近江鉄道ミュージアム訪問記 その4
2014年8月9日の公開日、近江鉄道ミュージアムで見学した車両の話題ですが、今回はロコ1101形です。
1101形 電気機関車 2014/8/9 近江鉄道ミュージアム
この機関車は1930年に当時の阪和電気鉄道が発注した30t凸型機関車で、東洋電気(電気関係)と日本車輌(車両関係)の合作で1両のみ製造されました。軸配置はB-Bで天王寺駅構内での国鉄との貨車授受作業に充当されました。駅構内には33/1000勾配があったため、発電・回生ブレーキを装備していました。
1500V高圧直流車でありながら、路面電車などと同様の直接制御方式を採用している点がユニークで、タイトな構内配線と急勾配の連絡線という使用環境で間接制御によるノッチ操作のレスポンスの遅れを嫌って敢えてこの方式を採ったのではと考えられています。
阪和電気鉄道はもう1形式ロコ1000形(後の国鉄ED38形)も製造しており、こちらは本線用電気機関車で、1号機は今でも秩父鉄道の三峰口駅に保存されています。
中央の運転台を挟んで前後のボンネットが点対称形にオフセットされています。
1940年、阪和電気鉄道は南海鉄道によって合併され、さらに1944年、国家買収で国鉄阪和線となり、使用は継続されていましたが、1950年廃車となり、翌1951年7月10日、近江鉄道に払い下げられました。入換え機としてはかなり優秀であったため、彦根駅構内、および住友セメント彦根工場専用線の入換え専用機として、1986年6月30日まで使用されました。2000年に近江鉄道本線にATSが設置された際に、同機には設置することができず、本線での運用が不可能となりました。近江鉄道での廃車は2004年だそうですが、今でも自走可能な機械として登録され、保存されています。
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