40年ぶりの梅小路蒸気機関車館 10 C56 160号機
2014年8月10日の梅小路蒸気機関車館訪問の話題、今回のC56 160号機と次回のC57 1号機は動態保存機として、活躍中のため梅小路機関区には不在で、写真は1974年9月当時の写真しか紹介できません(笑)。
1974/9/29 庫内に展示されていたC56160号機
まずは同機の梅小路に保存される前の履歴をいつものように沖田祐作氏の機関車表データから追ってみると
C56160 川崎重工兵庫工場=2099 1939-04-20 S37.60t1CT(1067)
車歴;1939-04-20 製造→ 納入;国鉄;C56160→ 配属[達335];札幌局→
1939-04-22 使用開始→1939-05-20 配置;静内→1939-09-19 発(9/20 着)借入;室蘭→
1939-10-03 発(10/4 着)返却→1940-02-07 発(2/7 着)借入;苫小牧支区→
1940-02-10 発(2/10 着)室蘭→1940-04-27 発(4/27 着)静内→
1942-01-28 発(1/30)苗穂→1942-09-05 発(9/11 着)備後十日市→
1943-10-30 発(11/2 着)白山→1944-03-31 現在;津山? →
1945-06-29 発(7/10 着)備後十日市→1947-05-27 発(5/28 着)津山→
1948-10-03 発(10/4 着)岡山支区→1949-09-13 発(9/14 着)小郡→
1950-06-06 発(6/7 着)宇部支区(本区小郡)→1953-03-20 発(4/13 着)鹿児島→
1954-07-01 一休指定→1954-07-09 発(7/9 着)出水→
1954-10-25 発(10/26 着? = 書類上?)横浜→1965-06-22 発(6/23 着)上諏訪→
1965-06-22 松本? →1965-07-08 発(7/10 着)借入;飯山→
1966-03-24 発(3/26 着)返却→1966-12-09 長野工場発= 中検出場(3/17 着)借入;飯山→
1967-03-16 発(3/17 着)返却→1967-03-17 一休指定→1967-12-07 二休指定→
1968-04-15 指定解除→1968-07-15 発(7/15 着)借入;中込→1968-11-05 返却→
1972-04-01 発(4/2 着)長野運転所→1972-05-15 発(5/17 着)七尾→
1972-09-01 長野工場発(9/8 着=9/6?)梅小路→
1972-10-10 動態保存;梅小路機関車館(京都府)
ということで、誕生は1939年4月、川崎重工兵庫工場でした。新製配置は北海道静内で日高本線などで活躍しました。1942年に中国地方に転属となり、津山線、芸備線などで活躍しています。戦後は宇部から、鹿児島、小海線、飯山線、さらには能登線と転々としています。そして1972年、動態保存機として梅小路にやって来ました。
走行線区を選ばない特性から全国からお座敷のお声がかかるようになったのは1980年11月の函館本線小樽~札幌間の「北海道100周年記念号」からだそうで、それ以来「SL北びわこ号」「SLやまぐち号」を中心に各種のイベント列車で活躍し、今日に至っています。
私は1980年代から90年代にかけては鉄道よりも旅客機に趣味の中心が行っていたこともあって、同機がJR東日本管内でイベント列車などを牽引していたことはまったく見過ごしていました。なお、東日本管内での運転は1996年11月の大糸線松本~信濃大町間の「SLあづみ野号」が現時点では最後となっているようです。
さらに過酷な運用続きであったため、ボイラーや足回りの老朽化が非常に早く進行してしまい、2017年を目途にD51200号機を本格復活させ、C56160号機にかかっていた負担を減らす方向になるのか、あるいは完全撤退するのかといった判断が下されるのでしょうか(JR西日本のプレスリリース)。
一方、記憶に新しいのが2013年2月にあおなみ線名古屋駅~名古屋貨物ターミナル間を走行した「SLあおなみ号」でした。河村名古屋市長は「名古屋鉄道聖地化計画」を打ち上げ、えらく乗り気であったようですが、JR東海の反応は「リニア・鉄道館で手一杯で煤煙・汽笛等の騒音問題や運転技術者育成問題など、解決しなければならない問題が山積みのSL運転には力をさけない」との素気ない返事で、前進はしていないようです。
ファン的視点から見れば、もともと同じ国鉄のJR東日本・東海・西日本の3社がお互いに協力、補完し合って、こういった問題を解決して行けば魅力的なものができるのにと思うのですが。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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コメント
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B767ー281様こんばんは。言葉は悪いですが、客寄せパンダのような蒸気機関車はかわいそうです。これからも維持できるような対策が必要だと思います。産業遺産としてしかるべき補助も必要だと思います。またまた連想ゲームのごとき発想ですが、ジェーアールグループは協力して、新たな周遊券を復活させて欲しいです。特に学生時代これに助けられました。鉄道復権のためにも是非と思う今日この頃です。お邪魔いたしました。
投稿: 細井忠邦 | 2015年4月16日 (木) 20時27分
細井忠邦さま、こんばんは。
仰る通りですね。やはり、酷使はいけませんね。折角の文明遺産をすり減らしては元もこうもありません。
周遊券復活のアイディア大賛成です。昔のように急行列車乗り放題とは行きませんが、在来線特急の自由席を解放してもよいのではないでしょうか。そもそも、今の特急は昔の急行相当ですから。常磐線特急のように自由席が無くなってしまった特急もありますが。
新幹線の開業で並行在来線がJRから切り離されて18切符が使えなくなると言うのも大いに残念ですね(笑)。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年4月16日 (木) 21時57分