京急ファミリー鉄道フェスタ2015 part5 2000形
2015年5月24日、久里浜の京急ファインテックスで開催された京急ファミリー鉄道フェスタ、前回は2代目800形でしたが、今回は1982年登場の2000形を見て行こうと思います。
3扉化改造されてはいるものの登場時に塗装に戻された2011編成 2015/5/24 京急ファインテック
2000形が営業運転を開始したのは1982年12月27日のことで、600形の後継として、仮称900形として「快速特急」用に設計され、1987年までに72両が製造されました。1998年に後継の2100形が登場したため、2000年にかけて通勤形に格下げ改造が施されました。
快速特急用としての快適性とラッシュ時への対応を考慮して、2扉クロースシートでありながら、扉付近の立ち席スペースを拡大し、120km/h運転のため起動加速度を犠牲としながら均衡速度を130km/h以上とし、800形のシステムを継承しつつ、主電動機出力を向上し、編成中に付随車を挿入し、経済性追求した点が設計の特徴でした。
現行塗装の2031編成
編成は8両と4両があり、8両編成は3両1群の電動車ユニット2つの間に2両の付随車を挟む構成
M1c-M2-M3-Tu-Ts-M1-M2-M3c
4両編成は3両の電動車ユニットの間に制御回路を引き通した付随車を1両挟んだ構成
M1c-M2-T-M3c
で、いずれも電動車が先頭となっています。連結器は京急で初めて電気連結器付き廻り子式密着連結器を採用しました。車内設備のよさは乗客から好評で、1983年、鉄道友の会ブルーリボン賞を京急の車両としては初めて受賞しました。
京急のこれまでの伝統を打ち破り、前照灯は前面窓下に降りて、尾灯と一体化され、客用扉も両開き式となりました。先頭部のデザインは800形開発時のデザイン案がリファインされて採用され、外板塗装はあかい車体に窓回り白の当時の800形のスタイルが踏襲され、この後、優等列車用の標準塗装となりました。
主電動機はKHM-2000(東洋電機製造製TDK-8575、三菱電機製MB-3281-ACの総称、出力120 kW、端子電圧250 V、電流540 A、分巻界磁電流24 A、定格回転数1,270 rpm、定格速度46.6 km/h)
駆動装置はKHG-800(東洋製TD282-C-M、たわみ板式継手)、歯車比は80:19 (4.21)
主制御器は東洋製ACRF-H12120-782A形界磁チョッパ制御装置。抵抗制御段数は直列15段、並列8段。800形と同様に3両分12個の主電動機を1台の主制御器により制御。
台車はTH-2000M, T(空気ばね車体直結乾式ゴム入り円筒案内支持)
パンタグラフは東洋製PT-43系形菱形
補助電源装置は三菱NC-DAT-140B SIV (140 kVA)をM3・M1・T車に搭載
空気圧縮器はC-2000MまたはC-2000L、レシプロ式がサハ2000形に、4両編成ではAR-2
空調装置は屋上集中式(三菱、CU-71DまたはCU-71DN)
ファイナルランHMを付けた2031編成
製造年次
1982年12月: 2011-2018 8両編成 第一編成が東急浦賀方4両・川重品川方4両の製造で落成 量産先行車
1984年5月: 2021ー2028 東急 2031-2038 川重 2011編成の使用実績をもとに細部が変更され、600形の16両が廃車となりました。
1985年2・3月: 2041-2048 川崎重工 2411-2414 2421-2424 東急車輌 4両編成も製造され、12連の通勤快特にも使用開始
1986年2・3月: 2051-2058 川崎重工 2061-2068 東急車輌 2431-2434 東急車輌 2441-2444 川崎重工 この製造で600形は全廃
1987年6月: 2451-2454 川崎重工 2461-2464 東急車輌
4両編成バージョン 2441編成 2010/6/13 八丁畷
2000年にかけて2100形に快特運用を2100形に譲り、2000形は3扉ロングシート化改造が実施されました。車体の中央部を切り取り、戸袋と出入り口を開口した側構体を溶接する方式で施工されました。
かつて、優等列車としてロングラン運用に専ら対応していたため、車輌の老朽化がかなり進んでおり、現在8連は羽田空港と新逗子とを結ぶエアポート急行に活路を見出しているようです。4連は3編成が1500形、600形、新1000形と共通で使用されています。
廃車も既に始まっており、2012年5月に2411、2421、2431編成、2014年7月に2021編成が廃車されています。
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コメント
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B767-281様こんばんは。京急2000には苦い思い出があります。それはアノ集団離反型のシートです。三浦海岸の帰り、たまたま後ろ向きに乗ってしまい、人生初の電車酔いを体験しました。後ろ向きで、窓のすぐ近くを景色が飛んでいくし、大変でした。〔笑い〕しかしながら素晴らしい性能が確認できた乗車でした。こちらも引退が始まっているとは。時代は確実に流れでいるのですね。夜分にお邪魔いたしました。
投稿: 細井忠邦 | 2015年9月24日 (木) 21時25分
こんにちは~。モモパパです。
京急ファミリー鉄道フェスタ。
いろんな車両が見ることができたんですね。
密着連結器を初採用した車両ですか。
だとしたら連結する車両も限られてしまいますね。
クロスシートからロングシートへの改造は鉄道会社のトレンドというか時代の流れなんでしょうね。
投稿: モモのパパ | 2015年9月25日 (金) 02時30分
細井忠邦さま、モモのパパさま、おはようございます。
確かに逆向き固定座席というのは酔うことがありますね。私は未だ幸いありませんが、子供と乗った際に嫌がったのを憶えています。
今回のイベント訪問で、わたしも京急の電車の現状がよく分かったように感じます。
投稿: B767-281(クハ415-1901) | 2015年9月25日 (金) 04時21分