九州鉄道記念館訪問 その6 クハ481-603
2004年10月の九州鉄道記念館訪問、今回はクハ481-603です。
「にちりん」のヘッドマークを付けて静態保存されるクハ481-603 2004/10/17 九州鉄道記念館
この車両は元々クロ481-5として1969年6月27日、日本車輌で製造され仙センに配置され、東北特急、「ひばり」「ひたち」「やまばと」「あいづ」「やまびこ」などで活躍しました。
元来、東北特急にクロが製造されたのは、食堂車と一等車を同時に連結し、板谷峠を越える特急「やまばと」のMT比2:1を保ち、特急「あいづ」の磐越西線におけるホーム有効長の関係から9連以内、という難題解決のための窮余の策でした。
クロ481-5を先頭にした特急「あいづ」編成 尾久
番号判断の根拠は後述のライトケース下の外気取り入れ口ルーバーのスリットの形態です。
1968年10月のヨンサントウ改正用に1968年6月にクロ481-1~4が新製され、9月末にかけて、サロ481-19~25に運転台を取り付けたクロ481-51~57が誕生し、1969年6月に増備で-5だけが新製されています。1969年6月というのはクハ481-30以降が製造された時期(*)と一致します。その後、1971年6月にクロ481-101、1972年2月までに102~104が増備され、東北特急のクロは16両体制で活躍しました(関連記事)。
(*) クハ481-29 1968/6/3, -30 1969/6/27
因みにクハ481-1~8 が1次 (1964/10) 9~28 が2次 (1965/6-8) 29 が3次 (1968/6) 30~36が4次 (1969/6-9) 37,38 が5次 (1970/3) 39,40 が6次 (1971/3)
現役時代のクハ481-603 1985/4/19 博多
その体制が崩れたのが1975年夏の長崎・佐世保線電化開業による特急「かもめ」「みどり」の誕生でした。このとき登場した「みどり」は国鉄史上最短の4両編成の特急で、グリーン車を連結させるため、小倉・博多より先頭がクロとなりました。そのために、1975年5月から6月にかけて仙センからクロ481-1,2,51~57が門ミフに転属し、1982年9月から12月には101~104が転属し、3~5は1983年10月に格下改造を施されクハ481-601~603となって鹿カコに転属し、仙センからクロ481は一掃されました(関連記事)(関連記事2)。
番号表記や妻面の表記
車内の様子 昔、特急電車の指定席に乗り込むワクワク感があります。
このタイプのエアコンの吹き出し口は181系「はと」や「とき」に乗った時も同じだったような
この車輌のライトケース下、ボンネットに外気を取り込むルーバーの形はクハ481-30以降の4次車と同様の縦スリットになっています。0番台のクロでは5のみが製造時期からこの形態であったと思われます。
「ひたち」に連結されたクロ481 ルーバーのスリット形状が横型
クロ481 基本番台、50番台のうち、5以外はこのタイプだったと思われます。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
上のリンクをクリックされると面白い鉄道記事満載のブログ村。もしくは鉄道コムに飛ぶことができます。
« 東海道新幹線開業から50年 その18 N700系 part1 | トップページ | 保存施設と車両 名鉄旧美濃駅 part2 »
「鉄道博物館」カテゴリの記事
- 速報版(補遺) 2024猛暑の夏 新潟の旅 3日目 その2 直江津駅 part2(2024.08.27)
- 大川端・佃島周辺を散策する part13 旧新橋停車場跡・鉄道歴史展示室(2022.09.09)
- 秩父鉄道の駅 その13 三峰口駅(2021.09.10)
- 秩父鉄道の車両たち その12 電機 デキ1形6,7号機と同型(デッカー形電機)の東武鉄道ED10形(2021.08.06)
- 2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 63 日光戦争、東武側の対抗策(2020.12.23)
「電車481/483/485/489系」カテゴリの記事
- 381系以来となったアルミ車体の振り子式電車特急 885系 その2 2次車としてソニック用編成の登場(2023.05.29)
- 登場から35年が経過したJR九州の783系 その3 老朽廃車の開始へ(2023.05.11)
- 2022年夏 名古屋遠征 特急「しらさぎ」 その誕生から485/9系使用終焉まで(2022.09.21)
- 2018年晩夏 長野県内の保存蒸機を見て歩く旅 61 日光戦争から東武直通へ(2020.12.21)
- 下関総合車両所一般公開 鉄道ふれあいフェスタ 2016 その6 HM展示 8 いそかぜ(2017.06.10)
コメント
« 東海道新幹線開業から50年 その18 N700系 part1 | トップページ | 保存施設と車両 名鉄旧美濃駅 part2 »
b767ー281様おはようございます。ボンネット横のスリット形状は181系の同時期に増備されたクハ181-109、クハ180-5と同じようです。やはり1969年度の新製です。なかなか綺麗に整備されていて、良いですね。機会があれば是非訪ねてみたいです。お邪魔致しました。
投稿: 細井忠邦 | 2015年6月24日 (水) 06時16分
細井忠邦さま、こんばんは。
181系の場合も,最終増備のクハ181-109とクハ180-5が縦スリットになり、しかもこの2両はなんとクハ481-501、502に改造されたのですね。思えば、181系でも製造年次が新しかったため、485系一族に加わったのですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年6月24日 (水) 20時42分