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2015年2月27日 (金)

東海道新幹線開業から50年 その11 300系の登場 part2

東海道新幹線、開業から半世紀、今回は前回に続いて、300系です。

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偶然、新大阪駅で見かけた J2編成 2005/7/8

1990年に量産先行試作車J0編成が登場し、高速走行試験が実施され、量産化の目処がたった1992年1月から3月にかけて、第1次量産編成としてJ2~J5が落成しました。

1992年3月14日のダイヤ改正からの導入時は早朝・深夜の「のぞみ」2往復と日中の「ひかり」(東京~新大阪)1往復に投入されました。「のぞみ」は東京~新大阪間を2時間30分で結び、料金も別体系の列車としてスタートしました。朝の下り「のぞみ301号」は新横浜に停車した後、名古屋、京都を通過する設定で、名古屋、京都方面からは総スカンの声が上がったのを記憶しています(名古屋とばしと言われ、社会問題化しました)。ダイヤ的には、8-3ダイヤといわれ、「のぞみ」はダイヤの規格外でした。

編成は
←博多
号車 1  2  3   4  5  6  7   8  9  10   11  12  13   14  15  16
       323 325 329 326 325 328 326 315 319  316  325  328  326  325  329  322
       Tc  M1  Tpw M2 M1w Tp M2k M1s Tps  M2s  M1h  Tp  M2w  M1  Tpw  M'c

300系の特徴は2M1Tの3両で1ユニットとなる構成で、博多より先頭車はTcで、この車両はユニットに属さず、以降の15両が5ユニットに分割される構成となっています。こういった3両ユニットはイタリアのETR460やドイツのICE3での採用などの例はありますが、日本では今のところ唯一の例だそうです。

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イタリアのETR460 Pendrinoの技術をベースにフィンランド国鉄VRが導入した特急ペンドリーノ 2008/8/17 Tampere

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ICE 3 2009/3/13 Gare de l'Est
TGV高速線の東方延伸で、ドイツからはICE3がパリ東駅に顔を出しました。

グリーン車は315形8号車と319形9号車、316形10号車の3両となり、315形と316形が電動車で主変換装置等を装備し、319形が付随車で主変圧器を搭載しました。設備は316形に車掌室、319形に荷物保管室、業務用室、便所、洗面所となっていました。

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J25編成 2003/3/29 新大阪

300系量産車は試作車に較べて、屋根の高さが50mm高くなりました。前面窓ガラスの形状も変化し、眺望改善から、側窓位置は50mm下げられました。試作車にはあった前頭部の膨らみはなくなり、スカートの分割ラインのパターンも代わりました。帯色も試作車登場時は水色でしたが、量産車は従来の青色20号となりました。

運転台付き車両は博多向きTc325形便所、洗面所付き、東京向きM2c322形でした。

普通車の中間車は
325形で0番台、2,14号車、500番台5号車便所、洗面所付き、700番台、11号車、便所、多目的室、洗面所、車内販売準備室、車椅子対応設備
326形0番台、4号車、400番台、7号車、便所、洗面所、車内販売準備室付き、500番台、13号車、便所、洗面所付き
328形付随車 6,12号車
329形付随車 0番台3号車、500番台15号車 

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東海道線大高駅付近を疾走する300系 2009/3/21

1993年3月18日のダイヤ改正で「のぞみ」毎時1本化(1-7-3ダイヤ)、山陽新幹線での運転に対応するため、1992年9月から1993年3月にかけて、2次車として、10編成(J6~J15)が落成しました。また、JR西日本のF1~F5編成、3000番台もこのとき落成しました。東京~博多間の長距離運転に向けて水タンク容量が増大され、車内騒音低減のため、モータ電流値の変更や防音板の挿入が行われました。
F編成はインテリアを変更して、「都会的なセンス」と「家庭的な暖かみ」の両立をデザインコンセプトにしてJR西日本色を強調したそうです。

300_f5_080906 JR西日本のF5編成 2008/9/6 名古屋

1993年3月10日、J0編成は量産化改造を受け、J1編成になりました。この際に、329形の15号車は329-9002から329-9501に改番されました。

3次 1993年3月から1994年7月 J16~J23  F6~F9 0系置き換え
このロットでは設計変更が行われ、これまでプラグドアを採用していた乗降扉が通常の引き戸に変更されました。

4次 1994年11月から1995年6月 J24~J29 

1995年1月17日の阪神・淡路大震災では高架橋の落下などにより、新大阪~姫路間が長期間にわたって不通となり、4月7日まで山陽新幹線での「のぞみ」の運転が中止されました。

5次 1995年8月から10月 J30~J33
5次車から、乗り心地対策として、6号車319形に設置されていたパンタが省略され、1編成2パンタとなりました。

6次 1996年1月から6月  J34~J37

1996年3月16日の改正で東海道区間における1時間あたりの最大本数が2本に増加されました。

7次  1996年7月から1997年3月 J38~J45

1997年3月22日のダイヤ改正で500系「のぞみ」が登場しました。

8次  1997年5月から1998年3月 J46~J57
        この間に700系先行試作車C1編成 JR西日本は500系 9編成 が製造されました。

300_j61_090404 300系 最終編成のJ61編成 2009/4/4 浜松

9次  1998年7月から1998年3月 J58~J61   
このロットではパンタがシングルアーム式に換わり、カバーの形も変更されました。他の編成も追って変更されました。
(300系の製造年次は、Wikipediaと新幹線車両図鑑などで次数の数え方に違いがあるようで、ここでは後者を参考にしました)。 

2001年には500系、700系が増備され、300系は「のぞみ」から撤退、以降は「ひかり」「こだま」運用に就き、2007年にはJ1編成が引退し、2012年3月のダイヤ改正で、全廃となりました。

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コメント

B767ー281様お早うございます。300系、やはり騒音「問題」があったのですね。そう言えば一度グリーン車なのにインバータ音(?)が耳障りだったので車掌さんにお願いして席を変えていただいたことがありました。高速化の為いろんな工夫をした車両。ある意味パイオニアの悲劇(大袈裟ですが)でしょうか。これからも楽しみにしております。

細井忠邦 さま、こんばんは。

私も航空機で座席のリクライニングの具合が悪くて席を替えてもらった経験はありますが、新幹線で騒音でというのは初めて聞きました。

確かに、インバータの発する周波数というのは気になる場合は気になりますね。そしてそれがグリーン車であれば、なおさらでありますね。

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