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2015年8月 6日 (木)

速報版 2015夏の旅行 広島・山口・島根編 3日目 その3

木次線は簸上(ひるがみ)鉄道が宍道~木次間を1916年10月11日に開業し、後に鉄道省によって南方に延伸し、芸備線と備後落合で接続することで、1937年12月12日に全通した路線です。
1950年代から1990年代にかけては広島~松江間を結ぶ急行「ちどり」などの優等列車が運転されていましたが、道路整備の進展と自家用車・高速バスの隆盛に押されて、1990年代以降、陰陽連絡線としての役割は失われてしまったようです。保守点検の合理化を目的とした25km/hの速度制限区間があるのもこの路線の特徴とのことです。管轄は宍道駅が米子支社、備後落合駅が岡山支社でそれら以外は米子支社木次鉄道部です。

(急行「ちどり」に関しては8月4日に松江の北公園に保存されているC56131号機を見学しましたが、「ちどり」のHMを付けていました。)

昨日の記事では宍道発備後落合行きの列車は1日1本と書きましたが、木次から652, 1504発の列車が備後落合まで行っており,スイッチバックを越える定期列車は1日に3往復です。

また、中国地方きっての山岳路線であり、豪雨・豪雪での運休もしばしばあり、冬の豪雪では2005年度に出雲横田~備後落合間が2005/12/22-2006/3/29まで、2011年度は1/4-3/29、2013年度は12/28-3/22が積雪を理由に運休となり、夏場の豪雨でも、2006/7/20-7/27に運休となっています。

現在は国道314号が整備され,出雲横田~備後落合間は大雨・大雪の際にはタクシーによる代行輸送が頻繁に行われています。保線に費用を投じるよりも代行輸送の方が費用がかからないといった現実もあるようです。国鉄末期の廃線が盛んに行われた頃は,「沿線道路が未整備」という理由で廃線になりませんでしたが、昨今の現状は廃線になってもおかしくない状況ですが、廃線提案が浮上しないのは観光資源としての価値が見いだされてきているのかも知れません。私も,テレビの鉄道番組「全国百線鉄道の旅」や「鉄道絶景の旅」で木次線の3段スイッチバックが紹介されるのを観ていまして,今回乗ってみようと思いついた次第でした。

150803
JR西日本が観光として力を入れているのが、昨日の記事にも登場した「奥出雲おろち」号で通常(6月から9月の金土)は木次発1007備後落合着1224、備後落合発1245木次着1502で往復しており、日曜日や祝日は出雲市発845で片道直通運転されています。

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出雲坂根の駅から先、直進は出来ずここが最初の折り返し点になり、運転士は反対側の運転席に移動します。

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出雲坂根を発車した列車はシーザース・クロッシングを渡り、2段目の線路へ

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しばらく上ると3段目線路との切り替えポイントが,ポイントは豪雪から守るためスノーシェッドに覆われています。

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2段目の行き止まり  この構造のため、列車の編成長は行き止まり部分から,ポイント部分までの有効長に制限されます。勾配は30‰だそうです。

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先ほどのポイントが切り替わった後、3段目に進入
3段スイッチバックはJR九州の立野(阿蘇の外輪山越え)でも経験していますが、JR西日本では唯一のもので大変興味深い眺めでした。

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出雲三成を出たあたりで車窓から見えた「おろちループ」の案内看板

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平行する国道314号の方はこの高低差をループ線で行き来しています。

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列車は少しすると見晴らしの良い区間に出て,平行する道路のループ橋などが見えてきます。運転士さんが気を効かせて,減速してくれました。

この後、第八坂根トンネルがサミットで、次の三井野原駅がJR西日本では最も標高の高い駅だそうで、木次線宍道駅との標高差は722mだそうです。

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1422 終点の備後落合に到着です。宍道を1121に出発して,3時間1分かけて、81.9km走って来ました。

150803_7 備後落合駅名標と木次線列車 2015/8/3

備後落合から先は,来た路を戻るか,別ルートが思案したのですが、ここから芸備線で新見へ、新見から伯備線で米子へとのルートも接続が比較的良いのでそちらを選択しました。(次回の記事へ)

なお、木次線の沿線の様子は「咲子の奥出雲 山里だより」の記事に木次線の歴史とともに、奥出雲町内7駅が紹介されており、大変素晴らしい記事です。2010年7月17日の記事ですが,大変参考になりました。

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コメント

b767−281様 おはようございます。木次線の歴史、興味ふかいですね。線路保守を軽減するために列車に制限をかけるとは!色々考えさせられます。沿線もきっと過疎化が進んでいるのでしょう。道路は優遇され鉄道は、と悲しくなります。世の中効率優先なので仕方がないのかもしれませんが。観光に力を入れらために生き残っているというのがせめて幸せなかもしれませんね。この続き楽しみにしております。

こんにちは~。モモパパです。
木次線。種村直樹氏や宮脇俊三氏が本に書いていて一度は乗ってみたいなと思ってる路線でした。
夢がかなって乗ったときは亀嵩駅の駅そばを味わいたかったのですがそれはかなわず。三段スイッチバックって今も現役なのですね。いつまでも残してほしいものです。

細井忠邦さま、おはようございます。

中国地方の陰陽連絡ルートは伯備線の一人勝ちの状態で、広島の経済界がなんとか芸備線~木次線ルートを高速化できないかとJR西日本に持ちかけたようですが、JRは地元負担の原則を持ち出して、沿線の過疎化が進んでいる以上どうにもならないことが明らかになったという話がWikipediaに書かれています。今多くのローカル線が同じような悩みを抱えているのでしょう。木次線の場合は,是非あのスイッチバックや沿線に伝わる文化を観光資源として活かして欲しいです。

モモのパパさま、おはようございます。
木次線、訪問されていましたか。
今回はさっと通り抜けてしましましたが,機会があればじっくり沿線文化に触れてみたく感じました。

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