通勤電車シリーズ 103系 1 基本番台 山手線 その1
通勤電車シリーズ、今回からは103系です。
非冷房、連結器上の空気口ありの103系10連 1977/8 新大久保
国鉄初の新性能電車として101系(最初はモハ90系)が、MM’ユニット方式、平行カルダンドライブ、1300mm両開き4扉、7人掛けロングシートなどの新機軸をひっさげて、1957年に登場しました。しかし全電動車方式ではモーターの温度上昇、変電所の容量超過などの問題が次々と明らかになり、早々と方針変更を迫られる事態となりました。
そこで考えられた標準形通勤電車がMT比を1:1に近づけて、低コストで大量生産が可能な103系です。101系に搭載されて熱容量的に問題があった主電動機MT46A形出力100kW はMT55形,110kWに置き換えられました。
1963年から1984年の20余年に渡り、3447両が新造され、101系からの編入36両、72系からの編入20両を加えて総数3503両の大所帯となりました。といっても全車輌が同じ時期に揃ってはいないそうです。
試作車は1963年3月25日に2M2T構成の2編成が落成し、9ヶ月にわたる試運転を繰り返した後、12月28日から営業運転に入りました。
クハ103-1+モハ103/102-1+クハ103-2
クハ103-3+モハ103/102-2+クハ103-4
両端クハは方向転換可能な設計に、台車はTR62に変更を加えたTR62X、制御回路用ジャンパ連結器はKE58を2本、主幹制御器はMC39、ブレーキ弁はME40となりました。
101系ではM’車にパンタグラフ、第1遮断機(CB12)、M車に第2遮断機(CB13)としていましたが、103系ではパンタ、CB25形断流器,主抵抗器等をM車に集約しています。量産車の落成を前に1964年3月31日付けで試作車は900番台に改番され,番号表記も白文字から黒文字表記に改められました。量産化改造は1967年2~3月の入場時に実施され、台車や主要機器が量産車と同じものに交換されました。
クハ103-901~904
モハ103/102-901~902
鶯谷に進入する外回り電車 この頃の塗色は時間とともに退色して先頭のクハと2両目以降のような色の違いが目立つようになりました。
最初の投入線区は山手線で1964年5月に池袋、品川電車区に新製配置されており、この年度だけで202両が新製されています。
昭和38年度第3次債務車
クハ103-1~4 モハ103/102-1~4 サハ103-1~4 16
昭和38年度第4次債務車
クハ103-5~14 モハ103/102-5~14 サハ103-5~14 40
昭和39年度第2次民有車
クハ103-15~18 モハ103/102-15~18 サハ103-15~18 16
昭和39年度第2次民有車
クハ103-19~46 モハ103/102-19~46 サハ103-19~46 112
昭和39年度早期債務車
クハ103-47~50 モハ103/102-47-51 サハ103-47~50 18
以上が1964年度製造車両です。
昭和39年度第3次債務車
クハ103-51~74 モハ103/102-52~73 サハ103-51~72
このロットは1965年度上半期に製造されています。
ここまでが池袋、品川電車区のみに新製配置された車両です。またモハユニットに関してはモハ103+102で製造されているため番号が揃っていました。
私自身の記憶では山手線に101系が走っているのを見ており、さらにウグイス色の103系が走り出したのも記憶しております。101系に較べて、前面窓の上下幅が狭くなったせいか腰高で軽快感があり、前面連結器上の空気取り入れ口や側面戸袋窓上の空気取り入れ口の存在が印象的でした。そして停車時や発車時にスカーと空気が抜ける音がえらく大きい電車だとも感じました。
今はもう見ることが出来なくなった八角屋根の東京駅駅舎前を行く山手線103系電車
自分が撮った写真としては高校時代に高田馬場~渋谷間山手線を利用していたのでその頃の写真が最も古い写真となります。まずは、非冷房の時代、試作冷房車、量産冷房車、そしてATC準備工事車と行きたく思います。
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コメント
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こんにちは。モモパパです。
僕が子供のころは101系と103系の違いが分かりませんでした。
僕が学生時代に東京に居たころは山手線は103系の晩年。
あの頃が懐かしいです。
投稿: モモのパパ | 2014年6月20日 (金) 06時26分
B767さん、こんばんは(^^)お邪魔致します。山手線の103系ですね‼︎全部が非冷房車・低運転台車の10両編成、走ってましたね〜〜‼︎あ…新宿プリンスホテルだ‼︎この年に新宿プリンスホテルが開業し、西武新宿ペペがオープンし、西武新宿駅が新しくなったんですよね。
投稿: マスダっち1971 | 2014年6月20日 (金) 18時45分
モモのパパさま、こんばんは。
山手線の103系さらに205系、E231系と、替わるときはあっというまに替わって行くのがJR東日本流のようで、置き換え情報が出たときは早めに撮影しておいた方が良いみたいですね。
後に登場しますが低運転台量産冷房車はあっという間に装甲車のような高運転台車に置き換えられて行きましたね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2014年6月20日 (金) 20時03分
マスダっち1971 さま、こんばんは。
私も今回、あの103系の写真をアップする際に以前、マスダっちさんがPEPEのことを仰っていたのを思い出しました。
今回は早速、コメントありがとうございます。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2014年6月20日 (金) 20時05分
クハ415-1901さん、引き続きおじゃまします。
103系ウグイス色は私にとってこれぞ東京の電車というイメージですね。
旧東京駅舎とのコラボも絵になりますね。
投稿: やぶお | 2014年6月22日 (日) 19時21分
やぶおさま、こちらにもコメントありがとうございます。
人間、日常的なもの普段、当たり前のように目にするものは、大して興味を持たないことが多いと思いますが、いざそれがなくなるとなると慌てて記録し始めるようです。
今回、通勤電車シリーズを記述する際も、そう言った意味で日常の、あたりまえの電車をきちんと記録しておく大切さを私自身、感じました。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2014年6月23日 (月) 05時51分