1989年のDüsseldorf Airport その30 SAS DC-9
冷戦下の西ドイツ、Düsseldorf 空港で撮影した写真の紹介シリーズも30回目となりました。今回は我が国でもなじみの深い、スカンジナビア航空 Scandinavian Airlines System, SASのDouglas DC-9です。
LN-RLC cn 47179 ln 335 McDonnell Douglas DC-9-41 1989/5/4 DUS
こちらはノルウェーのレジのDC-9
スウェーデン4、デンマーク3、ノルウェー3の割合で出資して、それぞれの国の政府が50%の株式を保有するという3カ国によるナショナルフラッグキャリアーです。ストックホルムのアーランダ国際空港がアメリカ、カナダなどの大西洋路線の拠点に、コペンハーゲンのコペンハーゲン国際空港が中国、日本などアジア諸国への便の拠点となっています。
その歴史は1918年、2月ノルウェーにDNL(Det Norske Luftfarsrederi)、10月デンマークにDDL(Det Danske Luftfarselskab)、そして1924年スウェーデンにABA(AB Aerotransport)が設立されたことに始まります。1940年6月にこの3社の合併の合意がなされたものの、ナチスドイツのノルウェー侵攻で白紙となりました。第二次世界大戦終結後の1946年8月1日、漸く設立にこぎ着けます。1946年9月17日、最初の運航が開始されました。
1951年4月、南回りバンコク線を延長する形で日本への乗り入れを開始した我が国にとって古参の国際線キャリアーです。またポーラールートの開拓に積極的で、1954年にはDouglas DC-6Bを使い、コペンハーゲンとロサンゼルスを、グリーンランドのSøndre Strømfjord、カナダのWinnipeg経由で結び、さらに1957年にはDC-7Cによるアンカレジ経由コペンハーゲン~東京便も就航させています。当時、ソ連はシベリア上空通過を承認していなく、中国も解放されていなかったため、アンカレジ経由のルートは北極経由の世界一周サービスとして広めました。その後、続々とヨーロッパのキャリアーがこのルートに参入しました。
因みに余談になりますが、地球温暖化で北極の氷が減り、ヨーロッパから、アイスランド、北極海経由でアラスカに抜ける海路が開けるというニュースも数年前に聞いたことがありました。
1959年、Sud Aviation SE210 Caravelle の運航が開始され、ジェット時代に入り、1971年にはBoeing 747 の運航も始まりました。またこの時期にタイ政府との合弁でタイ国際航空を設立しています。
その後、ノルウェーのBraathens、 Widerøe、スウェーデンのLinjeflyg、Skyways Express、デンマークのCimber Airなどの国内航空を傘下に入れ、さらにコンチネンタル航空の親会社のTexas Air Corporationの株式の18.4%と取得し、British Midlandの20%やスペイン第二の航空会社Spanairの95%を手に入れ、グローバルな経営展開を進めました。
1997年5月にはエアカナダ、ルフトハンザ、タイ、ユナイテドとともにスターアライアンスを設立しています。尤もこの4年前にKLM、オーストリア航空、SwissairとAlcazarと呼ばれる企画で航空連合を作ろうとしましたが、失敗していました。2001年、出資に関して変化があり、それぞれの国の比率が半分に抑えられ、残りの50%が公開株式となりました。
その後、アメリカの9.11による航空不況やLCCの台頭によるコストの削減など経営を取り巻く環境は悪化していますが、2013年には久しぶりに営業利益がある決算となり、なんとか持ち直してきているようです。2014年は再び、赤字に転落しましたが。
OY-KGH cn 47493 ln 562 DC-9-41 1989/5/7 DUS
こちらがデンマーク国籍 OY-KGHといえば、Starallianceの初期に登場したSASの胴体輪切り塗装のBoeing767-383/ER OY-KDH を思い出します。
現在のフリートは
Airbus A319-100 4
A320-200 13
A320neo 30 ordered 11 opt
A321-200 8
A330-300 4 4
A340-300 8
A350-900 8 6
Boeing 717-200 5
737-600 27
737-700 30
737-800 29
Bombardier CRJ900 12 となっています。
スカンジナビア航空の塗装、現在は灰色をベースに、紺と赤をあしらったものに変わっていますが、個人的にはこちらの塗装の方が好きでした。
DC-9は全部で66機運航されており、そのリストをいつものようにPlanespotterslist.netのデータを参考に作成しました。
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コメント
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B767ー281様お早うございます。SASと言えばバイキングの船のドラゴンが頭をもたげているチートラインが懐かしいです。ここもダグラスのお得意様でした。オーダーを見ると上手にエアバスとボーイングを使い分けているようで、今日の航空会社の典型的な姿勢かな、と思います。JALはエアバス発注でそれに近づいたのはいいな、と思います。ファンとしては様々な機種が見られるほうがいいですから。またまたお邪魔いたしました。
投稿: 細井忠邦 | 2015年4月24日 (金) 07時16分
細井忠邦さま、こんばんは。
仰る通り、最近各国のエアラインは一辺倒ではなく、うまく2大メーカーの機体を使い分けていますね。そういえば月刊エアライン誌の先月発売号の特集テーマもフリートの使い分けでした。
ルフトハンザは如何にBoeing747-8 とAirbus A380を使い分けているか。
読まなくてはと思いつつ、1ヶ月があっと言う間に過ぎてしまう今日この頃でありますが。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年4月24日 (金) 21時27分