速報 San Diego便り その2 San Diego Trolley part3
San Diego Trolleyの話題、前回の記事ではGreen Lineの命名から今日に至る変化を中心に触れましたが今回はOrange LineとBlue Lineについて触れようと思います。
San Diegoの軌道による公共輸送システムは鉄道馬車によるOpen-air street carでHamilton StoryとElisa Babcockが1886年7月3日に5th Streetに走らせたものが最初と言われています。運賃は5セントでした。翌年には電気で動くStreetcarの試運転が始まり、11月19日から営業運転を開始しました。
その後、会社乱立の数年が過ぎ、1892年11月30日に砂糖産業の創立者で企業家だったJohn D. Spreckelsがそれまでのシステムを統一してSan Diego Electric Railway (SDERy)という会社にまとめました。最初はthe Fifth Street and Logan Heights 線、the First and "D" Streets 線、 the Depot 線、 the Ferry 線、そして the "K" Street シャトルの5本線からスタートし、交通量の増加に合わせてネットワークを拡大して行きました。ピーク時に路線の総延長は165マイル(266km)に達しましたが、自動車の発達ともに衰退し、1949年に市電は全部バスに置き換えられました。
一方でJohn D. Spreckelsは1906年にSan Diego & Arizona Railway (SD&A)を設立し、San DiegoとEL Centroの間146.4マイル(235.61km)を結びました。しかし、こちらも財政難などで1932年に一旦、Southern Pacific Transportation Companyに所有権が移り、1933年にPacific San Diego & Arizona Eastern Railway Company (SDAE)が設立され、所有権が移りました。SD&AEはオリジナルの路線のうち108マイル(174km)に相当する路線を4分割して今日、貨物輸送に使用しています。
そのうちのひとつがBlue LineのSan DiegoからSan Ysidroまでの15.5マイル(24.94km)とOrange LineのSan Diego からEl Cajon までの19.2マイル(30.90km)です。
今日の復活の始まりは1966年頃からSan DiegoにTrolleyシステムを復活させようという考えが起こり始め、当時の最新技術の導入と路線の検討が開始されました。1976年にはMetropolitan Transit Development Boardが立ち上がり、新交通システムによる路線の可能性をメインに検討されますが、同年ハリケーンKathleenが襲来し、SD&AEの貨物輸送に大きな打撃を与え、貨物輸送の重要性が再認識されることとなりました。これが大きなきっかけとなり、貨物を残しつつ、新たな旅客輸送システムを作るということで、今日のTrolleyシステムが決まりました。
1981年にまずSouth Lineとして13.5マイル(21.7km)の今日のBlue Lineの路線が開業、1984年には複線化、1986年にはEast Lineとして今日のOrange LineがEuclid Avenueまで開業、1989年にEL Cajonまで延伸され、さらに1995年にはSanteeまで延伸されました。一方、北方には1996年にOld Townまで延伸、さらに1997年、Mission San Diegoまで延伸されました。
Orange Lineの終点 El Cajon TCに到着した4000+2000+4000タイプの3併結編成 2015/1/9
San Diego Trolleyは道路と同じ、右側通行方式で、すでに折り返し(画面奥に進む線に入線しています)。一方、この駅から先のSanteeまで行く、Green Lineの車両は手前の線に入線します。
駅と言っても改札口はありませんが、このようなスタイルの駅舎が多いです。
そしてTC (Transit Center)と付く駅には接続するMTSのバスが駅前で待機しています。前面のキャリアは自転車を運ぶためのものです。
路線図にあるようにOrange LineとGreen LineはGrossmont TC付近で合流しますが、ここには駅はなく信号所のようになっており、線路は平面交差しています。手前がSantee方面、左手先がOrange LineのSanta Fe Depot方面、車両の進行方向右手がGreen Lineの12th & Imperial となります。
こちらはBlue Lineの南の終点、San Ysidro TC/Tijuana
1000番台や2000番台車は低床式ではなくステップがあるため、車椅子等での利用の際は車両の運転席横のドアがリフト式になっており、このようにして車椅子等での乗り降りを助けています。3000番台以降は低床式なのでどのドアからでも乗り降りできるようになったようです。
また、Blue Lineで運用される車両は写真のような2000番台3併結の編成がメインでした。
メキシコとの国境 国境の向こうのメキシコ側の街がTijuana 日本語でティファナ アメリカ側からメキシコ側へはここから徒歩で入国可能で逆行不能の回転ドアを通るだけだそうですが、私はまだここを通って入国した経験はありません。メキシコからアメリカへの入国は密輸、密入国の問題もあり、結構、厳しいようです。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 速報 San Diego便り その2 San Diego Trolley part2 | トップページ | 速報 San Diego便り その2 San Diego Trolley part4 »
「海外の鉄道」カテゴリの記事
- 武蔵野線北府中駅、東芝府中工場から続々と出荷される 台湾鉄路管理局500型 電機 ( 台鐵E500型電力機車)(2024.05.28)
- 直方市石炭記念館の蒸気機関車 Koppel 32号機(2020.08.31)
- 62年半の人生におけるセネガルとの接点(2018.06.22)
- Omaha in Nebraska に来ています その3(2018.05.28)
- Omaha in Nebraska に来ています その2(2018.05.27)
「路面電車」カテゴリの記事
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 3日目 嵐電から始まり、阪急PRiVACE、JR、阪急2300系で締めくくり(2024.09.05)
- 速報版 2024年晩夏 京都の旅 2日目 午前中は嵐電、午後は叡電を満喫(2024.09.04)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part5 モボ2001形(2024.08.14)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part4 モボ631形(2024.08.13)
- 2023年晩夏の関西旅行 嵐山電鉄編 その3 嵐電の車両 part3 モボ611形(2024.08.12)
「近郊形電車」カテゴリの記事
- 通勤電車シリーズ 205系 41 東北本線・日光線用 600番台の登場 part3 107系の塗色を継承した600番台(2022.03.28)
- 通勤電車シリーズ 205系 39 東北本線・日光線用 600番台の登場 part1 東北本線 小金井~宇都宮~黒磯間(2022.03.23)
- 2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 7 戸倉車両基地(2021.05.05)
- 2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 6 戸倉駅へ(2021.05.04)
- 2021年春、再び信州へ しなの鉄道と小海線の旅 5 軽井沢駅でSR1系一般車に遭遇、乗車(2021.05.03)
« 速報 San Diego便り その2 San Diego Trolley part2 | トップページ | 速報 San Diego便り その2 San Diego Trolley part4 »
コメント