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2014年11月23日 (日)

通勤電車シリーズ 103系 15 山手線・中央快速線に高運転台クハ登場

1974年1月、山手線にATC準備工事車が登場し、103系クハの顔は大きくモデルチェンジしました。
そもそも山手線、京浜東北線のATC導入が決まったのは、1972年6月23日日暮里駅で京浜東北線北行き電車に山手線内回り電車が追突する事故が契機となりました。さらに東北新幹線が建設されると電磁誘導により、ATS-Bが使用できなくなるという背景もあったそうです。

日暮里駅構内追突事故
京浜東北線北行第1332C電車(桜木町発大宮行き)が日暮里駅で客扱いを終了し、2分遅れで発車したところ運転台の戸閉表示灯が消灯したためブレーキを掛け、約90m進んだ所で停止した。後続の山手線内回り第1370電車の運転士は(当時は線路保守のため、データイムは田端 - 田町間で山手線と京浜東北線が同じ線路を走行していた。)鶯谷駅を1分遅れで発車し日暮里駅に進入しようとする際、先行列車がホーム中央部分に停車しているのに気付き、非常ブレーキを掛けたが間に合わずに追突し、143名が負傷した。山手線の運転士が場内信号機の制限速度を超過して運転していたのが原因とされた。追突されたクハ103-544、追突したクハ103-111は数年後復帰し、大阪環状線で長らく顔を合わせることになった。
103 駒込~田端間を行く高運転台クハ先頭のフル冷房車編成

1月から4月にかけて、21本42両がまず投入されました。これらは昭和48年度第3次民有予算で製造されました。

クハ103-269~316
モハ103-414~460 モハ102-567~569
サハ103-360~372

1)京阪神緩行線新性能化用に7連8本が投入され、中間5両は直接投入、両端クハは前年に山手線に投入されていた低運転台形の量産冷房車クハを置き換え、低運転台クハが高槻区に転属しました。   
クハ103-215, 216, 223, 224, 225, 226, 227, 228, 229, 230, 233, 234, 239, 240, 267, 268

2) 阪和線新性能化用として6連10本が山手線に投入され、捻出された低運転台、非冷房、非ATCタイプの6連10本が鳳区に転出しました。
クハ103-15, 16, 17, 18, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 45, 46, 51, 52, 59, 60, 87, 96, 132, 133 (87は浦和区から、96は池袋~蒲田~鳳)
103_15_3b_1御徒町に進入する内回り部分冷房車編成

3) 横浜線増強用として10連1本、4連2本が山手線に投入され、捻出された低運転台、非ATCタイプの非冷房車18両が横浜線に転属しました。
クハ103-48,71, 75, 80, 125
103_atc_7405 中央快速線にも登場したATC準備工事対応のクハ103高運転台車 八王子
クハ103-311~316が豊田区に新製配置されています。

4) 京阪神緩行線新性能化用に7連3本が新製され、山手線にATC準備工事車を投入しても冷房車がもう無いため、中央快速線の量産冷房低運転台クハと置き換え、豊田区から高槻区にクハが転属しました。 
クハ103-219, 220, 221, 222, 237, 238    

(転出はクハのみ記述しています)。
このため、山手線のクハは非冷房、試作冷房、ATC準備工事と3種類のクハに、中央快速線は量産冷房低運転台、ATC準備工事高運転台の2種類となりました。中央快速線に103系オリジナルクハの冷房改造車が入線したのは1977年からでした。

1974年9月15日の敬老の日から山手線にもシルバーシートが導入されました。シルバーシートは前年の敬老の日に中央快速線に導入されましたが、シンボルマークは反転したバージョンだったそうです。

103_2 クハのみ冷房車の編成 当時はキセル冷房編成と言われました。

1975年には京阪神緩行線新性能化用に7連11本が投入され、山手線のクハが11本分高運転台車となりました。

昭和49年度第1次債務車
クハ103-337~358
モハ103-477~499 モハ102-633-655
サハ103-381-392

クハのみが冷房車でも電源がないので、冷房装置は働かず、漫才ネタで「運転士と車掌だけが涼んでいる編成」というのもあったとか。山手線への投入、クハ103-269からのロットは池袋区でしたが、今回のロットは品川区でした。

