パリの6つのターミナル駅巡り リヨン駅 3 TGV Sud-Est
パリの6つのターミナル駅巡り、フランス南東方面に向かう列車が発着するリヨン駅の3回目ですが、今回もTGVの話題です。
TGV Sud-Est 6編成 2007/6/3 Gare de Lyon
TGVのタイプは最初に登場したSud-Est, LGV大西洋線開業で登場したAtlantique、LGV北線開業で登場したRéseau、ユーロスター用の373000系、Duplex、Thalys、POS、La Posteなど様々な編成が存在しますが、私がリヨン駅やその近郊で撮影し、写真としてご紹介出来るのはSud-Est, Duplex, La Posteの3種類です。他の編成は別の駅の話題で出てきます。
TGV Sud-Est 29編成 2009/3/12 Gare de Lyon
先頭の動力車と隣接する客車の一部までに側面のフィルターや屋根の冷房ユニットがかかっており、ここまでが動力部分であることがわかります。隣のホームに入線しているのはDuplexの編成です。
まずSud-Estは1978年から1986年にかけて製造されたTGV第一世代の編成です。編成は10両で、両端に動力車、そして中間に8両の客車という構成です。2009年時点で107編成が在籍し、65本がリヨン駅側の南東ヨーロッパ車両基地に、42本が北駅側のランディ車両基地に配置されています。
対応する電源方式の違いから形式は2種類あり、
23000形(交流25kV 50Hz, 直流1.5kV) 編成番号 1-37, 39-45, 47-69, 71-87, 89-98, 100-102
33000形(交流25kV 50Hz, 直流1.5kV、交流15kV, 16 2/3Hz スイス国鉄対応) 編成番号 110-118
となっており、編成番号のない38はLa Poste(郵便車編成)に転用、70は1989年に除籍、88は118に転用、99は当初より欠番となっています。
編成出力は交流25kV 6450kW, 直流1.5kV 3100kW, 交流15kV 2800kWとなっており、我が国の500系W1編成の18,240kWの1/3程度となっています。編成重量は385t(1-102編成)、390t(110-118編成)で500系の700tの約半分です。
両端の動力車の床下に8基、隣接する客車の台車4基の主電動機が装備され、トリボートと称する可撓継手により、動力を伝達する方式を採っています。
TGV Sud-Est 52編成 2007/6/3 Gare de Lyon
制御方式は直流区間はサイリスタチョッパ制御方式、交流区間はサイリスタ位相制御方式で直流電動機を駆動しています。ブレーキシステムは発電ブレーキ併用電磁自動空気ブレーキであり、台車には踏面ブレーキとディスクブレーキが装備されています。
2編成併結のTGV Sud-Est 2007/6/3 Gare de Lyon
台車の空気バネの出っ張りが気になります。
電源切り替えは昔からのシングルアームパンタグラフを切り替える方式で、運転台寄りが直流用、連結面寄りが交流用となっています。
保安装置は高速新線区間(LGV)ではTransmission Voie-Machine (TVM)という線路を流れる信号情報を車両が受信し、運転席に速度、進行/停止の指示を与える方式となっており、在来線区間ではKVB(Contrôle Vitesse par Balise)に対応しています。
客車は一等車2両、二等車5両、二等座席とバーの合造車1両で構成されています。耐候性鋼板製で板厚は3.2mmです。定員は350人前後です。
TGV Sud-Est 100編成 2007/6/3 Gare de Lyon
8両の客車は連接台車で繋がっています。
Sud-Est 編成の車内 2009/3/8 Paris CDG T2~Monpellier
こんな写真しか撮っていませんが、スペースの広さの感じでは我が国の在来線特急より、狭いかも知れません。
このシリーズ、次回の記事ではDuplexの紹介を致します。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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