東葉家族車両基地まつり その2
東葉高速鉄道の車両基地公開、今回は床下見学編です。
車庫の中では2000系 2002編成が床下見学用に停められていました。
2000系は東京メトロ05系13次車(2004年度製造の第40~43編成)と共通の設計で開発され、日立製作所の提唱した「A-train」
(次世代アルミ車両システム:AはAdvanced・Amenity・Ability・Aluminumからとられている)製造技術を採用して製造されています。
車両のコンセプトは「安全性の確保」、「人と環境に優しく」、「快適性の追求」、「ライフコストの低減化」とのことです。
東葉高速2000系と共通設計の東京メトロ05系43編成 2010/4/3 西荻窪
2000系は2004年度に3編成、2005年度に4編成、2006年度に4編成導入され、10編成分は1000形の代替新造、1編成は2007年度以降の輸送力増強用という名目でした。
ATC装置
東葉高速線内はWS-ATC方式 (国鉄ATC-3型と同じで103系1000番台、1200番台に搭載されていました)、メトロ線内は新CS-ATC方式(国鉄ATC-10型と同じ方式で信号現示を0/10/10-80間5km/h刻みとして、閉塞数を細かくした方式)で対応しています。
ATS-Pは搭載していないため、JR線内(中央緩行線)に乗り入れはできませんが、メトロと共通の機器のため、本来乗り入れない中央緩行線内の放送にも対応しているそうです。
日本語放送は敢えてメリハリを付ける意味で、東京地下鉄とは異なるアナウンサーで、英語放送は外国人乗客に安心感を与えるとのことで、東京地下鉄と同じアナウンスにしたそうです。
ブレーキ継電器装置とTIS装置
TISはTrain-control Information Management Systemの略で1988年の営団地下鉄03系からモニタ情報の表示だけでなく、マスコンやブレーキハンドルからの運転操作も直列伝送で送信する制御伝送装置として三菱電機製の装置が搭載され、後の標準装備となったそうです。
2000系の運転台、見苦しい写真ですが、右上にTISのモニタ画面が見えます。
VVVF制御方式にとっては必須の半導体制御で発生する高調波等の電気的ノイズを架線やレールに流さないためのフィルタリアクトル (中にコイルが入っています)
制御装置は三菱電機製のIGBT素子を使用したIPM (Intelligent Power Module) 方式の2レベルVVVFインバータ制御方式を採用し、主電動機の出力は165kWです。
補助電源は東芝製240kVA容量のSIVを搭載し、各種電力を供給しています。
台車はメトロ05系11次車以降と同一設計のモノリンク式軸箱支持構造のボルスタレス台車SS168・SS068形です。
SS068 台車 銘板 2004年11月製造
中でも興味深かったのが制輪子(ブレーキシュー)の展示で
制輪子は付随車と電動車で異なった材質のものを使っており、上の写真の黒い方が付随車用、青い方が電動車用だそうです。
左側が使用前、右側が使用後です。如何にすり減っているかがよく分かります。
勉強になったのは、電動車用の制輪子の方が付随車用に較べて硬い材質の制輪子を使っているとのことです。電動車の車輪の踏面を硬い材質の制輪子で抑えることによって、敢えてザラザラ感を増し(摩擦係数を上げて)レールに対する粘着性を上げているとのことでした。
床下見学した2002編成の車内も見学しました。座席モケット地は常緑樹をイメージした配色で床板は習志野台地の土を表現し、座席袖仕切りは楓の木目で安らぎと高級感を出しているそうです。写真ではよく見えませんが、ロールカーテンは千葉県の花である菜の花が丘陵一面に咲いたイメージを出しているそうです。
前面のデザインはメトロ05系8次車(第25-27編成; 5年間のブランクを経て製造されたために、05N系と呼ばれています。)と類似しています。
車体の帯の3色はサンライズの赤、デイタイムの白、サンセットのオレンジを意味しているそうです。
今回はここまでです。
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