« 通勤電車シリーズ 101系 その13 101系の廃車発生部品を使って登場した車輌達 | トップページ | 上毛電鉄 700型電車 その2 712-722編成 »

2014年5月16日 (金)

1989年のDüsseldorf Airport その3 Air Canada Tristar

1989年5月と6月に西ベルリンから週末旅行で出かけたDüsseldorf Airportで撮影した旅客機のシリーズ。当時、アクティブに活躍していた3発ワイドボディ機のLockeed L-1011 TristarMcDonnell Douglass DC-10の話題からゆこうと思います。

Cftnl_512_cn_193e1073_lockheed_l101

C-FTNL 512 cn 193E-1073 Lockeed L-1011-385-1-15 Tristar 100 1989/5/4 DUS

最初はAir CanadaLockeed L1011 Tristarです。Tristarの開発の歴史はLTU (Lufttransport-Unternehmen GmbH )の機体をご紹介する時にするとして、今回は航空会社のAir Canadaについて触れようと思います。

Air Canadaは現在、カナダのフラッグキャリアであり、最大の航空会社です。

1936年4月11日にカナダ国営鉄道(CNR: Canadian National Railway)の一部門のTrans-Canada Airlines (TCA)として創立しました。

カナダ連邦政府は大西洋岸と太平洋岸の都市を結ぶ交通手段の整備を目指して、500万ドルの予算で2機の Lockheed Model 10 ElectrasBoeing Stearma複葉機Canadian Airwaysから購入し、United 航空American航空から経験豊富な航空専門家も導入しました。

1937年9月1日に最初の旅客便が2名の乗客と郵便を乗せてバンクーバーからシアトルまで飛行しました。運賃は往復で14.20ドルでした。1938年7月1日にはキャビンアテンダントが導入され、1939年4月1日には12機のLockheed Model 14 Super Electrasと6機のLockheed Model 18 Lodestarsにより、モントリオールからバンクーバーに向けての最初の大陸横断便が飛び始めました。

1942年にはCanada Pacific Airlines (CP Air) との合併話もありましたが、これはまとまらず、TCAが唯一大陸横断便を運航できる会社とされ、第二次世界大戦後の航空需要増でCP Airにも大陸横断といくつかの国際線の運航権益が与えられました。1964年にTCAは国営化され、1965年には名称もAir Canadaに変更されました。

1970年代は法律によってAir Canadaの他のカナダ国内航空会社に対する優位性が保たれており、一方でルートや運賃は政府がコントロールしていましたが、1970年代後半から1980年代にかけてこういった規制が解かれ、CNRの再編とともにAir Canadaも公共企業体(Crown corporations)となり、さらに自由競争の時代に移って行きました。一方でフリートもB727, B747, Lockeed Tristarが主力となりました。

1980年代には民営化が進行し、1989年完全民間会社となりました。一方、CP AirPacific Western Airlinesを買収して、カナディアン航空となりました。1900年代初頭、湾岸戦争の勃発などもあり、一旦財政危機が訪れますが、1994年には回復しました。この頃、日本で新規に開港した関西空港に乗り入れを果たしています。1995年にはアメリカとのオープンスカイ協定に基づいて新たに30の国境超え路線を獲得し、1997年5月にはスターアライアンスの創立メンバーになります。1990年代後半は順調に利益を上げました。

1998年9月2日にはエア・カナダ史上初となる、パイロットによるストライキがおこり、2000年には長年のライバルであったカナディアン航空を買収し、世界12位の航空会社になりますが、買収したカナディアン航空の経営状態が予想以上に悪かったことが判明し、2003年4月1日には破産保護の申告をする事態となりました。2004年9月30日に最終的に倒産は免れ、ACE航空ホールディングス株式会社が再建のための新たな親会社となることになりました。

ここから先は我が国のJALと同じようにフリートの刷新が行われ、2004年10月31日には33年間続いたB747による運航が終了し、B747-400A340にリプレイスされました。さらに2005年にはB777B787の大量発注が行われ、これらがB767A330を置き換えることでフリートの刷新が行われています。また国内路線やアメリカとの路線用にEmbraer175190の大量導入も行われています。

2014年3月現在のフリートは以下の表のような構成となっています。

Fleet_list_ac

表1 2014年3月現在のAir Canadaのフリート構成 (Wikipediaの表を元に作成)

Cftnl_512_cn_193e1073_lockheed_l1_2
C-FTNL 1989/5/4 DUS

ちなみにLockeed L-1011 Tristar はタイプ-1, -15, -100, -500が就航しており、その就航期間は1973年夏から1996年でした。データはこちら

また、長期に渡って在籍しているため、色々な塗装を纏っております。C-FTNLは1974年4月28日Air Canadaにデリバーされ、1982年5月から6月にかけてはAir Lankaにリースされています。1996年4月17日Air Transatに売却され、2004年5月19日にモントリオールミラベル空港で解体されています。Airliners.netの写真では1970年代の赤塗装、黒いタイトル、1990年代中期の黒い尾翼の塗装、そしてAir Transatで活躍していた頃の写真を見ることが出来ます。                     

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村 最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村に飛ぶことができます。

« 通勤電車シリーズ 101系 その13 101系の廃車発生部品を使って登場した車輌達 | トップページ | 上毛電鉄 700型電車 その2 712-722編成 »

旅客機 Lockeed L-1011 Tristar」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。モモパパです。
鉄道車両にもお詳しいとは思ってたんですが航空機についてもかなりお詳しいんですね。
脱帽です。
たまにセントレアに撮影に行くぐらいの僕の知識じゃ全くかないませんよ。
すごいですね~。

モモのパパさま、こんばんは。

いつもコメントをありがとうございます。
わたしも、ここ数年、飛行機の趣味からは離れており、唯一の繋がりが月刊エアライン誌の定期的な購入くらいなのですが、ネットが発達して、昔撮った写真でも飛行機のレジさえYahooやグーグルに入力すれば、その機体の写真や、履歴が分かるくらいこちらの方は全世界的にDBが発達しているので助かっている状態です。

むしろ、日本の鉄道車輌の方が個々の車両を追う場合、出版物などで特集されていないと情報が得られない場合が多いです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 1989年のDüsseldorf Airport その3 Air Canada Tristar:

« 通勤電車シリーズ 101系 その13 101系の廃車発生部品を使って登場した車輌達 | トップページ | 上毛電鉄 700型電車 その2 712-722編成 »

カテゴリー

2025年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28  
フォト
無料ブログはココログ

日本ブログ村

  • 日本ブログ村