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2014年2月12日 (水)

西武鉄道 HSCブレーキ化・冷房改造 6 401系 (401F~409F)

西武鉄道赤電からの冷房・ブレーキHSC化改造車輌の話題、今回は1978年度から登場した401系の話題です。

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池袋線の準急運用に投入された401系 1978/6 所沢

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新宿線の急行運用にも投入された401系 こちらは2+2+4の編成 1978/6 所沢

401系というと、オールドファンには国鉄モハ63形に似た4扉の初代401系を思い起こされる方もいらっしゃると思います。私も、写真は撮っていませんが、初代401系が活躍する姿は見ております。

初代401系は国鉄から土砂崩れ事故で被災大破したモハ63024、三鷹事件の被災車両モハ63057、車両火災によって焼損したモハ63470の3両を下げ受け、1953年3月から翌1954年3月にかけて、西武傘下の復興社所澤車両工場(後の西武所沢車両工場)にて復旧の上順次導入したものでした。これらは制御電動車(モハ)1両・制御車(クハ)2両として復旧し、モハが1両不足したことから、1956年9月に同形態のモハを所沢車両工場で新製し、2両編成2本としました。1958年には空気バネ台車の試用などもありましたが、晩年は国分寺線・上水線などの支線で運用され、最晩年は多摩湖線専用車輌となり、1973年6月に廃車されました。

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保谷の電留線で休む401系+701系+401系編成 1978/6

401の系列番号が空白であったため、701系、801系の冷房改造・ブレーキHSC化改造グループの増結用編成として411系に同様の改造を施したグループが第2代401系と命名されることになりました。

改造に際しては旧クハ1451形も電装されてクモハ401形に編入され、全電動車編成となりました。また、411系当時は電動車の向きが末尾偶数・奇数で異なっていたものを、同改造に際してパンタグラフを搭載する旧クモハ411形を全車偶数向き(池袋・本川越向き)に、旧クハ1451形を全車奇数向き(飯能・西武新宿向き)にそれぞれ統一することとなり、旧クモハ411形(偶)が組み込まれた編成はそのままに、旧クモハ411形(奇)が組み込まれた編成については方向転換が実施されました。

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練馬に到着した豊島園行き8両編成 1978/6 
パンタの位置から2+2+4編成 

車体は冷房装置搭載に伴う各部補強に加え、車体塗装の黄色一色塗り化、客用扉のステンレス製無塗装のものへの交換、前面向かって左側幕板部へ行先表示窓を新設、ならびに前面標識灯部へのステンレス製飾り板の新設が実施されています。

前面形状は原形の切妻形状のままであり、同形状の前面を有する車両で車体塗装が黄色一色塗りとされたものは本系列が唯一でした。701系、801系は黄色一色塗りで登場しても101系と形態が似ているので違和感はありませんでしたが、401系は赤電のイメージが強かったので、この形態にこの塗色はかなり違和感がありました。

車内天井部は冷房装置搭載に伴って一新され、冷風風洞の新設に伴う天井の平天井化、車内送風装置のラインデリア化などが施工されています。一方、車内アコモについてはほぼ原形通りとされ、赤灰色系の壁面デコラに茶色系のシートモケットという組み合わせは411系当時のままとされました。

主要機器に関して、主電動機は日立製作所製HS-836-Krbで、中空軸平行カルダン装置と組み合わせて搭載されました。同主電動機は701系列で採用されたHS-836-Frbの改良版で、一時間定格120kWという出力を含めて同一スペックを有し、実際の運用においても両者は何ら区別されることなく混用されました。

主制御器は日立製作所製の電動カム軸式MMC-HT-20A6を採用しました。力行23段(弱め界磁起動1段、直列10段、並列7段、弱め界磁5段)の仕様は701系列で採用されたMMC-HT-20Aと同一であり、本系列もまた発電制動を省略しています。

