九州に渡った485系 鹿児島運転所 その2
鹿児島運転所の485系の話題、1985年3月のダイヤ改正前まではボンネット・タイプのクハのみの編成構成でしたが、1985年3月14日のダイヤ改正を境に大きな変化がありました。
それは編成が鹿児島方がクロ、門司港方がクモハとなったことです。そのためにこの改正を前にして車輌の大移動、改造がありました。
1) クハ481 南福岡に転出 33, 35, 37, 39, 501, 502, 601, 602, 603
仙台に転出 1, 2, 3, 4, 6, 8, 9, 12, 13, 15, 18, 36, 40
勝田に転出 5, 7, 10, 11, 16, 20, 34, 38
仙台に転出した車輌は勝田に移動し、
2013年10月29日の記事にあるように赤スカートのまま
常磐線で特急「ひたち」で活躍を開始しました。
2) サロ481 廃車 17
南福岡に転出 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 134, 135
クロ480に改造 40>1, 43>2
南福岡でクロに改造転入 44>3, 45>4, 53>5, 56>6, 58>7, 64>8, 67>9, 76>10, 78>11, 83>12, 87>13, 103>14, 130>15
3) モハ485 廃車 モハ481/480-21
クモハ485に改造 97>1, 98>2, 100>3, 101>4, 102>5, 104>6, 105>7, 109>8, 111>9, 113>10, 116>11, 118>12, 120>13, 134>14, 145>15
転入MM' 青森から 89-90, 91-308, 92-302
(改造前番号>改造後番号)
クロとクモハの改造は1~15の15両ずつ行われました。種車の番号順に改造後の番号が揃えられているのが分かります。
キノコ形エアコンキセAU12のクハ480を先頭とした特急「有明」 1985/4/19 博多
こちらはAU13を搭載したクロ480 1985/4/19 博多
エアコンのタイプでみるとクロ480-1~4はAU12形キノコ型のエアコンに非貫通型の運転台という信じられないスタイルで登場することになりました。同時期に紀勢線に登場した485系特急「くろしお」も同様でしたが。後に冷房容量増強のために後位にAU13E形を1基増設となりました。5 以降はAU13E形を搭載していましたが改造時に1基撤去して4基搭載に変更し、のちにAU13E形を1基運転台側に増設しました。さらに11・12は後に半室普通車化再改造によりクロハ480-51・52となりました。
門司港側の先頭車はクモハ485 特急「有明」 1985/4/19
クモハ485の改造は前位側にクハ481形300番台同様の運転台を設置し制御電動車化しました。運転台後部を機器室とし110kVA・MGおよびCPを搭載し、機器室後部に出入台を設置し、定員は16名減って56名となりました。
乗務員室扉と客用扉の間隔が広く、この間に機械室が設置されているクモハ485形 1985/4/19 小倉
一連の改造によるクロ~クモハ編成で特急「有明」をメインに担当するようになりました。
←西鹿児島
TscM'MM'MM'Mc×15 所要11(臨時+2)
有明(15)(臨時+4)、にちりん(4)
休
西鹿児島934-1424博多1452-1936西鹿児島
西鹿児島645-1124博多1152-1629西鹿児島1700-2244門司港
門司港652-1250西鹿児島1341-1824博多1852-2031熊本‥川尻
川尻‥熊本742-924博多953-1427西鹿児島1457-1924博多1952-2131熊本‥川尻
川尻‥熊本642-824博多852-1033熊本1103-1246博多1310-1446熊本1542-1724博多1752-2233西鹿児島
西鹿児島800-1224博多1252-1714西鹿児島1814-2254博多‥南福岡/2355-542西鹿児島
南福岡‥博多1052-1233熊本1342-1524博多1552-1732熊本1842-2024博多2052-2231熊本‥川尻
川尻‥熊本842-1024博多1317-1609大分1810-1954小倉2022-2206大分‥下郡
下郡‥大分910-1055小倉1222-1407大分1443-1625小倉1701-1841大分2010-2258博多‥南福岡
南福岡‥博多700-1121西鹿児島1151-1624博多1652-2129西鹿児島2300-538博多
西鹿児島845-1324博多1352-1840西鹿児島
西鹿児島959-1512博多1647-1823熊本
博多1347-1521熊本‥八代1604-1821博多
M'M×6 Ts×1 Td×5
特急「にちりん」も4往復クロ~クモハ編成が担当しました。 1985/4/19 小倉
クモハ485-7 特急「にちりん」 1985/4/19 小倉
鹿児島運転所におけるこの体制は長くは続かず、次の国鉄最後のダイヤ改正となった1986年11月1日の改正では門ミフと鹿カコの間で大規模な車両の交換が行われることになります。
このときの移動で、最後まで残っていたモハ481/480ユニット-13.14は廃車となり、初期の485系モハユニット89,90,92は福知山に転出します。そして
モハ485 107,112,115,129,133, 146,150,151,152,153, 159,163,165,166,167, 168,171,175,179,182, 192,193,194,197,198, 201
