速報 San Diego便り その4 Amtrakについて part1
San Diegoの鉄道の話題、今回からはSanta Fe Depotに発着する旅客列車の話題です。
この駅は下の図が示すように
San Diego市内、周辺を結ぶTrolleyと長距離列車の乗換駅です。いわば、上野駅や新宿駅のような機能の駅ですが、極めて開放的です。厳密に言えばどちらのホームに相当する場所も乗車券なしに入場はできないことになってはいますが・・・。そもそもプラットホームの高さが、路面電車の安全地帯の高さなので駅という感じがしないのかも知れません。
長距離列車には大きく分けて2つの種類の列車があります。
ひとつはSan Diegoのここを南のターミナルとして北方のLos Angeles Union StationさらにSan Luis Obispoを約8時間半で結ぶAmtrakの列車 Pacifc Surflinerで走行距離は560kmです。もうひとつはNorth County Transit District (NCTDによって運行されているCOASTERと呼ばれる通勤列車です。こちらはOceanside Transit Centerまでの8駅を1時間で結んでいます。
この記事ではPacific Surflinerの主に機関車について触れます。
現在の形態で運行を開始したのは2000年6月1日のことですが、それまではアッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道(ATSF)がLos Angeles~San Diego間を南行きThe Angel、北行きThe Saintという列車を運行していましたが、1971年にAmtrakが発足したことで引き継がれ、1988年にはSanta Barbaraまで延伸し、2000年にSan Luis Obispoまで行くようになりました。Amtrakは日本で言う第二種鉄道事業者で線路は各セクション毎に別の会社が所有しており、オレンジ郡・サンディエゴ郡境界~サンディエゴまでの区間は後で紹介するCOASTERを運行しているNCTDが所有しています。Amtrakの運行路線の中ではアメリカ東海岸ボストン~ニューヨーク~ボルチモア~ワシントンDCを結ぶAcela Express や Northeast Regionalで構成されているいわゆるNEC路線についで人気の高い路線です。
編成は機関車+Business Class Car+Coach x 3+Coach Cafeといった形態で客車はすべて2階建て客車で機関車は客車の屋根の高さがそろったEMD F59PHIで塗装も揃えてあります。終端駅で機回しをして機関車を先頭にするといったことはせずに客車の反対側のエンドに運転室がついた制御客車がついており、編成はそのまま推進運転で出発して行きます。
機関車のEMD F59PHIはいわゆる電気式ディーゼル機関車でGeneral Motors (GM)の電機部門の製造でしたが、現在はその後継会社のElectro-Motive Dieslが受け持っています。1994年から製造され、3200hpのEMD 12-710G3c-ECエンジン(12気筒)で発電機を回し、その電力でモーターを回します。最高速度は110mph (176km/h)出るそうです。駆動用以外にサービス電源用の発電機も搭載しており、交流60Hz 480Vが得られます。1994年のデビュー以来、カリフォルニアの厳しい環境基準に適合した最初のアメリカ製機関車になったそうです。
EMD F59PHI #450 2010/1/13 Santa Fe Depot
この450号機は予備機扱いなのか、今回もSanta Fe Depotに客車なしの状態で駐機しています。向きはこのときとは逆向き(北向き)ですが。
#453 機関車と客車が塗装的にも一致して大変美しい編成です。 2009/1/14 Santa Fe Depot
#456 たまたま給油中のところを見たこともありました。タンクローリーがやって来て駅で堂々と給油するようです。 2009/1/14
#458+#460の重連 これも珍しいシーンですが、前の機関車は回送なんでしょうか? 2015/1/9
#459 2003/1/13
機関車は北向きと南向きがいますが、見た限り奇数、偶数で向きが異なるようでは無いようでした。
#461 2007/1/18 このプラットホームの風景が南国的雰囲気を良く出しています。
#462 2010/1/13
おそらく郊外では驀進しているのかと思いますが、Santa Fe Depot駅周辺、とくに南の待避線等へ引き上げるときや北方からやってくるときは鐘を鳴らしながらそろりそろりとやってきます。出発のときも汽笛一声はありません。
次回の記事で客車について触れます。
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