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2014年7月 8日 (火)

1989年のDüsseldorf Airport その9 Olympic航空のBoeing 727

ベルリンの壁崩壊の年、1989年5月に留学中の西ベルリンから休暇で訪問したDüsseldorf空港で撮影した旅客機のシリーズ、前回までは大型3発機のシリーズとしてLockeed L1011 Tristar, McDonnell Douglas DC-10を紹介して参りましたが、ここでは4発機は撮影していないので、次は少し小さめの3発機シリーズということで、西ベルリンのテーゲル空港でもよく見たBoeing 727のシリーズに行こうと思います。

まず最初は、ギリシャのオリンピック航空です。

Sxcbe_boeing_727284_20201_765_mount
SX-CBE Boeing 727-284 cn 20201 ln 765 1989/5/4 DUS

ギリシャと言えば現在最終盤にさしかかっているFIFAワールドカップ第20回ブラジル大会において日本と同じグループリーグC組で戦い、第2戦の日本戦ではひとり退場者が出て10人になるものの、得点を許さず、スコアレスドローに持ち込み、第3戦のコートジボアール戦で後半終了間際(92分)にPKを獲得し、劇的な勝利をおさめ、勝ち点4,総得点2でグループリーグを2位で通過しました。日本も総得点は同じものの・・・。

決勝トーナメント1回戦では戦前は三優勝経験国、イタリア、イングランド、ウルグアイがひしめく死の組と言われたD組を一位通過したキプロスにPK戦の末で敗退しました。因みにベスト8に進出したキプロスは、オランダとの120分に渡る死闘の末、PK戦で敗れ敗退しました。キプロスの躍進は5月27日の日本代表との国際親善試合で0:1で敗北したことで修正をしたことにあったようで・・・。

その国営航空会社、フラッグキャリアーの歴史は、1930年に遡ります。最初に設立されたのはIcarusという名の会社でしたが数ヶ月間運航して、経営状況が悪化し、倒産しました。1935年には私有の航空会社、Technical and Aeronautical Exploitations (TAE)が創設されました。第二次世界大戦後、さらに2つの会社Greek Air Transporthellenic Airlinesが創設されました。
1951年にこれら3社を統合してTAE Greek National Airlinesとして国内線運航をDouglas DC-3で開始しました。さらに1950年には4発のDC-4を入手してロンドン線も就航させています。しかし、経営状態は芳しくなかったので1955年に政府は営業を終わらせています。

1957年4月6日にこの状態の航空会社をギリシャの海運王だったアリストテレス・オナシスが買収し、名前もOlympic Airwaysとしました。

1960年には最初のジェット旅客機であるde Havilland Comet 4Bを導入し、British European Airways (BEA)とコードシェア便の運航を開始しました。さらに1965年にはBoeing 707-320を発注し、翌年受領、ニューヨークJFK空港への直行便の運航も開始し、1968年にはアテネ、ナイロビ、ヨハネスブルクを結ぶアフリカ便の運航も開始しました。さらにBoeing 727-200も発注しました。

Sxcbe_boeing_727284_20201_765_mou_2
1971年
には老朽化したDC-3の置き換えのため日本航空機製造(NAMC)のYS-11を購入しており、ギリシャ国内、特に諸島部の連絡のためにOlympic Aviationという子会社も設立しています。また、中距離用としてNorthwest航空からBoeing 720-051Bを7機購入しており、Boeing747-200も導入しています。コンコルド導入に興味を示した時期もあったようです。

1973年1月22日、オナシスの息子アレキサンダーが航空機事故で死亡し、オナシスはオリンピック航空の全株式をギリシャ政府に売却、自身も息子の後を追うように1975年に死去したため、同航空に大きな転機が訪れます。このころから経営状態が悪くなり、1980年代には再三の経営トラブルに見舞われます。

1990年にはロードファクターの悪化もあってバンコク経由東京線の運航停止を余儀なくされ、ギリシャ政府も本格的なてこ入れを図ります。1974年にギリシャ政府が買収して国営航空会社になりましたが、一旦2004年12月に名称をOlympic Airlinesに変更して民営化を試みましたが失敗に終わりました。2009年9月に買い手が現れ、民営化となり、名称もOlympic Airとなりました。

Sxcbe_boeing_727284_20201_765_mou_3

SX-CBE 初飛行は1969年10月15日 Mount Athosと命名 2003年1月にギリシャ・アテネ空港でスクラップ

現在の立場はAegean Airlinesの子会社でギリシャの一地域航空会社です。

Olympic Airlines時代までのフリートリスト

3         Airbus A300-605R
12        Airbus A300B4-100
3        Airbus A320-211/214
4        Airbus A340-313X
7        ATR 42-300
7        ATR 72-200
8        Boeing 707-320
3        Boeing 717-200
7        Boeing 720-051B
2        Boeing 727-30
10        Boeing 727-284
15        Boeing 737-284
7        Boeing 737-3M8/36N
5        Boeing 737-412
13       Boeing 737-484/4Q8
1       Boeing 747-133
6       Boeing 747-212B
15      Britten Norman BN2 Islander
5       Bombardier Dash 8-102
9       Dornier Do 228
6       de Havilland Comet 4B
14      Douglas DC-3
2       Douglas DC-4
13      Douglas DC-6
1       McDonnell Douglas MD-83
10      NAMC YS-11
4       Shorts Skyvan
6       Shorts 330
2       Jakovlev Yak-40

記事作成にあたり。英語版Wikipediaの当該記事の内容を参考に致しました。

ネットでSX-CBEと検索すると、アテネの空港でスクラップにされて、キャビン前方部分がごろん転がっているショッキングな写真などが出てきますね。

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コメント

こんにちは~。モモパパです。
いや~。
いつもながら航空会社の変遷に詳しくてらっしゃるんですね。
僕の知らないことばかり。
いやはや脱帽です。
勉強になりますよ。

モモのパパさま、おはようございます。

わたしも最近は鉄道一辺倒で,殆ど空港では写真を撮っておらず,最近のLCCや新鋭機については知らないのですが、かつて撮った写真を紹介するにあたり、ネットでいろいろ調べてみると航空関係の方は機体一機レベルで情報があるので、調べやすいと感じております。

あまり経営上のことには興味がないので、その辺の話は省いてありますが。

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