モハ484 211,216,219,233,237, 248,252,253,254,255, 261,265,267,268,269
270,273,277,281,284,294,295,296,299,300,303
クハ481 33,35,37,39,202, 206,214,215,218,219, 220,221,225,226,232, 233,234,237,239,241
251,255,262,501,502, 601,602,603
サロ481 29,31,33,34,35, 50,51,52,55,80, 89,102,134,135
門ミフからこれらの車輌が転入し、クロ~クモハ編成が門ミフに転出します。僅か1年半でクロ~クモハ編成から両端クハ、そして真ん中にサロの7両編成となり、ボンネットクハは4両、その他は貫通タイプとなりました。
1986年11月1日改正後は特急「有明」の運用はなくなり、メインは「にちりん」と「かもめ」もはじめて担当することになります。
←西鹿児島、長崎
TcM'MTsM'MTc×14 所要11(臨時+3)
にちりん(10.5)(臨時+2)、かもめ(1)(臨時+1)、有明(臨時1.5)
休
西鹿児島739-1452小倉1554-2114宮崎‥南宮崎
南宮崎‥宮崎839-1454博多1652-2256宮崎‥南宮崎
南宮崎‥宮崎641-1254博多1415-1627長崎1735-1948博多‥南福岡
南福岡‥博多855-1713西鹿児島
西鹿児島1235-2053博多‥南福岡/2110-2321長崎
長崎620-847/南福岡‥博多1054-1915西鹿児島
西鹿児島931-1754博多1955-2242大分‥下郡
下郡‥別府800-1338西鹿児島1616-2323小倉‥門司港
門司港‥小倉811-1314宮崎1642-2151小倉‥門司港
門司港‥小倉722-908大分944-1137下関1211-1408大分1442-1617小倉1730-1909大分‥下郡
下郡‥大分710-1000博多1254-2116西鹿児島
西鹿児島843-1356博多1450-1949西鹿児島(TcM'MTsM'MM'MTc)
西鹿児島1331-1840博多
大分1125-1312小倉1326-1517大分1528-1721小倉1858-2107大分
M'M×1
<クロハ481-1~13>
1987年10月からは短編成化に伴うグリーン車の規模縮小でクハ481のクロハ化の改造が進められます。
小倉工場で計13両が改造され、 1 - 8は種車がクハ481形200番台、9 - 13は種車がクハ481形300番台でした。
グリーン席は3列×5席の体制でした。
1993年に1がクハ481-226に復元され、2000年に9 - 13が廃車されました。残りの車両も2012年までに廃車されました。
クハ481-226・232・233・234・239・241・251・262・
312・328・329・341・353→クロハ481-1 - 13
クロハは門ミフに転出し、それに代わって「かもめ」「みどり」用に使用されていたクロ481-1, 2, 51, 55, 56, 57, 101, 102, 103, 104が門ミフより転入しています。
1988年12月にはクハ481-602がクロ481-4に復元改造されます。
さらに1990年2月にはクハ481-243がクロ481-301に格上げ改造されます。出入台前位に乗務員室を増設したため乗降扉横の窓は2分割されました。窓配置とシートピッチは一致せず、1両のみの区分であったが2000年に廃車となりました。
クロ480、クモハ485の改造車も再び鹿カコに戻ってきますが、以後頻繁に門ミフとの間で転属を繰り返します。1991年7月から1992年3月末にかけてクロ480全15両、クロ481-301の座席3列化改造がなされました。そして、2,4,6,8,10,13,14,15が門ミフに転出しました。
クロハ481も1992年7月には鹿カコに一部(2,3,7,8,9)が転入します。
1994年6月にはモハ485の電装解除改造があり、153,159がサハ481-153, 159になりました。
その後、「にちりん」のみの担当期間が続きますが、1995年4月20日の改正で特急「にちりん」は分オイの担当となり、鹿カコの485系は特急「きりしま」の担当になります。
3両編成の緑の特急「きりしま」 1996/3/28 西鹿児島
←西鹿児島
TcM'MTc×3 所要2
きりしま(2)
川内713…804鹿児島‥西鹿児島850-1055宮崎1141-1349西鹿児島1614-1818宮崎1838-2047西鹿児島2300…2336国分‥隼人
隼人‥国分738…819西鹿児島2120…2200川内
TcM'Mc×2 所要2
きりしま(4)
西鹿児島641-854宮崎1019-1221西鹿児島1250-1452宮崎1632-1838西鹿児島1850-2049宮崎2219…2314都城
都城‥西都城707…806宮崎816-1023西鹿児島1050-1250宮崎1416-1618西鹿児島
TscM'MM'MTc×1
M'M×3 Tsc×2
2000年3月11日の改正では特急「ひゅうが」も加わります。
←西鹿児島
TcM'Mc×8 所要7
きりしま(7)、ひゅうが(4)
南延岡‥延岡655…803宮崎940-1146西鹿児島1310-1518宮崎1620-1833西鹿児島2135…2213国分‥隼人