台車は住友金属工業製のペデスタル式空気バネ台車FS-372を装備しました。同台車は101系の電動車から採用されたダイレクトマウント式空気バネ台車であり、701系列の電動車が装備するコイルバネ台車FS-342と比較して大幅な乗り心地向上が図られました。また、同台車を装備する関係で本系列の歯車比は101系と同一の86:15 (5.73)とされており、歯車比84:15 (5.6)の701系列とは力行特性が若干異なっていました。なお、改造以前に旧クモハ411形が装備していたFS-40台車は551系・571系へ転用され、従来形吊り掛け車の体質改善に寄与しました。

パンタグラフは従前通り工進精工所製KP-62系で変わりませんが、全電動車編成化および冷房化に伴う集電容量増加を加味してクモハ401形偶数車(旧クモハ411形)の後位側(連結面側)にパンタグラフを増設し、1両当たり2基搭載となりました。

冷房装置は101系および701系列で採用実績を有する三菱電機製CU-72系集中式冷房装置を1両当たり1基搭載し、車内側冷風吹き出し口はスポット式となりました。

その他、冷房装置搭載に伴ってMGの大出力化(日立製作所製HG-584Ir、出力110kVA)が実施されましたが、CPは411系当時同様にAK3を1基、それぞれクモハ401形(奇)に搭載しました。

番号と出場年月日は
413-1454 405F 1978年5月25日  
411-1452 401F 1978年5月26日
1451-412 403F 1978年6月28日
1453-414 407F 1978年8月4日
415-1456 409F  1978年9月8日 

第一陣として1978年度上半期に401~409Fの5編成が改造されました。これまでの701系、801系改造編成と外観的に変化した点は、集中式エアコンキセのサイドにランボード板が付いたことでした。車体は411系時代の形態を踏襲しているので、

401F~407F: 701系1次車と同一の仕様を有し、客用扉下部靴摺が縞鋼板仕様であることや、戸袋窓車内側の窓が若干小型であることなどが特徴でした。

409F: 701系2次車で加えられた改良を反映し、客用扉下部靴摺の材質変更、戸袋窓車内側の窓拡大が実施されました。

409Fが出場した後、再び781F, 725F, 729F, 735F, 737F, 739F, 741F, 743F, 745Fの順番で701系の改造編成が出場してきます。次回はこれらの編成について触れます。

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コメント

こんばんは。

時期的には有ると分かっていても、401系の小さい旧種別板は、見慣れない感じで、非常に珍しく思えました。

701系と401系は性能は同じ、と良く言い切られていますが、台車が異なるので歯車比も違うのですね。言われてみれば・・・な感じです。

701系列と101系列では台枠の厚みが異なりますが、床面高さは同じなので、101系だけ窓下長さが数センチ長いことになります。これが801系と101系の印象の違いに一役買っているのかもしれません。窓周りの外板の処理も少し違うと思っているのですが・・・。401系は元々411系ですが、新設方向幕のおかげで、かなり印象が変わりましたね。当時は正直かっこ悪い、と思っていました。

MiOさま、おはようございます。

なるほど、台枠の厚さが701系と101系では違っていたのですね。
それによって生じるプロポーションの違いが同じ黄色一色塗装でも印象が異なるわけですか。

私も前回のレスでは旧101系の一色塗装を撮っていないと言ってましたが、写真を調べたら出て参りました。この点に着目して比較試みるのも面白いですね。

B767さん、こんにちは(^^)あ…401系だ‼︎401系って…当初は池袋線で走っていましたよね。でも、401系が登場した1978年頃は…種車である411系が池袋線・新宿線でまだ走っていましたね。練馬駅、昔はこんな感じでしたよね。地上駅でしたよね。

マスダっち1971 さん、こんばんは。

そうですね。401系改造車が登場してくると411系との番号重複が起こる可能性が出てきたので、
急遽 411系の改番も進められましたね。

今日の朝日新聞の夕刊に荻窪駅が高架にならなかった経緯が書かれていました。
青梅街道とのクロスも理由のひとつだったようですが、練馬の場合も都道放射8号の問題がありましたが、こちらは逆立体化で高架になりましたね。時代で道路建設の技術が向上したのですね。

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