保存施設と車両 名鉄旧美濃駅 part2
2014年8月11日の旧名鉄美濃市駅訪問、今回は展示されている車両から名鉄モ593です。
2011年3月の延焼被害から無事修復されて美しい姿で展示されているモ593 2014/8/11 旧美濃市駅
名鉄モ590形は1957年4月から11月にかけてモ591~595の5両が日本車輌製造で製造されました。架線電圧600Vの直接式の制御方式で、主電動機はTDK535-1A 45kWのもの2個を採用し、吊り掛け駆動方式で、歯車比は19:58 (3.05)となっています。
制動方式はSM-3直通空気ブレーキ方式で、台車は一体鋳鋼型ペデスタル式の住友金属工業FS78Aを履いています。車内はロングシート仕様で、室内灯は蛍光灯を採用しました。
当初は5両とも、岐阜市内線に投入されましたが、モ591は1968年から美濃町線で運用されることになり、他4両も1971年までに美濃町線に転属しました。同時に、専用軌道線での高速運転用に歯車比が4.5から3.05に変更されました。やがて、美濃町線が新岐阜に乗り入れるようになると、複電圧方式のモ880形の時代と成り、1981年以降モ593-595は休車となりました。
1983年、新関~美濃間がワンマン運転区間となり、モ591-593がワンマン対応改造を施されたのに対して、モ594, 595は他社へ譲渡されることもなく、廃車解体処分となりました。1999年、新関~美濃間が廃止されると徹明町~日野橋間の運用を担当し、モ591, 592はSIV電源装置と三菱電機のCU77A型冷房装置を搭載し、冷房化がなされましたが、モ593はそのまま非冷房で残されました。
車内にも立ち入り可能です。
一方の運転台には運賃表が
もう一方のエンドには成田山のお守りや温度計が印象的でした。
2004年、美濃町線を含めた600V区間の廃止が決まると、モ593は旧塗装に復元され、2005年3月31日の廃止後はモ591、592は土佐電気鉄道に譲渡され、モ593は台車と主電動機のみが譲渡されました。その後、モ570形廃車発生品の台車を組み合わせて、旧美濃駅構内に静態保存されるようになりました。2011年3月9日に美濃駅東側民家の火災に巻き込まれ延焼しましたが、無事修復されました。
運転台は極めてシンプルで、マスコンとブレーキ弁、メータは圧力計のみです。
この箱はワンマン化に際して後付けされたものかと思われます。
なお、高知の土佐電気鉄道、現在のとさでんに譲渡された591、592も2014年12月の高知旅行で現役で活躍する姿を撮影しておりますので、いずれご紹介致します。
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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