隼人‥国分733…812西鹿児島910-1117宮崎‥宮崎空港1420-1535延岡1738-1855宮崎空港2012…2017南宮崎‥宮崎2222…2314都城
都城‥西都城657…758宮崎814-923延岡1604-1719宮崎空港1737…1747宮崎1820-2032西鹿児島2037…2119川内…2212出水
川内705…753鹿児島‥西鹿児島1610-1819宮崎‥南宮崎
南宮崎‥宮崎720-921西鹿児島1110-1315宮崎1420-1620西鹿児島1724-1929宮崎1940-2144西鹿児島
西鹿児島640-849宮崎‥南宮崎1045…1050宮崎空港1054…1104宮崎1137-1349西鹿児島1900-2109宮崎‥南宮崎
南宮崎656-806延岡825-939宮崎空港946…951南宮崎‥宮崎空港1213-1334延岡1405-1520宮崎空港1701…1827延岡‥南延岡
TcM'MTc×2
TcM'Mc×1
2001年3月3日の改正では再び、特急「にちりん」を担当するようになり、
←西鹿児島
ThscM'MM'Mc×4 所要3
にちりん(3)、きりしま(1)
小倉640-1140宮崎空港‥宮崎1313-1521西鹿児島1758-2010宮崎‥南宮崎
南宮崎606-1055小倉1225-1725宮崎空港1737…1742南宮崎1750…1756宮崎空港1820-2321小倉
小倉1025-1524宮崎空港1537…1543南宮崎1558…1604宮崎空港1620-2057小倉
TcM'Mc×8 所要7
きりしま(6)、ひゅうが(4)
南延岡‥延岡656…821宮崎空港835…845宮崎937-1146西鹿児島1220-1427宮崎1515-1720西鹿児島2138…2215国分‥隼人
隼人‥国分734…813西鹿児島824-1027宮崎1050…1100宮崎空港1120-1234延岡1310-1435宮崎空港1520-1631延岡1731-1859宮崎空港‥宮崎2223…2318都城
都城‥西都城701…802宮崎‥宮崎空港919-1034延岡1106-1219宮崎空港1232…1237南宮崎‥宮崎1715-1922西鹿児島2035…2117川内…2205出水
出水610…川内705…752鹿児島‥西鹿児島1420-1626宮崎1641…1652宮崎空港1703…1833延岡1903-2007南宮崎
南宮崎‥宮崎718-933西鹿児島1021-1226宮崎1915-2121西鹿児島
西鹿児島616-827宮崎944…953宮崎空港1003…1016宮崎1135-1346西鹿児島1620-1826宮崎‥宮崎空港2114…2228延岡‥南延岡
南延岡‥延岡733…857宮崎空港2015-2130延岡‥南延岡
M'M×3
2011年3月12日の改正で485系の運用が無くなりました。この時点で活躍していた485系は
モハ485 152, 164, 169, 176, 177, 180
クモハ485 1, 3, 6, 7, 8, 9, 11, 101, 108
モハ484 201, 204, 208, 209, 213, 215, 220, 254, 266, 271, 278, 279, 282, 304, 342
クロハ481 4, 5, 6, 7, 203, 205
クハ481 213, 238, 246 でした。これらの車両は2013年3月までに全車廃車となり、鹿児島車両センターの485系車両配置はなくなりました。
今回も「485系の動き 配置および編成・運用の移り変わり 鹿児島」のサイトのデータを参考にさせて戴きました。なお、クモハ485-100番台、クロハ481-200番台に関しては南福岡運転所の記事で触れる予定です。
にほんブログ村 最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村に飛ぶことができます。
« 西武鉄道 HSCブレーキ化・冷房改造 8 401系 (411F~421F/427F) | トップページ | EF510-500番台 506号機 »
「電車481/483/485/489系」カテゴリの記事
- 381系以来となったアルミ車体の振り子式電車特急 885系 その2 2次車としてソニック用編成の登場(2023.05.29)
- 登場から35年が経過したJR九州の783系 その3 老朽廃車の開始へ(2023.05.11)
- 2022年夏 名古屋遠征 特急「しらさぎ」 その誕生から485/9系使用終焉まで(2022.09.21)
- 2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 61 日光戦争から東武直通へ(2020.12.21)
- 下関総合車両所一般公開 鉄道ふれあいフェスタ 2016 その6 HM展示 8 いそかぜ(2017.06.10)
コメント
« 西武鉄道 HSCブレーキ化・冷房改造 8 401系 (411F~421F/427F) | トップページ | EF510-500番台 506号機 »
こんにちは。モモパパです。
JNRマークも誇らしげな「有明」「にちりん」。
懐かしいな~。
「鉄道ファン」や「鉄道ピクトリアル」のバックナンバーが読みたくなりましたよ。
投稿: モモのパパ | 2014年2月25日 (火) 09時11分
モモのパパさま。おはようございます。
今から振り返っても1985年4月のダイヤ改正というのは全国的に485系の大激変の改正であったんだとかんじますね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2014年2月26日 (水) 06時22分