保存施設と車両 名鉄旧美濃駅 part3
2014年8月11日の旧名鉄美濃市駅訪問、今回も展示されている車両から名鉄モ601です。
名鉄美濃市駅跡に保存されているモ601 2014/8/11 ステップ付き
導入は1970年で間接非自動進段制御器を搭載した車輌で美濃町線から田神線を経由して直流1500V電化路線の各務原線に乗り入れ、新岐阜に直通運転する列車として運行されました。したがって電圧は600V と1500Vの複電圧対応方式となりました。
そもそもこういった路線が建設されるに至ったきっかけは、1967年に岐阜地区の鉄軌道車両の検査を受け持っていた岐阜工場が市ノ坪町に移転することになり、美濃町線競輪場付近より分岐して岐阜工場に至る引き込み線が新設されたことだったそうです。新工場は各務原線の細畑-田神間に線路に隣接して建設されたため、名鉄はこの引き込み線を利用して美濃町線の列車を新岐阜に直通させることを計画しました。
美濃町線の狭小な車両限界に対応するため前後の車端部を大きく絞り込んだ外観から「馬面電車」とも呼ばれました。モ600形は601-606の6両が新製され、当時衰退の一歩を辿っていた路面電車用車輌として久方ぶりの新型車輌であることなど、評価され1971年度鉄道友の会よりローレル賞を授与されました。
確かに細長いお顔の馬面電車です。
後年、モ800形が導入され2000年9月4日にモ604、605が廃車に、10月24日にモ601、12月22日にモ602、603が廃車となりました。モ601, 603, 605は解体を免れ各地で静態保存され、モ604、605の電圧転換装置など一部の機器はモ870形の複電圧対応化改造後日、記事にする予定ですが元々札幌市電A830形)に流用しました。モ606は600V 区間の営業最終日2005年3月31日まで運用されました。
現役時代は2+1の転換クロスシートが並んでいたようですが、現在はそれらは撤去されていました。
モ603は各務ヶ原線手力駅付近の飲食店(後に託児所)にて静態保存されていましたが、同所の廃業で2011年に解体されました。
モ605は高山市内の民間宿泊施設似てカラオケルームとして再利用
運転台 中央の速度計の下の部分は電圧切り替えSWでしょうか。
車輌定員 90人
全長 14,890mm
全幅 2,236mm
全高 3,926mm
全金属製 重量 18.1t
軌間 1067mm
主電動機 直流直巻電動機 TDK-516-E 出力 60kw 搭載数 2基/両
モ601 602は4基/両
歯車比 2.65 (61:23)
駆動方式 吊り掛け式
制御装置 電空単位スイッチ式関接非自動加速制御 HL制御 HL-480F
台車 D12 モ601 602の台車はボールドウィン・ロコモティブ・ワークス 42-84-MCB-1
制動方式 SME非常直通ブレーキ
製造 日本車輌製造
結構複雑な連結器周り
最後まで読んで戴きありがとうございます。
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コメント
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こんにちは~。モモパパです。
名鉄モ600形。
たしかに前面が馬面みたいでしたね。
運転席が異常に狭かったような覚えが。
それでも車内のシートはクロスシートでした。
電装品を屋根上に乗せたおかげでクーラー設置車と見間違えられたとか。
投稿: モモのパパ | 2015年7月17日 (金) 04時20分
モモのパパさま、こちらにもありがとうございます。
わたしも噂には聞いていたのですが,実際に訪問して触れる機会を持って美濃町線の素晴らしさを実感している次第です。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年7月18日 (土) 04時45分