。乗員4名乗客40名が死亡

8.1987年2月26日 フィリピン航空(cn 1637 RP-C1015) 乗員4名乗客46名
  マニラ国際空港発、Baguio-Loakan空港行きの定期便が悪天候の下、標高2100mのUgo山に墜落、乗員乗客全員死亡。

9.1995年4月28日 スリランカ空軍(cn 1757 4R-HVB) 乗員3名乗客42名
  Jaffna-Palaly空軍基地からコロンボに戻るフライトで豪雨の中を離陸した機体が第2エンジンから出火し、空軍基地に戻ろうとしたもののRWY200m手前で墜落。全員死亡。そもそものエンジン出火の原因は反政府勢力によるミサイル攻撃ではと考えられている。

10. 1995年4月29日 スリランカ空軍(cn 1768 4R-HVA) 乗員3名乗客49名 前日の事故と同様にAnuradhapura基地発の空軍機がJaffna-Palaly空軍基地に向けて3000フィートまで下降したところで、ミサイル攻撃に遭い墜落。全員死亡。

といったように結構大きな事故も数件起きています。

それにしても製造期間が長かったせいもあると思いますが、まだ現役で飛んでいる機体もあるのですね。

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コメント

こんにちは。モモパパです。
HS-748。
結構大きな事故を起こしてるんですね。
全部が全部HS-748の機体に起因するものじゃないようですけど。

モモのパパさま、こんばんは。

私も結構、大きな事故から小さい事故まで件数が多いものだと感じました。

よく似たサイズ、ほぼ同じ時期に活躍したYS-11のデータ
http://aviation-safety.net/database/types/NAMC-YS-11/database と比較しても
件数、規模ともに大きいように感じます。

就航した地域の政情等も関係してるのかも知れませんが。

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