« 頸動脈狭窄症での検査入院体験記 その1 | トップページ | 通勤電車シリーズ 101系 その11 101系から改造された事業用車 145系他 »

2014年4月27日 (日)

頸動脈狭窄症での検査入院体験記 その2

脳血管造影検査を終えた直後に、主治医から狭窄の程度は思っていたほどきつくは無いようで、今後は投薬治療で行けると思うが、今回の全て検査結果を見てから判断しましょうとの所見を戴きました。

3日目は、朝食を摂る前にMRI検査に呼ばれました。すでに最大の山場である血管造影検査は終えていたので、気分的には楽でした。そして、手首の切開の跡も完全に塞がっており、メスで切ったのは1mmにも満たない長さであることが分かりました。

今回のMRI検査は頭部で、機械の中に入っていたのは15分程度でしたが、MRI検査を経験された方は分かると思いますが、あの音は何とかならないものかと思います。MRI検査で聞こえるあの不快な音は傾斜磁場コイルの電源ON-OFFでコイルが伸縮する際に出るのようです。

その後は、超音波エコーの検査が続き、まず頸部狭窄前後の血流の変化を調べました。以前、病院Aで最初にエコー検査をした時は血流値を測っていませんでしたが、今回は測定し、流速は179cm/secとのことで、高度な狭窄ではないとの所見でした。

狭窄が見つかったのは頸動脈でしたが、それ以外の動脈血管に狭窄が無いかを調べるため、手足4カ所に血圧計を装着し、心電図とともにモニターする大動脈流速検査も行いましたが、他の動脈狭窄は見いだされませんでした。

最後に、心臓の超音波エコー検査も行いましたが、こちらも正常でした。

ということで3日目の検査からはMRI画像からは脳梗塞、脳腫瘍などの異常は見いだされず、頸部以外の動脈狭窄部もないことがわかりました。

4日目は、やはり朝食前に頸部のMRI検査が行われました。今回はVISTAと呼ばれる特殊な撮影法で頸動脈の狭窄部の評価も行われました。そのためかこれまで経験したMRI検査の中ではもっとも長い30分以上、機械の中に入れられる検査で、さすがに「いい加減にしてよ」と感じました。病院Aでもそうでしたが頭部と頸部のMRI検査をわざわざ2日間に分けて行うのは一日に人体が受ける磁場線量の規程でもあるのでしょうか。

午後は核医学検査と言うことで脳シンチグラフィー検査を受けました。これは脳関門を通過する物質を放射性同位元素で標識しておき、脳でその物質が分解されると今度は脳関門を通過出来なくなる性質を利用して、脳内実質に留まらせることで脳のどの部位に血液が行っているかをモニターする検査です。MRIなどよりも正確に脳梗塞の前兆がないかを調べられる検査ということです。

★脳血流シンチグラフィー検査については こちら や こちら

この検査においては99mTc-ECD [N,N'-エチレンジ-L-システイネート(3)]オキソテクネチウム(99mTc)、ジエチルエステルなる化合物を腕の静脈に点滴方式で投与し、投与後5分以降から頭部にガンマカメラを向け、脳から出されるγ線を撮像するものです。約1時間の長きに渡って、頭部を固定され、脳の血流データをとられました。こちらの検査も予想していたより長時間の固定と、血管拡張剤の処理もあり、終わった時にはかなり疲れました。

以上、血管造影、MRI、エコー、動脈流速試験、脳血流シンチグラムの結果を総合して、医師の所見を聞いたのは夕方5時過ぎでした。

○問題の狭窄の度合いは62%(造影像からのNASCET法による測定)
○それ以外の頸部、頭蓋内に明らかな狭窄や動脈瘤の形成は認められない。
○頸部エコーのデータから血流の速度は179cm/secで基準値の200を下回っており、高度な狭窄ではない。
○脳血流の様子は左側も右側同様に認められ狭窄が血流低下を引き起こしてはいない。
○頸部MRIの画像から、狭窄部のプラークはかなり水分を多く含んだ柔らかい状態と判断された。

とのことでした。

今後は、定期的に狭窄部の状態をエコー検査等で観察し、血栓等の発生を抑え、血液の流れを改善する薬の投与と生活習慣病の改善により、血糖値や中性脂肪値が正常値になるように努めることとの所見でした。

検査前は最悪の場合、狭窄部の血管を広げるために頸動脈血管を切開して動脈硬化を取り除く内膜剥離術(carotid endarterectomy: CEA) や今回の血管内カテーテル法でステントと呼ばれる金属メッシュを血管内に留置させる(carotid artery stenting: CAS)が頭にあったので、とりあえずはホッとしたところです。

我が国における生活スタイルの西洋化が言われて久しく感じますが、それに伴う動脈硬化が原因の脳梗塞、心筋梗塞は年々、発見率が増加しているそうです。

私も人間ドックで毎回のように指摘されてきましたが、今回のような事態になると血糖値や中性脂肪値を正常値に近づける努力を惜しんではいけないと痛切に感じる次第であります。

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村 最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村に飛ぶことができます。

« 頸動脈狭窄症での検査入院体験記 その1 | トップページ | 通勤電車シリーズ 101系 その11 101系から改造された事業用車 145系他 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。

実は私も飲酒もしないのに肝臓の数値が悪く、脂肪肝気味であるとの診断を受けています。大抵の場合、これだけですと特に何も処方はされず、「食事は脂っこくない物に」「運動しましょう」という生活習慣の改善のみを指導されることが多いのですが、食事に気をつけても殆ど下がらない(確かに運動不足では有りますが^^;;)ということで、その手の専門のクリニックに行って、薬を処方してもらっているところです(今のところ数値は下がってきています)。数値を下げて肝臓に少し元気になってもらわないと・・・と思っています。

そんなこんなであまり他人事では無いのですが、手術といった大事に至らなくて良かったですね。私は血流のエコーまでは受けていませんが、脳梗塞は怖いですね。

MiOさま、おはようございます。

早速、コメントありがとうございます。

私も今回の件は、大事に至らなくて良かったと思う半面、日頃の食生活に関してもっと厳しく取り組まないと取り返しのつかないことになるぞという神様の警告だなと感じております。

まずは医師に指摘されている点を改善して数値を常に正常範囲におさめ、プラークを消す方向で努力しようと思います。

MiOさまも是非、定期的に動脈硬化に関するチェックを受けられることをお薦め致します。

クハ415-1901さん、こんにちは。
ゆっくり拝見したい話題が満載で、楽しませていただいています。
まずは退院よかったですね。
投薬で様子をみるとのこと。
このまま順調に回復できればいいですね。

私も、中性脂肪や血糖値が高く、
他人事とはいえません。
最近夜に散歩をするようになって、
少し数値が下がりましたが油断なりません。
私も飲酒ほとんどなし、そして禁煙ですが、
甘いものを食べるので要注意です。
レポートは学ぶべきものが多く、参考になりました。

やぶお さま、おはようございます。

コメントありがとうございます。

生活習慣病というのはホント、気付かぬうちにとんでもないことになるケースもあるようで、やはり日々のの節制が大事なんだということを私も痛感させられています。

定期的に検査をしてデータをチェックしつつ、メンテナンスすると言うことに於いては人間も車輌もおなじだななどと思っています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 頸動脈狭窄症での検査入院体験記 その2:

« 頸動脈狭窄症での検査入院体験記 その1 | トップページ | 通勤電車シリーズ 101系 その11 101系から改造された事業用車 145系他 »

カテゴリー

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト
無料ブログはココログ

日本ブログ村

  • 日本ブログ村