通勤電車シリーズ 103系 29 阪和線 その3
通勤電車103系シリーズ、前回に続いて阪和線の103系の続きです。
クハ103-500番台 4連 2003/3/28 南田辺
前回の記事では1968年から1980年にかけてクハ103基本番台、500番台、クモハ103の履歴から阪和線関係の転属(鳳、日根野電車区)の配置を見てみましたが、今回は1979年、1984年、1993年などの編成表データから車両の冷房化、先頭車改造などを追ってみようと思います。
1979/4/1 時点での阪和線103系編成表 日根野区
未だ編成番号はなく、両端クハ103基本番台のグループと天王寺方先頭車がクモハ103のグループに分かれていました。羽衣支線用にはMcM'T'cの3連が3本配置されていました。冷房車両は青で示した車輛で12編成AU75方式で改造されていました。
1984/4/1 時点での阪和線103系 編成表 日根野区
続いて1984年の編成表では、快速運用用に8連編成が登場しています。両端クハは基本番台で7本準備され,全てが冷房車です。また6連両端基本番台クハの編成には1980年に配属された高運転台非ATC車、2000番台モハ102の姿が見えます。
WAU102で冷房改造されたクハ103-500番台 2003/3/28 南田辺
1993/4/1時点での阪和線103系編成表 日根野区
1993年民営化後は8連の編成はなくなり、それぞれの編成に編成番号が付与されます。6連の編成は全て両端基本番台クハで組成され、K600番台となり、4連の編成はTcMM'TcとMcM'TT'cの編成となり、J400番台の編成番号が与えられました。
WAU102冷房改造 クハ103基本番台 K編成 6連 2003/3/28 杉本町
また冷房化は緑で示した車輌が分散式WAU102で冷房化されました。
羽衣支線はクモハ123-5,6 2両とクハ103-194が担当しています。1989年10月20日からワンマン化されました。123系の入場時はJ407編成を3両にして運用するため、こちらも1989年10月30日にワンマン化改造が実施されました。
前照灯のシールドビーム化もクハ103-118を残して完了しています。尤もクハ103-180以降は製造時からシールドビーム2灯で登場しています。
J417編成のクモハ103-5005は片町線全線電化開業(1989/3/11)に対応して,松井山手以西の7連を同駅で切り離し,木津より3連が以東に入線するように、木津直通編成の京橋よりクモハに連結・解放用装備搭載改造がなされたもので
クモハ103-48・モハ103-248・249・241・295・304・427・435・480・485・499・727・729・770・772・780→クモハ103-5001 - 5016 のように改造されました。本来、淀川電車区に配置されましたが,5005は1992.2/20にヒネに転属しました。同車は1995/9/20にクモハ103-2504に再改造され、羽衣支線ワンマン対応となりました。
2002/4/1 時点の阪和線103系編成表 日根野区
クモハ103-5000番台が2500番台に再改造され,日根野区に配置されています。
クモハ103-2500番台 2008/2/26 熊取
オリジナルのクモハ103はこのタイプのシールドビームでは製造されていないので,改造クモハ103と分かります。JR西日本はモハ103に運転台を取り付けるにあたって、高運転台タイプではなく1次改良型の低運転台タイプを選んだためこういった顔になりました。
羽衣支線で活躍中のクハ103-192他3連 2008/12/12 鳳
本来のL101編成 Mc23-M'105-Tc26が入場中だったのかJ424編成からサハを除いた3連が活躍中でした。
上の写真の編成の反対側 クモハ103-2504 2008/12/12 東羽衣
この車輌は上述のモハ103-295から運転台取付改造され,クモハ103-5005となり、再改造されて、クモハ103-2504となった車輛。
2008/12/12 鳳
1980年に投入された高運転台タイプのクハも体質改善工事でこのような姿に
JR西日本のプレス発表(2015/4/30)によると、2016年春のダイヤ改正で阪和線に122両新型車両を投入するとのことで1968年10月のヨンサントウ改正以来、続いていた103系の活躍にも終止符が打たれるようです。
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コメント
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b767−281様 お早うございます。台風一過ですがまだまだ風が強いですね。西日本、103系を大事に使っていますね。体質改善車が出た時には驚きました。悪友は「関西に行ったら103系じゃない103系が走ってた。」と言っていましたが、まさにその通り。しかし阪和線の同系もいよいよ新車に置き換えられるようですね。環状線の201系は奈良線系統へ行くようですが、103系はさすがに行き場はなさそうです。民営化されてから写真は殆ど撮らなくなりましたが、お疲れ様でした、の声をかけてあげたい気分です。ではまた。お邪魔いたしました。
投稿: 細井忠邦 | 2015年7月18日 (土) 06時32分
こんばんは。早速ですがコメントさせていただきます。ぼくは今年も大阪旅行を計画していて、JR西日本の103系に出来る限り乗っておきたい考えです。
ところで、103系の置換え目的で阪和線に投入される122両の新型車両は、大阪環状線に投入される323系をベースにした3ドアロングシートの通勤型車両とし、223系ならびに225系とも連結が可能にするのではないかと思います。(但し4連バージョンのみ。)こうすることで運用の共通化と、将来のなにわ筋線への乗り入れに備えるのではないでしょうか。
投稿: 生田絵梨花愛好者 | 2015年7月18日 (土) 18時59分
細井忠邦さま、おはようございます。
阪和線の103系、同じ車輌が長いこと使われた記録的にはギネス記録保持車のようで,ホント修理しながら大切に使って来たのですね。我々が子供の頃、旧国といっていましたが,あの頃の旧国よりも貼るかに年季が入っているのではないでしょうか。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年7月19日 (日) 04時00分
生田絵梨花愛好者さま、はじめまして。
コメントありがとうございます。
大阪環状線、阪和線、関西本線など大阪の国電はホント古い車輛を大切に扱って来ましたが,近々大きくその姿が変わるようですね。
私も関東在住で最近はしっかり観察できていないので,チャンスがあれば行ってみてみたく思っています。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年7月19日 (日) 04時04分
こんにちは~。モモパパです。
103系というと僕は反射的に高運転台高窓車を思い浮かべてしまうのですがそうでない103系も外観がすっきりまとまってていいですね。
投稿: モモのパパ | 2015年7月20日 (月) 03時14分
モモのパパさま、こちらにもありがとうございます。
関東の人間からすればまだ103系が頑張っているということでさえかなり驚きですが、同じ車輛を修理しながら長く使ったということも実に素晴らしいことですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年7月20日 (月) 05時34分
B767さん、こんばんは(^^)阪和線の103系ですね。なんか103系といえば…戸袋窓があった頃のイメージしかなかったんですが、戸袋窓がなくなるとなんかスッキリしたような感じですね。103系の体質改善車も走っているとはね。
投稿: マスダっち1971 | 2015年7月23日 (木) 18時40分
マスダっち1971さま、おはようございます。
103系も体質改善車となるとえらくすっきりして,別形式のように見えますね。戸袋窓は特に腐食が進む場所なので撤去されること多いですね。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年7月24日 (金) 05時31分