103_790923 山手線では2種類の103系クハが共存する時代がしばらく続きました。 池袋

部分冷房車編成は既製車の冷房改造でフル冷房編成になって行きました。山手線103系の冷房改造は1975年から開始されました。

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電車103系」カテゴリの記事

コメント

B767しゃん、おはようでごんす(^◇^;)お邪魔致しますよm(_ _)mついに‼︎登場しましたか‼︎103系の高運転台車が。最初は…山手線に配属ですね。次に中央線快速線に配属ですか。5枚目の画像、池袋ですが…東武東上線の8000系がチラ見してますな(^◇^;)

マスダっち1971さま、こんばんは。

コメントありがとうございます。
山手線、中央快速線 そのあとに京浜東北線の順番でしたね。山手線はいつも池袋区が先で、品川区は後でした。

池袋では確かに東上線の8000系が見えますね。

B767−281様 今晩は。最初に見たのはトタででした。しかもイケ配属の車。当時はまだまだ現場はゆったりしていたのか、見学は簡単にできました。案内してくださった現場の方曰く。高速線区でもないのに運転台を高くする必要はあるのかな、でした。人間工学的配慮でマスコンやブレーキ弁が斜めになっているのもどうも操作しにくいち仰っていました。プロの感覚は結構保守的なのかもしれません。言い換えると慣れていることが重要なのかなとも思いました。さて中央線に配置された高運転台クハの中でも311、312は他線区を経て後年武蔵野線用としてトタに出戻りするという数奇な運命をたどることになります。夜分お邪魔いたしました。

細井忠邦さま、おはようございます。

なるほど、高運転台のクハにおいてはそういった機器の設置の違いもあったのですね。乗務員にとってみればそう言った違いが微妙に影響しますね.我々もクルマを運転する際にハンドル、シート、ミラーの設定が変わると気になりますからね。

クハ311~316の6両の履歴を見てみると、1981年11月頃、皆蒲田に転出し、311,312,314が1988年11月頃、豊田区に戻っていますね。
今度は武蔵野線、投入だったのですね。

B767しゃん、おはようでごんす(^◇^;)またお邪魔致しま〜すよm(_ _)mところで‼︎5枚目の池袋駅のホームの画像なんすが、当時赤羽線は…どちらのホームから発着していたんすか!?

マスダっち1971さま、こんばんは。

池袋駅の歴史を見てみると赤羽線のホームが変わったのは1983年からのようですね。この写真は1979年頃だと思いますので、まだ東上線の向かいのホームから出発していたと思います。

中央快速線の高運転台103系には“特別快速”のヘッドマークが本当によく似合ってました。まだ電車に1人で乗れない幼い頃、親から特別快速が来たら絶対に白線乃内側に引っ込めと言われたものです。特別快速には冷房改造された101系も入ってはいたものの、殆どのケースでこの高運転台の103系でした。
中央快速線の103系は昭和50年以降になると101系のサハを103系化改造したサハ103-750番台が混入されるようになり、クハ103だけ非冷房でモハはユニット窓の極上新車でサハは750番台…なるかなりバラエティーに富んだ編成が短期間活躍してました。ただ京浜東北線から編成ごと冷房改造されてミツに転属してきたのはオレンジバーミリオンの塗り方が雑なのが何本か見られて、こんなところにも国鉄末期の労使関係の軋みが出ていたのかな?と感じました。

ねこたろうさん、こちらにもありがとうございます。

中央線の特別快速、デビューしたときは少し細めの看板を運転室窓の上部に掲げていました。確か7月頃のデビューで冷房改造の101系編成が優先的に投入されました。

それ以降、103系、量産冷房車の時代になり、サハ103の750番台なども登場しましたが、あの頃は中間車の写真を記録しておこうというフィルム的余裕がない時代でした。

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