小菅の複々線を走る様々な列車達 プロローグ
首都圏の鉄道は主に環状線の山手線と山手線上の駅をターミナルとして、放射状に伸びる各私鉄路線から構成されており、さらに山手線の内側を結ぶ東京メトロ、都営地下鉄の路線に各私鉄が相互乗り入れしています。
中でも浅草から東武動物公園まで(押上~曳舟間も含む)の東武伊勢崎線は2012年3月17日からの東京スカイツリー開業に合わせて、東武スカイツリーラインという愛称がつけられました。ここを走る列車を眺めていると一体,何社の何形式が走っているのか数え切れないほどの種類があることに驚かされます。
しかし、後述のように東武鉄道は我が国の大手私鉄の中では一番古い創立で、明治期に発足した私鉄として創立以来一度も社名を変更せずに存続している鉄道であり、営業キロ数では関東地方で1位、全国でも近鉄に次いで2位の私鉄(JRを除く)であるにも関わらず、東武伊勢崎線のターミナルは一時、両国になったり、浅草になったり、揺れ動いた様です。
昭和初期に京成電気軌道と浅草のり入れで激しく争ったこともあり、1928年の京成電車疑獄事件で漸く、浅草雷門乗り入れを果たしますが、山手線との接続は出来ませんでした。
しかし、1962年に北千住での営団日比谷線乗り入れ、さらに2003年の押上駅を介しての営団半蔵門線乗り入れで、今日のスタイルが築かれました。北千住にフォーカスすれば、常磐線と相互乗り入れしている千代田線もあり、3本の地下鉄がそれぞれ都心に向かって延びるという一大ターミナルになっています。
小菅駅から荒川放水路の橋梁方面 2015/4/29
私は,西武沿線育ちで、東武伊勢崎線とはこれまで殆ど接点がなく、写真撮影の目的くらいでしか乗車した経験がないのですが、今回のシリーズでは小菅駅周辺を中心にこの区間で撮影した車両を会社ごと、路線ごとに系統的に紹介して行こうと思います。
まず、東武線としての歴史から見て行くと、
1895年4月6日 東武鉄道創立願(東京市本所区から栃木県足利町まで83.7kmの鉄道敷設)を申請
1896年6月22日 仮免状下付
1899年 北千住-久喜間が開業
1910年 浅草(位置的には業平橋、現、とうきょうスカイツリー)-伊勢崎開業
1912年 北千住-西新井間複線化
B1形 5号機関車 2014/7/16 東武博物館
B3形 34号 機関車 萩中児童公園 2015/3/1
1898年の開業に際して、B1形10両が製造されました。B3形はB1の改良形として、官設鉄道5600形の準同形機として1914年に6両が製造されました。その後もB4, B5, B6と導入され、1964年頃まで活躍しました。34号機は佐野線でのさよなら運転でも使用されました。
荒川放水路に架かる3本の鉄橋 2012/9/1
上流から地下鉄千代田線、常磐線、つくばエクスプレス、東武伊勢崎線
1923年7月1日 荒川放水路開削により、鐘ヶ淵-西新井間でルートを変更、北千住-小菅間で荒川を架橋
1924年10月1日 浅草-西新井間電化
デハ5 展示車両 2014/7/16 東武博物館
1924年10月1日の浅草-西新井間電化完成で新製された東武初の電車 デハ1形(製造年から大正13年系とも言われるそうです) デハ1-8の8両が日本車輌製造東京支店で製造されました。
1931年5月25日 浅草雷門(現、浅草)ー業平橋(現、とうきょうスカイツリー)間開業、浅草駅を業平橋に改称
1945年10月1日 浅草雷門駅を浅草駅に改称
1962年5月31日 北越谷駅から営団日比谷線人形町駅までの相互直通運転開始
1974年7月2日 北千住-竹の塚間複々線化 関東私鉄初の複々線に
1988年8月9日 竹の塚-草加間複々線化
1996年7月23日 北千住駅の日比谷線ホーム高架化
1997年3月25日 草加-越谷間複々線化、北千住駅4面7線立体化
2001年3月28日 越谷-北越谷間高架複々線化
2003年3月19日 押上-曳舟間開業(公式には業平橋-曳舟間の複々線化)
日光線南栗橋・半蔵門線・東急田園都市線中央林間まで相互直通運転開始
2006年3月18日 東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線との相互直通運転区間を久喜駅まで延長
荒川越しに見える東京スカイツリー 2012/9/1 小菅
2012年3月17日 業平橋駅をとうきょうスカイツリー駅に改称、浅草・押上 - 東武動物公園間に「東武スカイツリーライン」の路線愛称を付け、伊勢崎線を含む全路線全駅に駅ナンバリングを導入
「小菅」というとこの建物を指すこともあるそうですが、ご厄介にはなりたくありませんね。
さて、それでは現在、小菅駅を通る列車の種類と挙げてみましょう。
東武伊勢崎線関係
100系 スペーシア この4月からは日光詣の特別塗装も登場
200系 250系 両系列の区別もなかなか大変
300系 350系 こちらは6両と4両の編成長で区別可能
6050系 東武の車両と野岩鉄道、会津鉄道の車両が存在、かつての急行電車のイメージを今日に伝える貴重な車両
634型 6050系からの改造 観光列車の先がけですね。
1800系 赤白の人寄せパンダ的?
10000系 10030系/50番台 10080系 マイナーチェンジでイメージが大きく変わりました。
8000系 いにしえの主力車両、営業運転ではないものの亀戸線と大師線の車両交換で午後1時頃、2両編成が通過するそうです。
東京メトロ日比谷線関係
(東武)
20000系 20050系 20070系 側扉の枚数の変化
(メトロ)
03系 こちらも編成によって側扉の枚数が変化
東京メトロ半蔵門線関係
(東武)
30000系
50050系 下二桁の数字をいじるのが東武の昔からの流儀
(メトロ)
8000系
08系 6編成のマイナーグループですが、こんな系列があったことも最近知りました。
(東急)
8500系
5000系二代目
以上かと思います。
日比谷線用の20000系や03系に代わる形式や500系新型特急の導入がすでに発表されており、東急8500系もあまり先は長くないと思われ、風景の変化とともに時代時代ごとに走る車両も変わって行きますので、きちっと記録することは大切でありますので、今回記事として纏めることにしました。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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