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2015年4月30日 (木)

パリの6つのターミナル駅巡り リヨン駅 4 TGV Duplex

パリの6つのターミナル駅巡り、TGV南東線を始め、フランス南部との多くの旅客列車が発着しているリヨン駅の話題、今回もTGV関係でSud-Estに続き、LGV南東線の主力と活躍中のTGV Duplexの話題です。

Tgvduplex_070603_gare_de_lyon TGV Duplex 252 編成 2007/6/3 Gare de Lyon

第三世代のTGV車両として、飽和状態になっていたLGV南東線の輸送力を高める目的で開発されたのがTGV Duplexです。我が国のE1系E4系MAXと似た背景から登場しています。

1981年の開業以来、旅客輸送量は順調に増え、1990年代初めには約2倍となりました。この対策として、当初、信号保安システム(TVM)の改良により、1時間あたりの列車本数を5分ごとから4分ごとに上げることで対応を試みましたが、在来線区間の線路容量がボトルネックとなり、運転本数が制約されました。次に編成両数を増やすことが考えられましたが、フランスではリヨン駅を初めとして頭端式のホームが多く、乗客にとっては問題でした。そこで出されたのがダブルデッカー方式でした。

Tgvduplex_215_070603_gare_de_lyon2_ TGV Duplex 215編成 2007/6/3 Gare de Lyon

1990年に試作車が完成し、試験が繰り返され,290km/h走行試験や勾配走行試験も行われ、最初はTGV Réseau編成の動力車と組んでの試験も行われ、1995年6月21日に専用の動力車と組んだ新編成が登場しました。 前頭部の顔にあたる部分も大きくモデルチェンジされ、300km/h走行時の空気抵抗軽減に大きく貢献しています。客車も重量増加を軽減するためアルミニウム合金製となり、ダブルスキン構造となりました。車両間の通路は2階レベル結ばれています。動力車は2006年製までは鋼製でした。

Tgvduplex_070603_gare_de_lyon4 TGV Duplex 240

このシリーズで後で登場しますが、パリの近郊電車や地域列車ではかなり以前からダブルデッカー車は導入されていましたが、優等列車に採用されたのはTGV-Duplexが初めてでした。編成あたりの定員で比較するとTGV Sud-Estが350人でしたが、Duplexでは516人となり、約40%の増加となりました。

車両の構成はSud-Estの方式を踏襲しており、両端2両が動力車、中間8両の客車で、一等車3両、全室バー車1両、二等車4両となっています。

原型編成 29000形   1995年から1997年、2001年から2006年にかけて製造 
  201-289編成が在籍 
     201-230, 266-289 はリヨン駅側の南東ヨーロッパ車両基地
     231-265はLGV大西洋線 アトランティック車両基地に

南部の都市、モンペリエに出張した際にTGVで二度往復しましたが、Duplexに乗車した際には車内探検をして、各所の写真を写していますので,次回の記事では車内の様子について紹介しようと思います。

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コメント

B767−281様 こんばんは。恥ずかしながら今までTGVの二階建ては知りませんでした。日本ではすっかり速度向上のためか、二階建て新幹線はあだ花のようになってしまっています。日本でフランスのような輸送力増強の必要性が生まれたなら、古かろうと新しかろうと駅舎を改良してしまうのかな、と思います。歴史ある駅舎には手をつけないで車両の方で折り合いをつけようという発想、やはりフランス的なのかな、などと思ってしまいます。原型に戻った東京駅、まともに見に行かねばなどとも思っております。夜分お邪魔いたしました。

こんにちは~。モモパパです。
2階建てTGVがあるとは知りませんでした。
日本の新幹線と考え方が違って機関車牽引の文化が廃れずに一番前の車両が牽引機となってるんんですね。
ヨーロッパじゃそういう考え方なのかな。

細井忠邦さま、おはようございます。

駅、建物の構造を維持して、美観を保つというのはヨーロッパの伝統なんですね。パリの街並みが維持されているのも厳しい美観条例があるからなんだと思います。

その辺が列車の編成にまで影響しているというのが面白いですね。

モモのパパさま、こちらにもありがとうございます。
TGVは両端機関車方式で始まり,今でも変わりないと思います。ドイツのICEは初めは機関車方式でしたが、3から分散式になりました。
やはり、山岳越えなどを考慮すると機関車方式に限界が見えてくるのかも知れません。

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