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2014年4月26日 (土)

頸動脈狭窄症での検査入院体験記 その1

今回はいつもの鉄道や航空機の記事とは趣向をかえて、我が身におこった異変と検査入院体験に関して記述しようと思います。いつもは写真主体の記事構成ですが、今回病院内ではいっさい撮影していないので、写真無しの記事となります。

もう10年くらい前からですが、職場の人間ドックの血液検査で中性脂肪値が高いこと、善玉コレステロール値が低いことを指摘されており、さらに5年ほど前からは血糖値(ヘモグロビンA1c)の値が高く、職場のそばの病院(以後、病院A)の代謝内科で数ヶ月おきに血液検査、眼底の毛細血管の様子や1年ごとに頸動脈エコー(超音波検査)による頸動脈の異常の有無を診て貰っておりました。

因みに私の場合、喫煙はせず、年間の飲酒量はビール1~2缶程度です。

数年前には左側頸動脈の外頸動脈(顔面に行く血管)と内頸動脈(脳に行く血管)の分岐部直後、内頸動脈にプラーク(動脈硬化などの 血管壁に見られる、偏平もしくは隆起したかたまり)の存在が見つかっていました。

★脳血管の解剖図は こちら

★頸動脈エコー検査については こちら

それが今年3月の頸動脈エコー検査で、プラーク部分の血管が狭窄を起こしているとの診断がなされました。エコー検査からは80~90%程度の狭窄と診断されたので、早速MRI検査を行い、脳神経外科医の診断を仰ぎましたが、MRIの結果だけでは明確な診断ができないので、某大学付属病院(以後、病院B)の脳神経外科外来を紹介されました。

因みに、私がお世話になっている病院Aの医師の先生方は皆、病院Bから派遣されてこられている方々です。

★頸動脈狭窄症については こちら

★MRI(Magenetic Resonance Imaging)検査とは、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)の原理を利用した非侵襲の画像診断技術です。強い地場の中で水素原子のような核スピンをもつ原子核が配向し、さらに勾配磁場をかけることで、その原子のおかれた状態によってもとに戻る時間(緩和時間)が異なることを利用して黒白濃淡画像を描かせているもので、いわば生体内の水分の分布や組織の状態を画像データとして得られる診断技術です。画像診断技術としてはCT(Computed Tomography)も有名ですが、脳などの場合はMRIの方が頭蓋骨の影響を受けないので有利と考えられています。

病院Bの外来診察(4月初旬)にて医師から指摘されたことは、狭窄が進むと脳への血液が十分に行かなくなり、脳梗塞の症状が出ること、さらにプラークがある日突然、火山のように噴火して、血管内に破片を飛ばし、それが脳内の毛細血管に詰まってやはり脳梗塞を起こすことでした。

そこで、奨められた検査が、脳血管造影検査でした。この検査は、右手首の動脈からカテーテルを挿入し、大動脈弓までカテーテルの先端を持って行き、そこから、上方に通じる内頸動脈、外頸動脈、鎖骨骨下動脈に造影剤を流して脳内血管の様子をレントゲンで観察するという検査です。

★脳血管造影検査については こちら や こちら にも 

この検査をメインとする2泊3日のスケジュールで20日日曜日から入院することになりました。一応、病名は無症候性左頸動脈狭窄となりました。

物心ついてから、入院というのも初めてだったもので、ホテルに宿泊する感覚で病院にいったら、スリッパ、箸、スプーンなどは用意しなくてはならないことに気づき、早速家から持ってきて貰うことになりました。後で4月初旬の外来診察の際に貰った入院案内をよく見たら、必要なもののリストが全部書かれていました(笑)。

入院後、MRIのデータやエコーのデータももう一度録っておくべきとのことで、スケジュールは1日分追加され、3泊4日になりました。

入院して早々に担当医からメインの脳血管造影検査に関する説明を受けました。
この検査では、脳内の血管の状態に関してCTやMRIよりもより多くの情報が得られるが約0.5%程度の頻度で合併症が起こることも報告されており、合併症による死亡例も報告されているとのことで、

・ 血管損傷
・ 血管損傷によって血管が詰まったり、カテーテルにより、血の固まりが出来てそれが脳の血管に詰まり、麻痺や失語、意識障害などが出現すること
・ 検査終了後にカテーテルを挿入した場所からの出血
・ 造影剤によるアレルギー症状
・ 造影剤による腎機能障害
・ 脳動脈瘤の破裂
・ 放射線被曝  

などの合併症があるという説明を事前に受け、同意書にもサインを致しました。

21日の月曜日、朝9時から検査開始のため、朝食は抜き、その分の水分、電解質等の補給で朝6時から点滴開始。下着1枚の上に検査衣の出で立ちで車椅子で検査室(アンジオグラフィー室)へ、車椅子に乗ったのも実は初めての体験でした。

アンジオグラフィー室は血管内でのカテーテルの進行状況をモニターするX線設備の備わった手術室のような部屋でした。検査台の上に寝かされると早速、右手手首に麻酔注射、切開、カテーテルを挿入するためのシースの準備が施されました。血圧は常にモニターされていましたが、やはり緊張からか、手首に麻酔をかけられる時点での血圧は170-120mmHgといった値を出しました。

こちらは寝かされているのでどの程度の切開が行われているのか、あるいはカテーテルはどのように挿入されていったのか観ることは出来ませんでしたが、肘のあたりまでカテーテルが入った時は腕の中に何か針金のようなものが入っている感覚がありました。

★検査、手術を行われている医師の方が書かれた苦労談はこちらに

麻酔は手首だけなので、撮影技師の指示に従って、胸部レントゲン撮影の時のように息を吸って止めるなど動作を繰り返しました。そして造影剤が目的の血管に噴射されると、顔面や脳の中を熱を持った液体が流れて行くのを感じました。

検査は全体で1時間程度で終了し、手首は止血のための圧迫プラスティック板が添えられ、病室に戻りました。点滴はその後も続き、結局500ml3本が注入されました。点滴をしたのも人生で初めてでした。検査後は、看護師が30分おきに検温と血圧測定を行い、言語障害や手足の痺れがないかのチェックがありました。

止血のための圧迫が取られたのが午後4時過ぎ、点滴が終了したのが午後10時でした。

次回に続く

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